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予想上振れの米CPIを警戒する市場、ボラティリティー上昇必至か 2024年3月11日 2:10 JSTブルームバーグ

2024-03-11 06:10:08 | 日記

予想上振れの米CPIを警戒する市場、ボラティリティー上昇必至か
Jess Menton、Matt Turner
2024年3月11日 2:10 JSTブルームバーグ

「経済データは答えよりも疑問を提起し始めている」-マーティン氏
S&P500種、過去6カ月間はCPI発表日の変動率が約0.8%


予想を上回る伸びとなった1月の米消費者物価指数(CPI)に株式相場が動揺してから1カ月、投資家は12日に発表される最新データで同じ展開になることを警戒している。

  S&P500種株価指数は先週にほぼ横ばいの値動きとなったものの、過去19週間のうち16週で上昇しており、好調な推移となっている。企業業績見通しの改善や米景気の底堅さが背景にある。同株価指数がこれほど好調だったことは、1964年以来なかった。しかしインフレの根強さが月次のCPI統計で引き続き示されれば、こうした上昇の一部は巻き戻される可能性がある。

  グローバルト・インベストメンツのシニア・ポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「米金融当局がインフレの改善について一段の確信を得るのにどれほど長い時間がかかるのかに関して、経済データは答えよりも疑問を提起し始めている」と電話インタビューで指摘。「株式相場は今年これまでのところ好調だが、あまりに急ピッチで上昇し過ぎただろうか。恐らくそうだろう」と述べた。

  先週はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を得た時点で、「今から遠くないその時点で、景気抑制の度合いを巻き戻し始めるのが適切になるだろう」と述べたことを受けて、S&P500種は7日に1%値上がり。同日にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が6月利下げの可能性を示唆したことで、ストックス欧州600指数も上昇した。

  このところ企業業績に気を取られていたトレーダーにとっては、利下げ観測がいかに強力かを思い知らされる格好となった。

  S&P500種がCPI発表日に下落したのは過去12カ月で4回だけだが、今年は同発表日にボラティリティーが上昇している。ブルームバーグがまとめたデータによると、過去6カ月間はCPI発表日にいずれかの方向への変動率が約0.8%となっている。同変動率は昨年4月以来の高水準で、9月の0.5%未満から上がっている。

  「インフレ改善を示す数字が増えるまで、一段のボラティリティーが見られる可能性が高い」とマーティン氏は話した。

All Eyes on Inflation Data

Post-inflation data stock moves have started to climb again

Source: Bloomberg

原題:Traders Are on Alert for a Hotter-Than-Expected Inflation Print(抜粋)

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マグニフィセント・セブンでも明暗、4つの理由が米株バブル懸念緩和 2024年3月11日 0:39 JSTブルームバーグ

2024-03-11 05:59:00 | 日記

マグニフィセント・セブンでも明暗、4つの理由が米株バブル懸念緩和
Alexandra Semenova、Matt Turner
2024年3月11日 0:39 JSTブルームバーグ

アップル・テスラ・アルファベットには売り、フロスの低減を示唆
ITバブルはネット・今はAI構築の時代、企業収益には差-シティ


米国株が年初から急ピッチで駆け上がっていることで、ITバブル時代のような市場の過熱リスクを懸念する声が上がっている。

  株高のペースが持続不可能ではないかと疑う理由は十分にある。S&P500種株価指数は今年に入り終値で16回最高値を更新。これは全取引日の約3分の1に相当する。人工知能(AI)ブームのけん引役であるエヌビディアの株価は、前週末8日の急落を加味しても、年初来で80%近く高騰。時価総額は約1兆ドル膨らんだ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインも急騰している。

  とはいえ、経済の回復力と堅調な企業利益に基づく力強さが、投機的な熱狂に変わっていない兆候もある。

  米国株の主役だった「マグニフィセント・セブン」の間でも温度差が出ており、投資家がやみくもにマネーを投じていない兆候を示している。新規株式公開(IPO)への反応が鈍いことも、こうした見方を裏付けている。大型株上昇の影響を希釈する均等加重のS&P500種指数も最高値を更新。株高の裾野が広がっていることを示している。さらにS&P500種を構成する大型株のバリュエーションも、前回のピーク水準は大きく下回っている。

