ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

STAR TREK INTO DARKNESS

2013-08-31 21:25:46 | 映画
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を観た。
言わずもがな、かの再起動版「スター・トレック」シリーズの2作目。



最初に言いますが、今回も滅茶苦茶面白かったです(笑)。
前作の時にも言いましたが、僕は「トレッキー」ではない。
ただ純粋に、新たなSFアクション映画の傑作として前作を観て興奮した。
その続編である本作、かの“仕掛人”J.J.エイブラムスが何を仕掛けて来るか楽しみだった。



本作で印象的なのは、主人公の2人。
カーク艦長と、その副長であるスポックの物語だ。
本作の一つのキーワードとして、「理論と感情」という言葉が度々登場する。
この言葉を巡り、カークとスポックは衝突し葛藤する事となる。



前作はカークが、艦長になるまでの物語だった。
しかし、艦長になったカークは何も人間的に成長していなかった(苦笑)。
連邦の規則も無視(冒頭のエピソードが重要となる)し、スリル・シーカーのように無鉄砲なカーク。
そのカークの前に、突如現れたジョン・ハリソンという“テロリスト”。
ハリソンによって、カークの父親的存在だったパイク提督は亡くなります。
この事件によって、カークはハリソンへの憎しみだけの復讐鬼的存在となります。



そんなカークを傍で見守りながらも、暴走しそうな彼の理解者であろうとするスポック。
しかし事態はどんどん悪化していき、カークとスポックの間が微妙になってしまう。
それは互いがコインの表と裏の様な存在である2人。
スポックは自身のアイデンティティーについて、自身で苦悩する事になっていく。



しかし、敢えて言うと今回の主人公はスポック。
確かにカークは、相変わらず派手なアクションの見せ場を持って行く。
カークが「動」であれば、スポックが「静」というキャラ分けがされて来た。
だがスポック自身、カークから「感情が無い!」と揶揄されようと彼自身の中に激しい感情があるのは事実。
ソレを理性(理論)と、連邦の規則によって抑えているのが明らかになる。



そんな2人の微妙な関係に、ハリソンが連邦に対して行ったテロ行為。
そして宇宙艦隊高官のマーカス提督(ピーター・ウェラー!)の存在や、得体の知れない新兵器の新型光子魚雷。
連邦と一触即発で全面戦争の危機にある、新たな敵・クリンゴンとの対立が絡み複雑化していく。



不穏な空気を孕んだまま物語が展開し、遂にテロリストであるジョン・ハリソンが登場する。
全く謎だらけの存在であり、ハリソンによってカークとスポックも困惑する。
このハリソン演じるベネティクト・カンバーバッチ。
その圧倒的な存在感に、カークもスポックも食われてしまう(笑)。



得体の知れないテロリストだと思ったハリソン。
しかし徐々に明らかになるハリソンの素性、そして隠されていた「陰謀」が明らかになる。
ハリソンは敵なのか? 味方なのか?
そんな疑問を持たせる程に、ハリソンを演じたカンバーバッチは魅力的。



自身の素性を明らかにし、仲間の死に涙する。
鍛え抜かれた肉体と、その鮮やかなアクションは素晴らしい。
それも彼が隠し持っていた、その冷酷さが明らかになると更に際立つのも凄い。
そんな魅力的な悪役を、カンバーバッチは存在感抜群かつ嬉々として演じているのがポイント。



ハリソンによって、自身の艦長としての資質を問われ窮地に陥るカーク。
ここで彼は初めて自身の艦長として、その重大な責務と向き合う。
乗組員の危機を救う為なら、自分の命を顧みないカーク。
絶対絶命の危機によって、カークは初めて「艦長」と呼ばれるのに相応しい存在となります。
この辺りに展開が、ベタに「信頼」や「友情」という言葉が効いているので泣けます(笑)。



もう終盤はスポックの独壇場!
アレ? Mr.スポックてこんな人だったの?!という驚愕の展開が繰り広げられます。
結局、カークとスポックの関係に距離を置き。
ましてや2人の間に、ハリソンという存在を絡めたのもクライマックスをよりドラマチックにする為。



あのスポックに雄叫び。
そしてクライマックスで繰り出される、超人対超人の壮絶な戦い。
何か「含み」を持たせ過ぎて、ストーリー展開が悪いと思った本作。
それもこれも、このクライマックスを見せる為の「フリ」だった事に気付かされます。
スポックが超カッコ良いのです。



物語は激闘の果てに、静かな結末を迎えます。
しかし、今後のシリーズ化のネタフリがバッチリなのはさすが“策士”エイブラムス(笑)。
先に言ったクリンゴン人、良くも悪くも連邦との関係が更に緊張感が高まったのは間違いありません。
次回作では、遂にクリンゴン人との戦いが描かれるのでしょうか?!
でも、エイブラムスは『スター・ウォーズ』の最新作の監督を務める事が決まっています。
一体どうなるのでしょうか?!
両作品の作品の撮影スケジュールが、調整するのが難しいのが明らかにされています。
今後、『スター・トレック』シリーズは新しい監督を迎えるのは間違いないかと思われます。



最後に個人的なツボを…。
スコッティことサイモン・ペグ、今回も最高でした。
多分、主人公達とは違った意味で美味しい部分を全て持って行ったのは彼でしょう。
もう、この人が出て来るだけで笑えるのに、本作での文字通りの大活躍は素晴しいです。
その大活躍を是非、劇場で確認してください。
本作も傑作…でも、ある程度「スター・トレック」の知識があれば更に楽しめるのも事実。
さすがの僕もハリソンの正体に関しても、1stシリーズの映画版の中で登場したので知っていました。
この「一見さんお断り」的な要素を、どう評価するかで本作が楽しめるか否かが決まって来ます。
まぁ~カッコ良いカンバーバッチが観たければ、文句無しでおススメです(笑)。

