鴨下信一著「誰も『戦後』を覚えていない―昭和20年代後半篇」を読む。
著者は、TBSの演出家として長く活躍した人である。
誰も「戦後」を覚えていない―昭和20年代後半篇鴨下信一文藝春秋このアイテムの詳細を見る
この本は、同じ文春新書の「誰も『戦後』を覚えていない」の続編にあたるもののようだ。
昨今、「ALWAYS 三丁目の夕日」などで昭和三十年代が注目されているのに比べ、その直前の昭和二十 . . . 本文を読む
標掲書を読む。
持続可能な福祉社会―「もうひとつの日本」の構想広井良典著筑摩書房このアイテムの詳細を見る
同書は少し以前に読んだのだが、そのときに即書き込みをしなかったために、すでに内容について記憶があいまいになっている。
したがって、以下、内容についての正確さは十分ではないが、特に私の印象に残ったところだけを心覚えとして簡単に記す。
著者の考察は、「自立した個人が互いにつながる、というよう . . . 本文を読む
そのこと自体はもちろん、知識としては心得ているつもりだった。
だが、これは…。へぇー、こんなことがあるのか、というのが正直な感想。
何についてかと言えば、経済学における価格決定の理論についてである。
例の、需要曲線と供給曲線が交わるところで価格が決定され、供給に対して需要が過大なときは供給が拡大し、反対に、供給に対して需要が過小なときは供給も縮小して、いずれも場合も結果として価格は均衡に向か . . . 本文を読む
以前、このブログで、「オペラとミュージカルの違い」について、2度ほど、説明の文章を書いたことがある。
→ オペラとミュージカルの違い (2006/03/10)
→ オペラとミュージカルの違い(2) (2006/05/04)
ところで、シアターガイド誌2007年1月号で、音楽評論家の山田治生氏が、「私もオペラが苦手だった…」という連載コラムの第8回として、「オペラとしてのミュージカルのススメ( . . . 本文を読む
保坂俊司「宗教の経済思想」を読む。
宗教の経済思想保坂俊司光文社このアイテムの詳細を見る
少し前に、キリスト教が金貸しを忌避していた、という話題に触れた。
→ なぜ、ユダヤ人には金貸しが多かったのか (2007/01/03)
このため、後に社会における生産活動が活発になり、貨幣経済が成立するようになると、必要悪として金貸し業を営むユダヤ人が必要とされた、という。
近代になって、ルター、カ . . . 本文を読む
社団法人日本クラシック音楽事業協会という団体がある。クラシック音楽の振興をめざす業界団体で、クラシック音楽の世界でアーティストのマネジメントやコンサートの企画制作をおこなっているいわゆる音楽事務所が主要な構成員である。
同協会が平成17年度(2005年度)に行った会員研修会で、観客(聴衆)の創造、をテーマに取り上げている。
このほど、その研修会の報告書に目を通す機会があったが、クラシック業界で . . . 本文を読む
標掲書を読む。
所有と国家のゆくえ稲葉振一郎・立岩真也著日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る
立岩の学問的専門領域は、「所有論」であるという。
「所有論」という言葉自体、初めて見た。
自分が何かを所有している、というのは、なぜ、そのように言ってよいのか、と考えたことなど一度もなかった。
だが、そういえば、誰かが何かを所有している、ということが当たり前のことではない、そうでない状態もありう . . . 本文を読む
標掲書を読む。
文学部をめぐる病い―教養主義・ナチス・旧制高校高田里惠子著筑摩書房このアイテムの詳細を見る
ここで言う「文学部」とは、具体的には、東京帝国大学文学部独文科のことを言う。
文庫版に解説(朝日新聞の書評に書いた文章を元にしたもの)を載せている斎藤美奈子は、「真っ当な批評の書であるにもかかわらず、途中、何度も噴き出してしまった」という。
斎藤の、以下の見立ても冴えている。
・舞 . . . 本文を読む
吉本光宏監修・国際交流基金編「アート戦略都市」を読む。
アート戦略都市 EU・日本のクリエイティブシティ吉本光宏監修・国際交流基金編鹿島出版会このアイテムの詳細を見る
この本の元になったのは、「EU・日本創造都市交流2005」と名づけられた文化交流プロジェクトである。
このプロジェクトについては、以前、このブログでも「ヨコハマ経済新聞」の記事を紹介しながら取り上げたことがある。
→ アート . . . 本文を読む
前項に続き、加藤哲夫「市民の日本語」の記述より。
市民の日本語―NPOの可能性とコミュニケーション加藤哲夫著ひつじ書房このアイテムの詳細を見る
著者は、ネットワーキングの三原則として、次の3つをあげている。
(1)自分でできることは、自分だけでやらない
(2)他人に迷惑をかけることを恐れない
(3)一人だけではとてもできそうにないことをする
氏は、「他人に迷惑をかける」ということを、「ディ . . . 本文を読む