  シティグループのスコット・クロナート氏はリポートで、マグニフィセント・セブンがS&P500種構成銘柄の利益のうち、約20%をたたき出している点に言及。これは時価総額のウェートがS&P500種の約3分の1であることをほぼ正当化すると話す。

  その上で「足元でAI構築が進んでいるように、当時はネットインフラを構築するという前提があった」としつつも、「これを支える企業の収益とキャッシュフローの性質は著しく異なる」と述べている。

  以下、バブル懸念を和らげであろう4つのチャートを解説する。
大型株の間で明暗

  アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラの7社で構成するマグニフィセント・セブンは昨年の大半において足並みをそろえて上昇。市場全体をけん引してきた。

  だが今年に入って7社の一角には見通しを嫌気した売りが膨らみ、明暗が分かれている。これは7社を巡るフロス(細かい泡)が低減された可能性を示している。  

No Longer in Tandem

Tesla, Apple, Alphabet correlations diverge from rest of group

Source: Bloomberg

  アップルは今年、中国での「iPhone(アイフォーン)」販売不振への懸念も重しとなって下落。昨年12月につけた最高値から大きく離れた。テスラはさらに厳しい状況だ。電気自動車(EV)需要低下が嫌気され、時価総額でイーライリリーに抜かれた。グーグルの親会社であるアルファベットも年初来マイナスだ。
裾野に広がり

  均等加重のS&P500種指数は先週、終値で2年ぶりに最高値を更新した。これは株高を支えているのが一握りの銘柄にとどまらないことを示唆している。

Rally Broadens | Equal-weighted version of S&P 500 hits first closing record in two years
均等加重のS&P500種指数は終値で2年ぶりに最高値を更新


  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のストラテジスト、ジーナ・マーティン・アダムス、ジリアン・ウルフ両氏がまとめたデータによると、過去1カ月で最高値を更新したS&P500種銘柄の割合は上昇し、2022年初頭以来の高水準に達した。

  それでも最高値を更新している銘柄は全体の3分の1未満であり、強気相場が参加者を吸い寄せる「十分な余地を残している」と両氏はリポートでで述べている。

  対照的に、ITバブル崩壊直前の2000年初頭には、歴史的高値にある銘柄の比率は1997年に一時つけた約60%から20%に低下していたという。
IPO低迷

  新規上場銘柄に対する買い意欲が限定的なことも、バブルの頃に見られるような陶酔感に乏しいことを示唆している。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、1999年には米国市場への上場で1億ドル(約147億円)以上を調達した銘柄の約42%が、取引初日終了までにIPO価格を50%か、それ以上上回る急騰を演じた。だが今年この基準を満たしたIPO銘柄はCGオンコロジーのみだ。

IPO Pops Have Become Less Frequent

Shows first day of trading for US IPOs that raised at least $100 million

Source: Bloomberg

  IPO銘柄が1999年に調達した合計額は約890億ドル。IPO市場は2021年に空前の活況を呈したが、それ以降は低迷している。米国市場のIPO件数は年初来36件で、調達額は72億ドル。21年の1000件、3000億ドルをそれぞれ大きく下回っている。
バリュエーション比較

  大型ハイテク株の一角は好調な利益により、割高感が薄れている。バリュエーションは相対的に割高感がなお根強いものの、過去のピークは大きく下回っている。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、例えばマグニフィセント・セブン銘柄の予想株価収益率(PER)は、2015年以降の平均に近い水準で取引されている。

Valuations Are Well Below Prior Peaks | The Mag 7 stocks are trading near their average P/E since 2015
マグニフィセント・セブンの予想PERは2015年以降の平均に近い水準


  BIの分析では、現在のS&P500種上位5銘柄のマルチプルズは、2000年初頭の上位銘柄(インテル、シスコシステムズ、マイクロソフト、デル)の半分未満だ。

  AIやロボット工学などの分野におけるハイテク株のバリュエーションは全般的に抑制されており、これらの銘柄の大半は株価売上高倍率(PSR)が5年平均か、それを下回る水準となっている。

原題:Bubble Angst Belied by Big-Tech Weaklings, Broader S&P 500 Gains(抜粋)

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