「それは…私が君の友人だから。」

ジプシー・デンジャーVSナイフヘッド

2013-08-25 23:52:07 | 趣味
当ブログで熱狂的プッシュ中の『パシフィック・リム』。

今までNECA社のアクション・フィギュアは購入してこなかったです。
「まぁ~いつか買えるか」と思っていたのですが…。
日本でもアクション・フィギュアは売れまくっている様です。
ネットのオークションとか見ると、その価格に驚いたりします。
だから余計に劇場公開の初日、グッズ売り場にあった「ジプシー・デンジャー」を買わなかった事を激しく後悔しました(苦笑)。



シリーズ2も、多くのショップで予約段階で売り切れ。
「ストライカー・ユーリカ」は欲しかったのですが、かなり値段が高騰してます。
買えそうにない…。
しかし、嬉しいニュースが発表されました。
何と「ジプシー・デンジャー」と「ナイフヘッド」を、セットにして10月に発売が決定しました。
少し悩んだのですが予約しました!!
やっぱり何だかんだ言っても、本作を象徴するのはこの組み合わせかと思います。
嗚呼、ジプシー・デンジャー…カッコ良い(笑)。





ナイフヘッド。
本作を観れば、冒頭の激闘は非常に強烈です。
醜悪にして凶悪。
でも水中を泳ぐ時は「犬かき」ってのが可愛いのもポイント(微笑)。





NECA社曰く、「コレを最後にジプシー・デンジャーの生産はしない」との事。
そんな事を言うと、またまたジプシーのプレミア価値が上がってしまうかと思います(苦笑)。
シリーズ2が間もなくリリースされますが、シリーズ3は無いのでしょうか?!
メインのイェガーでフィギュア化されてないのは、人気急上昇中の「チェルノ・アルファ」のみです。
怪獣に関しては、オオタチやスラターン等がいますがフィギュア化は難しいのかな?





日本のメーカーは商品化の権利を取ってないのかな?
個人的には「超合金」って思ってしまいますが、ソレだと非常に高価になりそう。
一番の希望として、海洋堂の「特撮リボルテック」でシリーズを出して欲しいですね。
日本のファンは「チェルノ・アルファ」の商品化を熱望しているかと思いますが…。
この『パシフィック・リム』は非常にキャラクター・ビジネスとしても魅力的です。
意外だったのは、パイロット達が全く商品化されてない事。
今後、何処かのメーカーが何か商品化するかも?!
何はともあれ、10月の発売を楽しみに待っていたいと思います。

風立ちぬ

2013-08-24 22:20:57 | アニメ・コミック
『風立ちぬ』を観た。

日本が世界に誇るアニメ映画監督の巨匠・宮崎駿の最新作。
近年のジブリ作品の没落ぶりは酷かった。
「日本最高のアニメ・スタジオ」と呼ばれたのは遠い昔、作品の完成度の低下は明らかに著しかった。
そのハッキリした原因はアニメの技術的な事ではなく、優秀は脚本家や監督が出来る存在の育成に失敗した事が大きい。
結局、「スタジオ・ジブリ」の体質として良くも悪くも巨匠・宮崎駿と言う絶対的な存在が大きく影響しているからだと思う。



しかし、その巨匠・宮崎駿の前作『ポニョ』を観た時。
あの“問題作”により「巨匠、衰えたり」と思った。
同時に、その天才的な才能も遂に枯渇したとも感じた。
ジブリ産のアニメはその後も何本も公開されたが、全盛期のような血湧き肉踊るような躍動感、瑞々しいまでの美しさによる感動に欠ける凡作ばかりだった。



僕が歳をとったから?
それも事実だと思う。
今の若い世代が観れば、今のジブリ作品を観ても良いと思えるのかもしれない。
そんな僕には、もうジブリ作品を楽しめないのか?
それは「NO」だった。



本作に対して賛否両論が激しいとは聞いていた。
しかし、個人的には傑作だと思う。
正直に告白すると…泣いた。
素晴らしい作品だと思う。
やはり巨匠・宮崎駿は凄かった!!



本作の公開前。
これが宮崎駿の“遺書”であると言われた(後にジブリ側が否定)。
更に試写にて、巨匠自身が完成した本作を観て号泣したと言う。



正直な話。
巨匠の年齢を考えれば、本作が長編アニメ映画を監督するのは本当に最後になるかもしれない。
あと当初は巨匠の新作は、従来通りファンタジー系の作品だったらしい。
しかし、あの「3.11」を目の当たりにして巨匠は「今、この時代に何を作れば良いか?」と悩みスランプに陥った話も聞いた。
そして巨匠自身が出した答えは、他でもなく「自分自身」を描く事だった。



本作の主人公・堀越二郎は零戦を開発した人物(正確にはモデルにしている)。
だが、アレをアニメ作りに置き換えれば良く判る。
「堀越二郎=宮崎駿」である。



本作は簡単に言ってしまえば、未曽有の大震災に遭っても。
祖国が戦争を起こしても、自分の作り出した零戦により多くの命を奪う事になっても。
最愛の人が病に冒されて、その最愛の人を失う事になっても。
自分の描いた夢を追う事しか出来ない、不器用で哀れな男の物語だ。



でも、だからこそ魂を揺さぶるような衝撃と感動を呼んだのかもしれない。
ひょっとしたら自分も、この二郎のような男なのかもしれないと思ってしまった。
エゴイスティックで、大人になりきれないバカな男なのかと思えた。



批判が多い二郎役の庵野秀明の起用。
個人的には「他人の作品に出てる暇があったら、サッサと「劇場版エヴァ」を完結させろ!」と思った(笑)。
だが、コレが見事にハマっている。
あの『トトロ』における、お父さん役の糸井重里氏起用の奇跡の再現だと言える。
浮き世離れしていると言うよりも、自分の狭い世界の中で生きている男の“声”にハマっている。
ただ二郎自身のあまりに「いい男」描写が多いのは、巨匠のナルシズムとしか思えなかったが(苦笑)。



