市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

墓穴を掘る者は自覚はできない

2013-08-24 | 政治
人は、自分で進んでいく方向を破滅であると、自覚できない。自覚できたら、行動を一切止める。破滅への道を希望と信じているからこそ、進んで行くことが可能となる。墓穴をほってることは自覚不可能なのである。

 自民党の圧倒的大勝は、墓穴を掘ったことである。安陪首相は、墓穴を掘った。しかし、その自覚はない。あるのは、希望ばかりである。自民党の成功は、あのときに消失したのである。なぜならば、野党とのねじれが残ってなければならなかった。それが消滅した。この大勝で、政権の担保であるアベノミクスをなにがなんでも成功させ、経済はデフレを脱し、大企業から零細企業までが賃金増となり、消費も活況を帯びる。税収は増え、1000兆の財政赤字も解消へ、経済大国日本がよみがえり、憲法改正を実現して、強国日本の再生という日本の未来像を、安陪首相は、実現しなればならない。

 今年の夏は、東京で、東北で、北陸で、記録にない豪雨が襲い、それは、次第に西日本に及び、島根県に大豪雨が連続して襲いかかっている。にもかかわらず、豪雨下で、ダムはからからに干上がっている。異常気象は、もはや異常気象でなくなってきた。地球温暖化が日常的な危機として現れだしたとしかいいようがない。福島原発の汚染水は、現状でも防ぎようがないほど、困難を極めだした。あの1000の鋼鉄の貯水槽が、一日に2タンクづづ増えていくという。その継ぎ目のゴムのパッキングは、何年の耐久力があるのだろうか。そこから、もれだしたらどうするのか。津波復興をするにも、物資の輸送も人手も足りないという。あちこちの洪水災害の復旧はどうなるのか。シリアもエジプトも内戦の収まる気配も無い。中国も韓国も国内危機の内在的圧力を日本に向けて噴出させて解消をつづける。TPPは、米国の圧力によって本年中に解決を迫られる。景気を左右する株価は、外国のファンドの投機によってリードされている。ファンドを制御できるものは、市場である。市場を制御できる政策はない。

 国内問題、国際問題、地球的環境問題をかかえて、日本人は生きている。これらを解消していかぬ限りあり積極性に満ち足りることはできない。現在かかえなければならぬことはそれだけである。ややこしい意味というのはないのだ。具体的なデーターにもとづく対処をとっていくばかりであう。


  しかし、安陪首相からは、そんな具体性はいっさいきれいさっぱり布巾でぬぐわれ、かれの政治信条がテーブルのうえにならべられる。そこにあるのは、希望のスローガンであり、データーにもとづく予測ではない。力強く消費は回復しています。かならず、実現します。解決しますなどなど、の希望を訴えられる。しかし、そこにあるのは精神力でしかない。これは現実ではなく、非現実であり、つまりスローガンであり、そこを掘っていくと、いくら掘っても土があるばかりである。

 かくして、安陪首相の日本歴史は、一冊の豪華絵本にまとめられる。つまり、時代、時代を、一枚の絵本の一ページとなり、そのページごとの一枚の絵は、相互の関連も、原因・結果として歴史的展開をしているのではない。教訓としての絵物語である。その一ページだけが精神力であり、現況の説明材料となる。歴史は止まり、世界もまた一枚の絵のように固定化して日現実となる。かくして、かれのスローガンだけが、現実を幻想させる。

 その幻想は、もはや一年とまたずに破れていくはずだ。さてそのとき、われわれどうサバイバルすべきか、これが問題であろう。

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