毎週ボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムで支払いをしたお客さんから見なれない 5ポンド紙幣を受け取りました。
スコットランドの5ポンド札です。
イングランド、そのほかイギリス連合王国内どこでも流通しています。
2016年に世界に先駆けて発行されたプラスチック(正しくはポリマー樹脂)製の紙幣です。
イングランドでも同年、プラスチックの5ポンド札が発行され始めました。
イングランド発行の新札に関するあれこれについて書いてある以前の記事のリンクです。ぜひ読んでください。紙幣のデザインがわかる写真も載せています!☟
今日でお別れ、丸い1ポンド硬貨 偽造不能の新硬貨は12角形
「スコットランドもイギリス連合王国の一部なのに、なぜ同じ額面の 違う種類の紙幣が出回っているわけ!?」と思われたでしょう?
スコットランドだけではんく、北アイルランドもイギリス連邦内どこでも使用可能な独自の紙幣を発行しています。
(連合王国を形成するもう一国、ウェールズには独自の紙幣はありません)
スコットランドはウェストミンスター(国会)に代議士を送っているし連合王国の一部ではあるのですが、イングランド、北アイルランド、ウェールズとともに連合する「国家」なのです。
しかも、スコットランドにはぜーんぜん違う3セットの紙幣が発行され流通していることを ご存知でしょうか。
スコットランドの3大有力銀行(バンク・オブ・スコットランド、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、クリーデスデール・バンク)が独自に紙幣を発行しているのです!
北アイルランドは4銀行が それぞれ違うセットの紙幣を発行しているそうです。
(実物を見たことはありません)
上の写真の、ナン・シェパード Nan Shepherd(戦前戦後に活躍したスコットランドの国民的作家/詩人だそうです)の肖像画がプリントしてある5ポンド札は、イングランドにも多数支店がある私営のメガバンク、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド (RBS、Royal Bank of Scotland )が発行したものです。
このナン・シェパード5ポンド札の裏側は、マカレル(サバの一種)!スコットランドといえばサケ、だと思っていたのに意表を突く選択です。
女王陛下の肖像がどこにもないのも意外でしょう?イングランドの紙幣にはすべてあるのに!
ほかのスコットランドの紙幣にも女王陛下の肖像はありません。
そういえば、日本の紙幣にも天皇陛下の肖像がありませんね。
RBSが発行する10ポンド紙幣にはスコットランドの18世紀の天文学者/サイエンス・ライターのメアリー・サマヴィルと、裏面にはカワウソが印刷されているそうです!見たいなぁ。
(2紙幣に女性の肖像を使用するRBS、考え方が現代的です!)
オックスファムの贋札探知機に差し入れると額面番号(5)ではなく、マンガっぽいかわいらしいマカレルが青緑色に妖しく浮かび上がります。
ちなみに、イングランドでも19世紀の中ごろまでは無数にあった銀行が それぞれ独自の紙幣を発行していたそうです。
銀行が倒産したら その銀行の発行した紙幣がただの紙くずに!
昔の銀行はよく倒産したらしいので 混乱は並大抵のことではなかったはずです。
現在は国営の中央銀行、バンク・オブ・イングランド Bank of England のみが貨幣を発行しています。
イングランドとスコットランド(RBS)の5ポンド札にそれぞれジェーン・オースティン、とナン・シェパード、日本の5,000円札に樋口一葉、と紙幣に肖像が印刷される女性はすべて作家、というのが興味深いですね。
関連リンクをもう一本☟
ニセ札天国のイギリス!セカンドハンド品を売るチャリティ・ショップにまで導入された最新探知機、50ポンド札事情!
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調べていませんが、ほかにもあると思います、私営銀行に紙幣の発行の権限がある国が
何所に居ても 銀行が出来れば
紙幣が 発行できるなんて
個性を尊重する 国なのでしょうね