ある意味、本作にジブリのブランドとしての命運がかかっていたのかもしれない。
でもジブリは本作で自らの「殻」を破った、今後もソレを作品作りに反映出来るかに成否が出るだろう。
あと巨匠自身、自らの後継者に庵野秀明を指名したって印象も更に強まった(息子ではないのね)。
ジブリ側からのスタジオ・カラーへの懐柔は、今後更に強まるのは間違いない。



その辺りの事は抜きにして、僕個人としては本作を傑作だと評価したい。
夢溢れるファンタジー系の作品を期待すると「?」となるが、先に言ったように巨匠自身が開き直って自身を主人公にした作品だと思えば作品に対する見方も変わると思う。
巨匠・宮崎駿、老いてもその刃は未だに観る者に強烈な傷跡を残す程に鋭利であると痛感しました。

「少年よ、まだ風は吹いているか?」


PS:エンディング、この主題歌で涙腺が完全崩壊してしまいました…。



高いあの窓で あの子は死ぬ前も
空を見ていたの 今はわからない
ほかの人には わからない
あまりにも 若すぎたと
ただ思うだけ けれどしあわせ

Queensryche/QUEENSRYCHE

2013-08-22 16:16:30 | 音楽
QUEENSRYCHEの最新作『Queensryche』を聴いた。
先日、紹介したのはジェフ・テイト(Vo)が率いるQUEENSRYCHEのアルバム。
今回、紹介するのがマイケル・ウィルトン(G)、エディ・ジャクソン(B)、スコット・ロッケンフィールド(Dr)らにより新生QUEENSRYCHE。
ややこしい気をするが、この問題もあと僅かで解消されると思う。
新生QUEENSRYCHE。
長年、サポートと言うか雇われの身で不安定だった、パーカー・ラングレン(G)を正式メンバーとして加入。
ある意味アイコン的存在だった前任者に変わり、元CRIMSON GLORYのトッド・ラ・トゥーレ(Vo)に迎えた新体制。
他のマイケル、エディ、スコットというオリジナル・メンバーは不動のまま。



アルバムを聴いて、真っ先に思ったのは「勝った!」と言う事(笑)。
別に音楽は勝負ではないし、その勝敗に拘る必要は全く無い。
ただ今回ばかりは事情が違う。
ジェフの電撃解雇から始まった一連の騒動、結果として「もう一つのQUEENSRYCHE」が出来てしまった異常事態。
どんなにゴシップ的に騒いでも、結果として「音楽が全てを語る」と思っていた。
この世界に、今も未来も「QUEENSRYCHE」というバンドは一つしか存在しない事実。
今後、その名前に相応しい音楽とキャリアを築く事が出来るのは誰であるかがハッキリした。
そう、“彼ら”だ。
決して“彼”ではないと言う明確な事実が判ったので「勝った!」と思った。
この『Queensryche』というアルバムにあるのは…。
かつてのファンであった僕が言うのもおこがましいが、メタル・ファンが思う「QUEENSRYCHEというバンドのサウンド」が詰まっている。
まだ少々ダークな雰囲気を漂わせつつも、アルバムの基本的路線は傑作『Empire』までのサウンド。
更にソレを再構築して、モダンでありながら初期の正統派メタル的要素を全面に打ち出した内容になっている。
「原点回帰」と言ってしまうのは簡単だが、多くのバンドがソレを演ろうとして自家中毒に陥ってしまう。
このアルバムに賭けるオリジナル・メンバーの想いや意気込みは、並大抵のモノではなかったと思う。
それを可能にしたのは、新加入のトッド・ラ・トゥーレの力と存在は大きい。



まだ彼らが「RISING WEST」と名乗って活動を再開した時。
世界中のファンが間違いなく度肝を抜いたのは、間違いなくこのトッドの声と歌唱だった筈。
超人的でありながら、実は超個性派である前任者にそっくりだった。
そして「一連の事件」が起きた後に前任者を解雇し、トッドを加入させたのは賢明な判断だった。
しかし、アルバムを良く聴き込んでみるとソレが違う事が判る。
トッドは「単なるそっくりさん」、一時期アチラのサイトでも批判されたがクローンでもない。
前任者とトッドの声と歌唱は「似て非なるモノ」であるのが良く判る。
確かにトッドは前任者の様に唄えるが、しかしソコにはしっかり自分なりにの解釈や個性を入れている。
以前、僕は前任者の大ファンだったと言ったから違いが皮肉にも良く判る。
それに今の前任者は、こんな風には唄えない現実がある(苦笑)。
エネルギッシュな歌唱、そして気持ち良く突き抜けて伸びる高音でのスクリーム。
更には中低音では深みだけでなく、朗々としながらも表現力豊かな歌唱も聴ける。
正にトッドは“逸材”。
彼の加入こそが、このバンドをあるべき姿に「蘇生」させた原動力になったと言っても過言ではない。



そして随所で聴けるメロディアスなツイン・リード・ギターによるハーモニー。
まぁ~少々やり過ぎかと思う箇所もあったが、このツイン・ギターのハーモニーが楽曲を更に劇的に盛り上げる。
マイケルとパーカー。
今回は少しハーモニーに拘った部分もあるだろうが、競い合うようなソロも今後聴いてみたい。
もっとマイケルもパーカーもド派手に弾いても良かったと思うが、それは次回作に期待って事で(微笑)。
ちなみに楽曲作成には、メンバー5人で関わっているのも大きい。
マイケル・エディ・スコットの拘りに、新加入のトッドとパーカーからのインプットはバンド内に良いケミストリーを起こしている。



