ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

アートとは勇気だ

2006-04-26 22:56:02 | 大学
跡見の「アーツ・マネジメントA」、玉川大学の「文化政策論」の授業で、以前NHKで放送された「アクターズ・スタジオ・インタビュー」という番組の中から、スティーブン・スピルバーグ監督が出演した回のビデオ(抜粋)を毎年紹介している。

このインタビューのことは、以前にもこのブログで取り上げたことがある。

→ ET phone home. (2005/04/28)

→ 「演技とは何か」 by Steven Spielberg (2005/04/29)

このビデオを使っているのは、授業の中で「アートとは何か」を学生たちに考えてもらうためなのだが、昨25日の玉川の授業のときに、ふと思いついて、「アートとは勇気だ」と説明してみた。これはもちろん、彼の「演技とは勇気だ」を私流にもじったものである。

すると、その説明で、まったく違和感がないことに気づいた。

これまで明確に意識していたわけではないが、どうやら、私にとっての「アートとは何か」という考え方のベース(のひとつ)は、このスピルバーグ・インタビューにあるらしい。(このビデオはたしか4年前から授業の中で紹介している)

このインタビューを紹介する回の授業は、毎年大変評判がよい。
今年も、授業終了時に提出してもらっているレスポンスカードに、多くの学生から共感のコメントが寄せられた。
以下は、ある学生のカードからの引用(一部微修正を加えた)。

芸術家とは、「自分を表現する」ことを恐れてはいけないし、それが芸術家の社会的責務だというところに何か気づかされたように思いました。自分にとっても観客にとっても切実であろう現実にコミットし、それを伝えようとすることは当たり前のように思えるけれど、よく考えればとても難しく、それが可能な人は少ないと思います。(玉川学生)

この学生のコメントから、「アートとは勇気だ」という言葉の意味するところをおおよそわかっていただけるものと思う。

アートには、自分の内面を見つめるという要素とともに、現実にコミットするという要素があり、その両方が不可欠である、ということだ。






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