市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

スッピンの中華料理店

2006-12-09 | Weblog
 ある日、ぼくはコーヒーがうまいと聞いた「アーリー・コーヒー」(下北方島口)に初めて入った。そのとき目を剥くほどびっくりした。その室内いっぱいに座ってしゃべり続ける女性たちが、全員、老いも若きも、みんな今、台所から出てきたばかりのような格好だったのだ。イオンや山形屋でたくさんの女性と行き交うのだが、全員、お洒落している。グラビアからぬけでてきたような女性が、街での女性と思っていたので、このスッピンの集団女性は、目をうばったのだ。化粧は化けるというが、室内には化けていない恐ろしい女性たちの存在感があった。

 そこで、レストランにもスッピンのレストランがある。「めし」を食うだけという存在感の食堂である。山崎街道の始まる、一宮交差点から150メートル大淀川のほうへ行った通りに建つ「中華飯店」である。もう10年以上は営業しており、ここは毎日の通勤路なのに、言われて初めてあったっけと気づいた店である。

 周りは原色の黄色や橙色の自動車関係の大倉庫のような建物で、うずくまっていたし、おまけに看板はあっても昭和30年代を思わせる木造2階建ては、安アパートにしか見えない。そして、真正面は、汚い街路樹が立ちふさがっていて、道路にもゆがんだ柵がある。あらゆるものが、この「中華飯店」の邪魔をしていたからだ。

 この店、スッピンの店が想像を超えた店であったのだ。つづく。
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