QUEENSRYCHEにはメタル的要素も重要だが、同時にプログレッシヴさも効いている。
やはり、この辺りはエディとスコットによるリズム隊が活躍している。
個人的には、重くてゴリゴリと唸るエディのベースが大好きだった。
本作でもボトムを押さえつつも、独特のフィンガリングによるベース・ラインは健在。
あとスコットのヘヴィなドラムも心地良い。
あの要塞みたいなドラム・セットによる、スコットのフィルの入れ方に「らしさ」を感じてしまう。
これまでの鬱憤を晴らすような、彼のドラムの硬い音と共に派手なプレイが随所で炸裂している。



そしてボーナス・トラック。
トッドとバンドによって、新たな魅力を持って見事に再生されている。
特に“Queens Of The Reich”。
マイケルが前任者にこの曲をプレイしようと提案した時、前任者はソレを拒否し「あんな曲、もう誰も憶えていない」と言ったらしい。
我々、日本のファンには“女王の国”と呼んだ方がしっくりする超名曲。
この超名曲をもう憶えていない? それはファンへの侮辱じゃないだろうか?!
ハッキリと言えば良い、もう自分には「あの頃の楽曲」が唄えないと…。
前任者のアルバムにもセルフ・カヴァーが収録されていたが、安易なアレンジが施されオリジナルに対する“冒涜”だと感じた。
個人的には本作『Queensryche』には大変満足しています。
ただ贅沢を言うならバラード系の楽曲を1曲減らして、アップ・テンポのナンバーを収録した方が更に内容が締まったかと思う。
しかし、これは彼らQUEENSRYCHEの新たなる『新章』の幕開けである事実。
今まで様々な苦難や屈辱もあったかと思うのですが、新たな未来に向けて進み始めた彼らを心から祝福したいと思う。


◯全編、とにかく歌詞の内容が意味深過ぎる(苦笑)。ここで言う「お前」ってのは…?!



今、俺は集中砲火を受けながら拳を宙に突き上げている
お前はこの代償を支払う番が来た
俺がお前をそこに連れて行ってやる
そこでお前は自分が築き上げた城が無惨に崩壊する様を目撃する事になるだろう
そう、ここは「夢がのたれ死にする場所」
その事だけは約束してやろう

◯この映像を観るだけで、今の彼らのLiveが凄いのが良く判ります。
 祈・来日!!



もはや逃げ道など何処にも無い
悦びに満ちた、その人生も間もなく終わりを告げる
お前の魂は消えていくだけ
帝国は女王のものだ

AEROSMITHを観てきました!

2013-08-16 23:47:35 | 音楽
AEROSMITHのライヴに行ってきました。

会場は大阪市中央体育館。
初めて行く会場だったのですが、大阪城ホールを一回り小さくした様なホールでした。
アリーナではなかったものの、スタンドの最前列の座席だったのは良かったです。

いや~素晴らしいライヴでした!
骨の髄までメタル・ヘッドの私ですが、パワフルかつゴージャスなロックン・ロールの醍醐味が詰まったライヴを堪能しました!!

個人的に、この日一番のハイライト。
アンコールにて名曲“Dream On”を、スティーヴン・タイラーがピアノの弾き語りで唄った時。
感動で鳥肌が立ちました。

しかし…このバンドを観ていると“不老不死”の霊薬が存在するのでは?!って思う。
特にスティーヴン・タイラーとジョー・ベリー(G)。
多分メンバー全員、60歳を越えている筈です。
ブラッド・ウィットフォード(G)、トム・ハミルトン(B)、ジョーイ・クレイマー(Dr)も年相応の渋い雰囲気を漂わせています。

でもスティーヴンとジョーの若々しさは人間離れしてる!!(笑)

スティーヴンとジョーは我々の知れない所で、それは並大抵ではない努力を重ねているとは思いますが…凄いです。
もう滅茶苦茶カッコ良いのだから。

良い楽曲、そしてパフォーマンス、それに応える熱狂的なファン。
とにかく素晴らしいライヴでした。

AEROSMITH、いつまでも熱くてカッコ良いロックン・ロールを演り続けて欲しいです。

Frequency Unknown/GEOFF TATE'S QUEENSRYCHE

2013-08-15 10:02:07 | 音楽
今、メタル界には2つの「QUEENSRYCHE」が存在する。

1つがマイケル・ウィルトン(G)、エディ・ジャクソン(B)、スコット・ロッケンフィールド(Dr)達による「QUEENSRŸCHE」。
そして、もう1つがジェフ・テイト(Vo)が結成した「QUEENSRYCHE」。

今更、何故このような事態になったのかを語るのは野暮だろう。
早い話、QUEENSRYCHEというバンドは“分裂”した…それも最悪の形で。
事の詳細は、ネットで検索すれば簡単かつ事の詳細を知る事が出来ます(苦笑)。



個人的にQUEENSRYCHEをバンドとしてファンだったのは、アルバムとして『Empire』まで。
それ以降、彼らの音楽的方向性は激変したので興味も聴く気も無くなった。
ただ唯一の例外はメタル・シーンにおいて屈指の名作『Operation: Mindcrime』、その続編『Operation: Mindcrime II』はアルバムを買って聴いた。
しかし、それでも彼らの「分裂」というニュースを聞いた時は驚いた。
更に正確に言えばジェフ・テイトが解雇された事と、その理由を聞いて心からショックと落胆を感じた。
両者の「バンド名」を巡る争いは法廷の場に持ち込まれ、裁判の結果は今年の11月に出る。
裁判所はそれまで両者に「QUEENSRYCHE」というバンド名の使用許可を与え、2つのQUEENSRYCHEが存在する奇妙な事態になった。



まず最初に動いたのはジェフだった。
ジェフの率いるQUEENSRYCHEのメンバーは…。

ケリー・グレイ(G)

ロバート・サーゾ(G:ex,HURRICANE)

ルディ・サーゾ(B:ex,OZZY OSBOURNE, WHITESNAKE,DIO)

ランディ・ゲーン(Key)

サイモン・ライト (Dr:AC/DC, DIO)

