昨日の記事の続きです。
マンチェスターの、セント・アンズ・スクエア St Anne's Square 。
18世紀の美しい教会、セント・アンズ・チャーチ St.Anne's Church が突き当りにある、比較的高級な小売店が並ぶ、ショッピングエリアです。
5月22日のマンチェスター爆撃事件の22人の犠牲者を悼む気持ちを表明する、追悼広場になっています。
花束や、キャンドル、ぬいぐるみ(犠牲者の多くは子供です)風船、カード、亡くなった方の写真をささげ、地面にチョークで哀悼やテロへの糾弾、不正に立ち向かう連帯のメッセージを書きつける市民の行為は事件の翌日から、自発的に始まりました。
事件後2週間になろうとする今も、供え物を持ち寄る人が後を絶ちません。
そもそも、最初に花束がおかれはじめたのは教会のそばの石の現代彫刻の周りだそうです。
今では、少し離れた場所にある、第一次世界大戦の戦没兵士を祀る記念像の周りにも供え物や花束が置かれはじめています。
二か所からひろがる花束の海が、合流するのも近いでしょう。
上の写真に、WORLD CLASS ATHLETICS というイベント予告ののぼりが写っていますね。
爆撃事件のあった週の金曜日に、有名な陸上選手を招待してシティセンターで親善スポーツイベントが行われました。
5千人の市民が参加した大規模なハーフ・マラソンも大きな話題を呼びました。
テロ事件があった、その週に!?
実行犯は、自爆して死亡しましたが、テロリスト一味はまだ捕まっていません。
都市を挙げての大イベントに新たなるテロの可能性が限りなく大きかったのは言うまでもありません。
急きょ取りやめも もちろん検討されました。
しかし、決行されました!
「ここでイベントを取りやめれば、この偉大な都市がテロの恐怖に屈したことを全世界に表明することになる、そんなことは決してあってはならない!」という主張が大勢を占めたのです。
「大イベントに誘発されるテロ再発の危険性」を承知の上で、マラソン参加に登録した市民のほとんどが、予定通りの参加を希望したことも決行を後押ししたそうです。
全国から派遣されたものすごい数の警察官が警備にあたりました。
イギリス全国の熱い支持を受けて決行されたこのスポーツ・イベントはマンチェスター市民の、誇りと連帯の象徴になっています。
・・・・で、この花束の海の上に下がるイベント予告の のぼり・・・
町中にあったこの のぼり、イベントが終わった後も、この2枚だけ、取り下ろされることもなくひらひら下がっています。
花束をどけて柱を取り除く作業をするわけにもいかず、致し方なくでしょうけど、市民の連帯を表明するこの場所にぴったりです。もう少しおいておいてもいいかもしれません。
静かでした。
多くの人が無言で、カードや地面に書かれたメッセージを読んでいます。
多くはしおれ始めた花束の数にも圧倒されます。
メッセージにはハチのイラストがやっぱり多いですね。
地面に置かれた大量の花に誘われて、本物のハチもたくさん飛び回っていました。
私が見ている前で、次々と花束が加えられていきます。
学校の休暇中なので、子供たちを連れてくる人が多かったです。
子供に花束を置かせて、追悼メッセージのカードを読み上げさせる親もたくさんいました。
抱き合って泣き崩れる若い人のグループがいました。
お友達が犠牲になったのかもしれません。
知り合いが犠牲になっていなくても、メッセージや写真をみて見知らぬ個人を思い涙ぐむ人、見知らぬ人たちを思い涙ぐむ人々みて胸がいっぱいになる人、訪れる人すべてを厳粛な気持ちにさせる緊張感のあるスポットです。
写真を撮る人もたくさんいます。
「記念写真」を撮るのを観光地感覚で訪れる行為だと批判する人も確かにいますが、「記憶し、伝える」行為も必要だと思います。
世界的に有名なフットボール・クラブ、マンチェスター・ユナイテッドのマフラーがたくさん仮設の柵にかかっていましたよ。
犠牲者の中にファンがいたのかもしれません。
マンチェスターの連帯を表しているチーム名の入ったスカーフを追悼の場所に置くことも意味があるのかもしれません。
テレビニュースの取材クルーが準備をしていました。
爆撃事件関係のニュースをレポートする記者のバックグラウンドにこの場所がよくつかわれます。
夜10時のニュースで日没前後の夕闇に、依然として訪れ続ける市民のともした無数のキャンドルの灯がとてもきれいに悲しく映って効果的です。
話はちょっと変わります。
2日前のアフガニスタンでのイスラム過激派によるテロ事件では90人前後の犠牲者が出たということです。
驚くべき数です。
マンチェスターだけではありません。
ヨーロッパ、合衆国だけではありません。
中東の紛争地域では連日のように、市民がテロ(内戦?)の犠牲になっています。
とりあえずはテロの切迫した危険がない日本の皆さんが、ヨーロッパのテロ事件に胸を痛めて追悼の意を表するのは、立派な行為です。
しかし、同じ遠い場所であるなら、ヨーロッパの外の、より多くの人命が失われている地域のことも同様に心づかってほしいです。
ヨーロッパ、合衆国のテロ犠牲者も、アフリカ、中近東のテロ犠牲者も、命の重さは同じです。
私をふくめ、自分たちのコミュニティーが標的にされた私たちマンチェスターの住人が、マンチェスターをとりわけ重大視する理由は、分かっていただけると思います。
セント・アンズ・スクエアで、追悼のイラスト入りポスターを描く男性と のんきに昼寝するパグの ベティーブ―。
ちょっと寂しい、ストックポート、マージ―・スクエアにも出現した追悼広場。
早い段階で身元が確認された犠牲者のなかに、ストックポート在住の男性がいました。
マンチェスターの、セント・アンズ・スクエア St Anne's Square 。
18世紀の美しい教会、セント・アンズ・チャーチ St.Anne's Church が突き当りにある、比較的高級な小売店が並ぶ、ショッピングエリアです。
5月22日のマンチェスター爆撃事件の22人の犠牲者を悼む気持ちを表明する、追悼広場になっています。
花束や、キャンドル、ぬいぐるみ(犠牲者の多くは子供です)風船、カード、亡くなった方の写真をささげ、地面にチョークで哀悼やテロへの糾弾、不正に立ち向かう連帯のメッセージを書きつける市民の行為は事件の翌日から、自発的に始まりました。
事件後2週間になろうとする今も、供え物を持ち寄る人が後を絶ちません。
そもそも、最初に花束がおかれはじめたのは教会のそばの石の現代彫刻の周りだそうです。
今では、少し離れた場所にある、第一次世界大戦の戦没兵士を祀る記念像の周りにも供え物や花束が置かれはじめています。
二か所からひろがる花束の海が、合流するのも近いでしょう。
上の写真に、WORLD CLASS ATHLETICS というイベント予告ののぼりが写っていますね。
爆撃事件のあった週の金曜日に、有名な陸上選手を招待してシティセンターで親善スポーツイベントが行われました。
5千人の市民が参加した大規模なハーフ・マラソンも大きな話題を呼びました。
テロ事件があった、その週に!?
