市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

より危険なピンクちらし

2005-03-04 | Weblog
  先日、宮崎市のピンクちらし配布規制条例設定の動きについてのべたが、3月1日には配布行為等防止推進大会が市民プラザであった。利用、要求、収受を禁止する運動というのである。戦争中の贅沢追放運動や、全体主義国家の個人主義克服運動とどこがどうちがうのかわからぬ大会が、平然とおこなわれるのは、宮崎市のど田舎ぶりを天下にしめしたようなもんだ。まあ関係者ばかりが100人くらいで気炎をあげただけだから、市民の大半は冷ややかであった。

 おんなじようなことが20年ほどまえ「悪書追放運動」としてやられた。このときは白いポストを街中に立てて、悪書つまりエロ週刊誌やエロ本などを放り込む運動であった。結果的には、20年経った今では、当時のエロの何十倍ものリアルなエロ描写が、小学生の雑誌にもふんだんに掲載されるように進歩しただけだった。ただ、街角ごとにあった何とか余命を保っていた小書店が、店先から自動販売機を撤去させられ、息の根をとめられてしまった。
街は火の気を失った。

 今回の推進運動もまたお題目の「青少年の健全育成」とうい錦の御旗をふりたてて「安全で安心、快適な街づくり」を実現するというのである。安全で安心、快適な街とは、若者が仕事があって、明日も仕事が保障されて、将来の計画もたてられる、自由に個性的に働ける街のことである。今、中心市街地が崩壊をつづけ、イオン宮崎ショッピングセンターの進出によって止めをさされようとしている矢先に、ピンクちらし規正などという愚行に現を抜かしているとは。この意識こそ街の安全にとって、何倍もの危険を生み出していく行為ではないだろうか。
コメント
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