確かに一見豪華なメンツだが、メタル・ファンなら彼らのキャリアは良く知っている筈だ。
このラインナップを見て、本当に「バンド」と言えるのかは疑問。
ハッキリ言ってしまえば、ジェフ・テイトとその他大勢である。
とは言え、このラインナップでQUEENSRYCHEとして新作のレコーディングに突入した。
レコーディングには他にも、K・K・ダウニング(G)、ブラッド・ギルス(G)、デイヴ・メニケッティ(G)等と言った。
ジェフ人脈からなる、豪華なゲスト・ミュージシャンが参加している。
そして完成したのが、今回紹介する『Frequency Unknown』だ。



正直に告白するが、ジェフ・テイトというシンガーは個人的に大好きだった。
あの独特の深みを持った声、そして圧倒的な表現力と強靭な高音でのスクリーム。
しかしバンドの音楽的方向性の変化によって、かつての様な超人的な歌唱を聴く事は無くなった。
でも、それでもジェフの声と歌には魅力がある…と思っていた。
そんな思いを、全て一瞬にして打ち砕いたのは例の「分裂」にいたるまでの事件だ。
ジェフは他のメンバーの、自分や家族への卑劣な仕打ちに対して痛烈な批判を続けた。
しかし自身が「それは事実だ」と認めた、他のメンバーへの暴力や唾を吐く等と言った自身の非道な行為の謝罪は全く無い。
ここに今のジェフに対する、落胆と失望を拭う事が出来ない。
あと裁判でジェフ側が主張する事も、あまりに横暴かつ傲慢だと思えてしまう。
今のジェフ(とマネージメントを手掛ける家族)にあるのは、他のメンバーへの憎悪と自身の肥大したエゴだけだ…。



ジェフへの個人的な思いは抜きにして、「QUEENSRYCHE」というバンドを名乗るならアルバムの内容が大切になる。
それでアルバムを買って聴いてみた訳だが…。
コレが実は悪くない、客観的に良いアルバムだと思った(笑)。
悪くないと言っても、ここ数作のアルバムと比較しての事。
充分にハードかつメタリックな楽曲が揃っており、もし「分裂」が無ければ評価も高かったかもしれない。
ただ聴き込んで来ると、やはり「?」となる要素が出て来る。
先に挙げた豪華なゲスト陣だが、ド派手にギター・ソロを披露してくれるのはカッコ良い。
しかしQUEENSRYCHEにおいて、ギター・ソロはツインのハーモニーも重要な要素だったのでは?!
本作ではカッコ良いギター・ソロは満載だが、メロディックなギターのハモりは無い。
コレは非常に痛いと思うし、ジェフの「QUEENSRYCHEの楽曲」に対する認識の浅さが露呈している。
その楽曲も良く言えばストレート、悪く言えば単調な感じがする。
かつてQUEENSRYCHEの持っていた、ドラマチックな雰囲気を感じる事は出来ない。
「メタルは嫌い、歌いたくない」と言っていた事を、かつてのメンバー達から暴露されているジェフ。
裁判で有利になるように、ジェフ側があざとくメタル的要素のあるアルバムに仕上げた…とネガティヴな印象すら抱いてしまう(苦笑)。



そして肝心なジェフの“歌”。
やはり以前のような超人的な高音でのスクリームは無くなっている。
ただ、その声には更に深みが増して情感豊かで艶やかな“歌”は未だ健在だった。
しかし、それでも「何か」が決定的に足りない。
多分、それは本作は名義上は「QUEENSRYCHE」となっているが、実質はジェフのソロ・アルバムという事実だ。
バンドとしての連帯感や、ケミストリーはここには存在しない。
まだジェフに負けない個性を持ったメンバーが存在すれば、ソロ・アルバムではなくバンドとアルバムとしてエモーショナルになっていただろう。
それでこそジェフの“歌”は、更に素晴しいモノに昇華されるのだから…。



そして次に、いよいよマイケル達のQUEENSRYCHEが新作をリリースする。
アルバム・タイトルも、そのものズバリ『QUEENSRYCHE』!
新たなシンガーとして、トッド・ラ・トゥーレ(ex,CRIMSON GLORY)が迎えられている。
このアルバムを聴く事によって、どちらが真に「QUEENSRYCHE」と名乗るのが相応しいかハッキリするだろう。
日本盤のリリースは8月21日、楽しみに待っていたいと思う。


◯アルバムの1曲目、この曲はかつての「らしさ」を持っていて素直にカッコ良いと思った。




◯アルバムの中で、個人的に一番好きな歌がコレ…って何か皮肉めいている感じがする(自嘲)



ここは貴方を失ったまま生きる場所
貴方がいないまま生きて行く
残された者は何と言えば良いの?
そして其処には一体何が残っているの?

PACIFIC RIM

2013-08-14 17:06:30 | 映画
『パシフィック・リム』を観た。

思えば本作を追いかけ始めて一年、公開初日に劇場で本作を観た時は色んな意味で感慨深かった。
本作を観た直後、もう興奮と感動で気持ちの整理が出来なかった(苦笑)。



2D字幕版/3D日本語吹き替え版を観て、本作に対して冷静(?)に感想が言える様になったのでブログにUPします。
あっ、思いっきりネタバレします(笑)。
まだ本作を未見の方は、コレ以降は読まない方が良いと思います。




(注意:以下ネタバレ爆裂!!)