実行犯は、自爆して死亡しましたが、テロリスト一味はまだ捕まっていません。
都市を挙げての大イベントに新たなるテロの可能性が限りなく大きかったのは言うまでもありません。
急きょ取りやめも もちろん検討されました。
しかし、決行されました!
「ここでイベントを取りやめれば、この偉大な都市がテロの恐怖に屈したことを全世界に表明することになる、そんなことは決してあってはならない!」という主張が大勢を占めたのです。
「大イベントに誘発されるテロ再発の危険性」を承知の上で、マラソン参加に登録した市民のほとんどが、予定通りの参加を希望したことも決行を後押ししたそうです。
全国から派遣されたものすごい数の警察官が警備にあたりました。
イギリス全国の熱い支持を受けて決行されたこのスポーツ・イベントはマンチェスター市民の、誇りと連帯の象徴になっています。
・・・・で、この花束の海の上に下がるイベント予告の のぼり・・・
町中にあったこの のぼり、イベントが終わった後も、この2枚だけ、取り下ろされることもなくひらひら下がっています。
花束をどけて柱を取り除く作業をするわけにもいかず、致し方なくでしょうけど、市民の連帯を表明するこの場所にぴったりです。もう少しおいておいてもいいかもしれません。
静かでした。
多くの人が無言で、カードや地面に書かれたメッセージを読んでいます。
多くはしおれ始めた花束の数にも圧倒されます。
メッセージにはハチのイラストがやっぱり多いですね。
地面に置かれた大量の花に誘われて、本物のハチもたくさん飛び回っていました。
私が見ている前で、次々と花束が加えられていきます。
学校の休暇中なので、子供たちを連れてくる人が多かったです。
子供に花束を置かせて、追悼メッセージのカードを読み上げさせる親もたくさんいました。
抱き合って泣き崩れる若い人のグループがいました。
お友達が犠牲になったのかもしれません。
知り合いが犠牲になっていなくても、メッセージや写真をみて見知らぬ個人を思い涙ぐむ人、見知らぬ人たちを思い涙ぐむ人々みて胸がいっぱいになる人、訪れる人すべてを厳粛な気持ちにさせる緊張感のあるスポットです。
写真を撮る人もたくさんいます。
「記念写真」を撮るのを観光地感覚で訪れる行為だと批判する人も確かにいますが、「記憶し、伝える」行為も必要だと思います。
世界的に有名なフットボール・クラブ、マンチェスター・ユナイテッドのマフラーがたくさん仮設の柵にかかっていましたよ。
犠牲者の中にファンがいたのかもしれません。
マンチェスターの連帯を表しているチーム名の入ったスカーフを追悼の場所に置くことも意味があるのかもしれません。
テレビニュースの取材クルーが準備をしていました。
爆撃事件関係のニュースをレポートする記者のバックグラウンドにこの場所がよくつかわれます。
夜10時のニュースで日没前後の夕闇に、依然として訪れ続ける市民のともした無数のキャンドルの灯がとてもきれいに悲しく映って効果的です。
話はちょっと変わります。
2日前のアフガニスタンでのイスラム過激派によるテロ事件では90人前後の犠牲者が出たということです。
驚くべき数です。
マンチェスターだけではありません。
ヨーロッパ、合衆国だけではありません。
中東の紛争地域では連日のように、市民がテロ(内戦?)の犠牲になっています。
とりあえずはテロの切迫した危険がない日本の皆さんが、ヨーロッパのテロ事件に胸を痛めて追悼の意を表するのは、立派な行為です。
しかし、同じ遠い場所であるなら、ヨーロッパの外の、より多くの人命が失われている地域のことも同様に心づかってほしいです。
ヨーロッパ、合衆国のテロ犠牲者も、アフリカ、中近東のテロ犠牲者も、命の重さは同じです。
私をふくめ、自分たちのコミュニティーが標的にされた私たちマンチェスターの住人が、マンチェスターをとりわけ重大視する理由は、分かっていただけると思います。
セント・アンズ・スクエアで、追悼のイラスト入りポスターを描く男性と のんきに昼寝するパグの ベティーブ―。
ちょっと寂しい、ストックポート、マージ―・スクエアにも出現した追悼広場。
早い段階で身元が確認された犠牲者のなかに、ストックポート在住の男性がいました。