本作を観る前、予告篇の段階から怪獣を何故“宇宙人”と主人公ローリーが語るかが不思議だった。
しかし本作を観てすぐに判ったのが、コレはローリー自身の「回想」であると言う事。
だから、ある意味で物語の冒頭から思いきっり“ネタバレ”している事になる(笑)。



それが顕著なのが冒頭。
もう10年以上にも及ぶ「怪獣戦争」の始まりが語られ、ここで人類はソレに対抗する為に人型巨大兵器“イェガー”を開発して反撃に出る。
核弾頭でしか倒せない怪獣、でも核を使い続けると人類自身が自滅する事となる。
それが“イェガー”の開発・参戦により、怪獣との戦いで人類は優勢になる。



だが主人公ローリーと兄ヤンシーがナイフヘッドとの戦いから、事態が急転して人類は危機的状況に陥ってしまう。
怪獣は学習し、更に巨大かつ強力な生物へと進化していく。
この辺りの描写が、凄まじい情報量で怒涛の勢いで展開する。



劣勢に陥った人類は怪獣との戦いを避け、「命の壁」を作り一部のエリートだけを内陸部に移住させる政策に方向転換する。
これに異を唱え怪獣との最終決戦を訴えるスタッカー司令は、現存するイェガーを全て投入して怪獣が出現する海底にある“裂け目”を破壊する作戦に賭ける。
しかし、それにより実は人類の滅亡まで数日に迫っている事も明らかになる。
本作は言ってみるならば、人類と怪獣の戦いを描いた『パシフィック・リム』という物語の最終回的な位置にあるとも言える。



したがって物語の展開も実にシンプル。
一度は敗れて戦線を離れた主人公ローリー、そして幼い頃に怪獣に惨殺されトラウマとなったヒロイン・マコ。
互いに肉親を失った者同士が出会い、心を許し合う事によって自身が抱える葛藤やトラウマを乗り越える物語になっている。



主人公ローリーを演じたチャーリー・ハナム。
冒頭では威勢の良いイェガーのパイロット・ローリーだが、ナイフヘッドとの戦いで兄を失い自身も心身に深い傷を負ってしまう。
結局、ショックから立ち直れずにパイロットを引退する。



戦いを離れていたとは言え、その鍛えられた肉体と戦闘能力は見事。
ある意味、昔の自分でもある様に意気がって見せるストライカー・ユーリカのパイロット・チャックとの格の違いと人間的成長も描かれている。
自身で早くからマコの中に、自分と“シンクロ”する要素にも早くから気付く。



そしてヒロイン・森マコを演じた菊地凛子。
当初から「エヴァ」における綾波的キャラかと思ったが、確かに綾波的要素はあるもののマコは当然より人間的なキャラになっている。
実際にはローリー役のチャーリーよりも年上の彼女だが、不思議と少女っぽい雰囲気を漂わせている。
そして可愛いキャラになっているのもポイントだろう。



マコが字幕版において英語よりも、日本語の方が少し発音のニュアンスが可笑しいのは笑えた。
ネイティヴの人から聞いた事があるが、生活言語が英語になると日本語を忘れてしまう事があるらしい。



本作でもマコの怪しい日本語は子どもの時にスタッカーの養女となり、英語メインの生活となり日本語を忘れかけていると言う設定。
吹き替え版では怪しく妙な日本語台詞の面白みは無いが林原めぐみ嬢の熱演もあり、よりエモーショナルな綾波と言う印象は強くなっている(笑)。
デル・トロ監督は「エヴァンゲリオンは観たことが無い」と言ってますが、予想以上にエヴァ的要素が強い。



あと意外だった事として。
本作では怪獣の襲撃により、人が情け容赦なく死んでいく描写は無い。
『ガメラ3』おける、「渋谷の大惨事」のような直接的な残酷描写は無い。
“怪獣”と言う巨大な怪物の恐怖と脅威は、ヒロイン・マコの少女時代の体験に集約されている。



アレだけの恐怖を体験すれば、誰もが心に深い傷を負ってしまう。
そして自分から大切なモノを奪った存在に、復讐したい言う思いを抱くだろう。
それをマコの少女時代役の芦田愛菜ちゃんは見事に演じている。
このシーンは凄いとしか言えない。



一方では怪獣の謎に迫る物語である本作。
コメディ・リリーフ的な存在であるニュートとゴットリーブの両科学者のキャラも良い。
特にニュート。
重度の怪獣ヲタクであるニュートは、怪獣の謎を暴く事と自身の名声の為に怪獣の脳にドリフトを試みる危険な実験を行う。
それが結果的に怪獣も実は生物兵器であり、ソレを作り操る“先駆者”と呼ばれる真の黒幕の存在を暴く事になる。
吹き替え版では古谷徹氏による「ガンダム」ネタ満載のアドリブと、自業自得とは言え酷い目に遭う姿には大笑いしてしまう。



もう1人のゴットリーブ博士、コチラはニュートとは違いマッドな空気をプンプンさせている。
吹き替え版では三ツ矢雄二氏によって不気味さと神経症的な雰囲気だけではなく、何処か憎めない空気感を持っているのも良い。
彼らの活躍なくして、人類は怪獣と宇宙人(異次元星人)に勝つ事は不可能だったのだから。



肝心の怪獣に関して。
冒頭のナイフヘッド登場のシーンからして、日本の怪獣映画を良く研究しているのが判る。
平成『ガメラ』シリーズからの絶大な影響を感じつつ、クライマックスでの香港の激闘は往年の東宝怪獣映画の現代的アレンジとも解釈出来る。
特にオオタチが香港上陸する時、そして翼を生やしてジプシー・デンジャーを抱えて舞い上がる時には伊福部マーチ的な音楽になるのもポイントが高い。



香港での戦いは凄まじかった
そして最終決戦は深海となりカテゴリー4のスカナーやライジュウ、ラスボスであるカテゴリー5のスラターンが登場。
香港での陸・海・空に渡る激闘に対し、深海での戦いはややメリハリに欠けたのが残念。



スラターンに関しては単体でシャッター・ドームを襲撃して、その空前絶後の巨大さと強さによる絶望感を観る側に与えても良かったのでは?
その絶望的な状況の中、何とかジプシーとストライカーをヘリで輸送させるのに成功させ海底に降下。
スラターンがそれを追いかけ、“裂け目”の付近ではライジュウ達が待ち構えると言う展開だったら更に燃えたかと思う。



そして人類唯一の対抗手段である、人型巨大兵器イェガー・シリーズ。
ピーク時には30機もあったものの、怪獣との戦いで大半が破壊され、パイロットも死亡している事実は戦いの凄惨さを物語っている。



イェガーの鋼鉄感や巨大感を体感するなら3Dをオススメ。
もう冒頭のジプシーの活躍から、日本のスーパーロボットらしさが全開。
あの独特の金属音や攻撃音を体感する為にも、音響設備の良い劇場で本作を観るのが良いだろう。



公開前はストライカーが一番のお気に入りだったが、本作を観ると俄然チェルノ・アルファの武骨なカッコ良さに燃える(笑)。
デル・トロ監督は元ネタはザク(旧ザク)だと言ったが、アームパンチやパイロット・スーツを見ればモロに世代的には「ボトムズ」だと思えた。
他のイェガー・シリーズと違って必殺技もなく、基本「怪獣をボコボコに殴る」と言うスタイルが良い。



あと活躍シーンは少ないものの、クリムゾン・タイフーンも悪くない。
例の三つ子のパイロットによる必殺技「サンダークラウド・フォーメーション」も、吹き替え版ではスーパー戦隊のロボの如く掛け声付き!
そのアクロバティックで、カンフー的な戦い方も良かった。



主人公機のジプシー。
第3世代の機体ながら、さすがは復元と言うよりも「改造」に違いくらいに手が加わっている。
チェーン・ソードだけでなく、予想通りに胸から波動砲よろしくビームが出たのでちょっと反則的なまでの強さ(核ミサイルには耐えたスラターンをコレ一発で倒した:笑)。



人間側のキャラで印象的だったのは、やはりスタッカー司令。
放射能対策が万全ではなかった、第一世代のイェガーに搭乗し怪獣と戦って来た。
しかしマコを救った東京での戦いで、被爆し余命僅かな事を隠している(それを思うと同じく第一世代から今でもイェガーに搭乗するハークは超人的:苦笑)。



当初、この役はトム・クルーズ(『狂気の山脈にて』からの流れで)起用を予定していた。
結果的には、今絶好調のイドリス・エルバがヒロイックに演じていて正解だった。
吹き替え版では玄田先生のカリスマ性溢れる声もあり、病魔に冒されながらも人類滅亡を必死に回避しようとする使命。
そして我が子のように愛するマコに危険な目に遭わせたくない父性との葛藤が際立ち、あまりに有名になってしまったアノ演説シーンがより感動的に心に響きます。



あとロン・パールマンが演じた、怪獣臓器闇市のボスであるハンニバル・チャウも良い味を出していた。
ニュートとの絡みや、怪獣の死体処理現場などでの彼はパールマンしか出せない下衆なマフィア的雰囲気はサイコー(ケンドーコバヤシのハマり方も見事)。
あと詳細は伏せるが、ラストでのギャグも良い。



最終決戦を経て迎えるラスト、それが典型的なハリウッド映画の終わり方でないのも良かった。
互いに抱える傷や苦悩を乗り越え、共に心が通じ合い過去から抜け出し未来に向けて歩み出す一歩とも言える。
あの清々しい結末こそ、壮絶な戦いが連続する本作には相応しい。



さて、既に北米では11月のソフト化が決定している本作。
何と、そこには特典として「40分(!?)のカット・シーン」が収録されると言います。



デル・トロ監督は、アチラのインタビューで「ディレクターズ・カット版は存在しない」と明言。
本編からカットしたシーンには、それをカットした理由があるとも語っています。
以前に触れた小説版ではドラマ部分が補完されていました、それを思うとカット・シーンの大半はドラマ部分なのかと予想出来ます。



そこにはパイロットを辞めた後のローリーの生活、ハンセン親子の確執や全てを知って握手を交わすスタッカー指令とローリーの姿。
更には怪獣のいる社会の、様々な側面(イェガー肯定派、経済状況、そして怪獣教等)が描かれていました。
是非、ディレクターズ・カット版も観てみたいと思ってしまうのはファンとして人情では?(苦笑)。



本当に大人から子どもまで、一緒になって楽しめる娯楽映画の傑作です。
そして子どもの頃、怪獣やロボット・アニメが好きだった方には宝物のような映画です。
ヲタクやマニア向けの作品という先入観を持たずに、多くの人々に本作の持つ楽しさと凄さを体感して欲しいと願っています。
超オススメ!!

「これは私の家族の為に!」

WORLD WAR Z

2013-08-10 19:08:05 | 映画
『ワールド・ウォーZ』を観た。
かの大スターである、ブラッド・ピット主演である。



そのせいか日本では「タイトルの「Z」は人類の最期という意味」等と、日本側で勝手にプロモーションしたり。
ウィルスによる人類滅亡ディザスター映画に、家族愛を絡めた宣伝のされ方をしている。
ハッキリ言うがタイトルにある「Z」は“ゾンビ”の事。
そう、コレはゾンビと人類の戦いを描いたホラー超大作であります。



ゾンビと言っても御大ロメロ的な「ノロノロ動くゾンビ」ではない。
『28日後』、更にはリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』の流れをくむ、いわゆる“疾走するゾンビ”。
更に本作のゾンビが他と違う要素は、もう凄まじい数とスピードで襲撃するのがポイント。



ブラッド演じるジェリーは元国連の調査員。
調査員と言っても、紛争地域で相当ヤバい任務をこなして来た強者。
現場の仕事に嫌気がさし、内部告発をして退任した。
しかし、この未曽有の危機の中で原因解明の為に家族の保護を条件に強引に現場復帰させられる。



冒頭で“希望の星”と言われた科学者が、不慮の事故(笑)によりあっさり亡くなってしまう。
その後、ジェリーは単身で原因究明の為に奮闘する。
韓国、イスラエル、そしてイギリス。
舞台を変えつつ、ジェリーはイーサン・ハントばりの大活躍を繰り広げる。
群がり襲いかかるゾンビ軍団に対し、ジェリーは不死身としか思えないです(笑)。
もう何度も死にそうになりながらも、それを乗り越えてジェリーはゾンビ化現象の核心に迫っていく。



観ていて感じたが、本作は文句なしで面白い。
ただ個人的な好みもあるだろうが、本作には全く残酷描写が無い。
否、正確に言えばかなりグロい事をやっているがハッキリと見せない。
コレは“PG-13”と言うレーティングのせいだろう。
もし“R指定”で残酷描写が満載であれば、新たなホラー映画の傑作が誕生したのかもしれない。



実は本作のラストは2つあったと言う。
最初に撮ったのはロシアにて、ゾンビ軍団との壮絶な血塗れの最終決戦だったようだ。
でもコレでは“R指定”は絶対に避けられない。
だが撮り直したのが、今回の公開ヴァージョンだった。
しかし、この公開ヴァージョンが実は斬新で秀逸だった(笑)。
このラストとしっかりとした残酷描写があれば、アクション・ホラー映画の新たな傑作として俄然燃えまくったのだが…。



本作は評論家の予想を裏切り、アメリカで大ヒットを記録した。
その大ヒットを受けて、映画会社側は早々に続編の製作を決定させた。
本作に製作として関わっているブラッド自身、本作を「3部作にしたい」と言う希望を持っていた。
ロシアでの凄惨なゾンビ軍団との戦いが続編に登場するかも?!
又はソフト化された時に、「アンレイテッド版」をリリースして収録されるとも噂されている。
楽しみだ。
とにかく久々に滅茶苦茶面白いアクション・ホラー映画を観た。
オススメです。

「この戦争は終わっていない、始まったばかりだ…。」

「エルボー・ロケット!」に泣いた夜

2013-08-09 23:52:50 | 映画
当ブログで熱狂的プッシュ中の『パシフィック・リム』。

遂に本日、日本公開となりました!

仕事帰りに観てきました。
動員が心配だったのですが、最終の上映ながら席はほぼ埋まってました。
あと外国人の方が凄く多かったです。

そして、やっと観た『パシフィック・リム』ですが…。

また改めて後日(3D日本語吹き替え版も観賞します)、コッテリとした感想をUPします。

今、とにかく言いたいのは「多くの人に観て欲しい」と言う事です。

ヲタク向けとか変な先入観は持たず、劇場で誰もが楽しめる映画です。
それも大人から子ども、男性でも女性でも理屈抜きで楽しめる娯楽映画の傑作です。

映画ファンでも、実は「生涯通して愛する映画」と言うのは案外少ないです。
それは僕もそうです。
大好きな映画は一杯ありますが、ただ心から愛する映画は数本しかありません。
その中に、新しく『パシフィック・リム』という作品が加わりました。

上映中、興奮に胸を踊らせ続けました。
そして何度も自然と目からボロボロと涙が溢れました。
子どもの頃、色鉛筆で自由帳に描いていた「怪獣対巨大ロボットの戦い」が今自分の目の前で映画となっている事実。
更に、どんな絶望的な状況にあっても希望を捨てずに未来を切り開く勇気がそこにはありました。

本作にあるのは夢を信じる事、そして何がおきても諦めない勇気を描いています。

とにかく、本作を映画館で観てください!!



PS:劇場のグッズ売り場にジプシー・デンジャーのフィギュアが売ってました。
でも買わなかったです(お小遣いが…苦笑)。
今、その事を猛烈に後悔してます(号泣)。

正に“怪獣映画”の如き激闘!!

2013-08-08 22:36:16 | アニメ・コミック
『進撃の巨人』。
その最新刊である11巻を買って読みました。

アニメ化をキッカケに、ここまで『進撃の巨人』が大ヒットするとは思いませんでした。
決して「万人ウケ」する優しい内容ではありません。
逆に好き嫌いをハッキリさせつつ謎が謎を呼ぶ、無慈悲で残酷な物語が今の若い世代にウケたのか?…と推測しています。

ヒロイン・ミカサが言う、例の名台詞「世界は残酷だ、でも美しい。」と言うのが効いているのかと思えます。

僕のようなオールド・ファンにすれば、本作に対する印象は全く異なります。
以前にも言いましたが、本作から感じるのは古き「東宝怪獣映画」からの影響です。
この11巻を読んでも脳裏をよぎったのは、『フランケンシュタイン対地底怪獣』や『サンダ対ガイラ』等と言った傑作であります。
決して「ウルトラマン」でも、「エヴァンゲリオン」でもないのがポイント。

今回は主人公エレンは仲間だったライナーとベルトルトが、実は裏切り者であり人類にとって最大の敵である事。
そして自身の運命に大きな影響を与えた、悲劇を招いた存在である事を知ります。
衝撃の事実を前巻でエレンに明かした時、もう何かの悪い冗談みたいな雰囲気でした。
激昂したエレンは、巨人化してライナーとベルトルトに戦いを挑みます。
ライナーは“鎧の巨人”、ベルトルトは“超大型巨人”。

そしてエレン(と調査兵団)対鎧の巨人&超大型巨人との死闘が描かれます。
エレンと鎧の巨人の戦いは、正に「怪獣映画」であります。
ただエレンが使う格闘術を教えたのは、同じく敵であったアニである事実も皮肉です。
あと失礼な言い方ながら諌山先生の画力の向上が、本作をよりドラマチックにさせます(笑)。
死闘の果てに訪れる、また新たな展開を呼ぶ終盤には唸りました。
諌山先生、憎いくらいに巧いです。

物語はより核心に迫っている筈なのに、何故かその謎が更に深まっていく不可思議な展開こそが本作の魅力とも言えます。

いや~凄い漫画だと思います。
色々言われますが、根底に流れるのは古き良き日本産怪獣映画であります。
あと実は青春群像劇であるのは次で、より明確になるかと思います。