ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

取り憑かれし者たち

2008-04-30 17:58:51 | 映画
『プレステージ』を観た。

アメコミ映画ファンにとって、本作は「バットマン(クリスチャン・ベール)対ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)」と言う図式にニヤニヤしてくる。

本作のテーマは「マジック」。
その「マジック」に取り憑かれた2人の男達による、壮絶なマジック合戦と、それによる「悲劇」を描いている。

コレは文句なしの傑作!

一応「サスペンス」と言うジャンルかと思うが、ソレは本作をラストまで観ると違う印象を抱く事になるのも間違いない…コレ以上は“ネタバレ”になるから言えない(笑)。

本作の主人公となるのは、まず天才肌のマジシャンであるボーデン(ベール)。



そして、もう一方は努力家にして華を持つマジシャンであるアンジャー(ジャックマン)。



2人は駆け出しの頃からのライバルであったが、当時ある哀しい「事故」により、互いに憎み合い、やがては殺し合うまでの関係にまで発展していく…。

本作に関して言いたい事は山ほどあるが、何かを言えばネタバレにつながるので言えない(笑)。

ただ観る者全てが驚愕するだろう、あの「結末」に関して本作を“傑作”と言うか、ただ単に“騙された!”と思うかは見解が分かれるだろう。

本作を語る上で、重要なヒントになるのがニコラス・テスラの存在がある。

このテスラ役をデヴィッド・ボウイ、更に彼の助手をゴラムことアンディ・サーキスが演じているのが意外な発見だった。

とにかくテスラと言う、エジソンの影に隠れた、天才発明家がいた歴史上の事実が重要になる。

物語を中盤まで見れば、勘の良い方なら物語のそれこそ「タネ」が判るだろう。
130分、伏線だらけなので一瞬たりと見逃せないし、台詞の一つも聞き逃せない。

時間軸がありとあらゆる方向に飛びかい、それが一つの「結末」に着地する見事な展開、正に練りに練られた脚本の勝利かと思う。

「あの結末」を正々堂々とやってのける手腕と度胸、監督・脚本家としてクリストファー・ノーランの現時点での最高傑作だとも言える。

結局互いに「マジック」に取り憑かれ、幸せや大切な人すら失ってしまう…その果てにあるのは「行き過ぎた者」を待つ悲惨な末路だ。

華やかなで夢の様なステージも、その裏側に回れば愛憎と欲望が渦巻く暗い世界がある事を気付かせてくれる。

実に面白い映画だった、ノーランの次回作『バットマン/ダークナイト』への期待が高まる。

個人的にはクリスチャン・ベールの大ファンだが、スカーレット・ヨハンセンの可愛らしさも光っていた(彼女は主演よりも本作のようなポジションが一番映える)。

本当に「騙された」と思って本作を観て、見事な結末に騙されて欲しい。



そう、アイツはそう言う奴だ!
何もかも、全てを「演技」してるんだよ!!




ハリウッド版『ドラゴンボール』に関する怪情報のアレコレ

2008-04-29 18:11:58 | 映画
久々にハリウッド版『ドラゴンボール』のネタを幾つか…。

まず、本編の撮影が無事に全て撮影した様です。
以前は「らしい」と言いましたが、それが田村英里子さんのブログで“事実”であると判明(笑)。

詳細は彼女のブログを読んで頂くとして、やはり撮影が最後まで及んだのはピッコロと彼女が扮するマイのシーンだった様で、カットが掛かった時にスタッフの中から「We did it !」と言う歓声から上がった事からも、今回の撮影が如何に困難なモノだったか想像がつく。

田村さん、ホンマにお疲れ様でした。


(過酷な撮影にグッタリな、ピッコロ配下の戦闘員の皆さん:笑)

そんな大変な撮影が終了した本作は、現在は間違いなくVFX等のボス・プロの修羅場の中にいるでしょう(笑)。

早ければ、この秋にティーザー予告編が登場しそうだ。

あと、前回「ボディ・アーマーをつけたピッコロ大魔王(顔出しNG)」をネタにした。

あの直後「アレは偽物!」と言う噂が流れたが、真意は定かではない。
ヨーロッパ筋の情報では、もっと原作を生かしたアジアン・テイストだと言うが…アレに白にマントを付けたら変わらんような気もするが!?

あとFOX側の発表によれば本作の続編の撮影は、作品公開直後から開始する意向だと言う。
当初から「3部作」と言われた通り、一気に「2」と「3」を撮影するマトリックス方式の様だ。
まだ作品がヒットするとは決まった訳ではないのに、FOX側は本作に対する自信と期待は並々ならぬモノみたいだ。

だが、ここで爆弾発言があった。

何と「2」の冒頭にて主人公・悟空は敵(ラディッツ?)に殺され死ぬと言うのだ。
って事は、「2」からはいよいよ「ベジータ&フリーザ」編になるとみて間違いない。

ピッコロ大魔王役のジェイムズ・マスターズも、シリーズにおけるピッコロと言うキャラクターが如何に複雑かつ重要であるか、あちこちのインタビュー等で発言している。

マスターズ曰くピッコロ大魔王のメイクを、もう少し若々しくしたいと希望したが、監督とプロデューサーから却下されたと言う。
それはシリーズ化を考えれば当然なのかもしれない。

何はともあれ、「2」の主人公は息子の悟飯となる。

本作で急遽赤ちゃんのオーディションが行われたと言ったが、アレはてっきり宇宙から落ちてきた悟空を見つける初代・悟飯のシーンかと思ったが、案外ラストで悟空とチチの間に既に悟飯が生まれるのかも?!

最後に、やっと正式な(?)ハリウッド版『ドラゴンボール』のポスターが完成した。
最初に貼ってあるヤツだが…何か微妙(苦笑)。

これまでファンの作ったフェイク・ポスターや予告編はネットで観てきたが、まだアチラの方にカッコ良くてクールなモノが沢山あった。

まだまだ怪情報が飛び交う『ドラゴンボール』、次は一体何が飛び出すのやら?!
生暖かく見守って、ネタにしていきたい(笑)。



PS:またまた“フェイク予告篇”ですが、ソレっぽいでしょ?!

ABIGAIL

2008-04-28 00:29:09 | 音楽
1777年7月7日
死産の末に誕生した
アビゲイル・ラ・フェイを
この世界から永遠に葬り去る為に
今宵、我らは此処に集った

KING DIAMONDというバンドにとってだけでなく、現在のメタル界においても最高傑作と言っても良い『Abigail』は、この様な不吉かつ不気味なナレーションにて始まる。

ロード・ランナー社より、KING DIAMONDを始め多くのバンドのかつての名盤が、廉価版にてリリースされるのは喜ばしい。

日本でKING DIAMONDが過小評価されていると思う者として、今回リリースされる『Abigail』を是非とも紹介したい。

KING DIAMOND、キング・ダイアモンドがMERCYFUL FATEを脱退し、自らの名をつけ結成したバンドであります。

この『Abigail』はバンドの2ndにあたり、KING DIAMONDというバンドが世界的に大きな成功を収め、その孤高の地位を築くキッカケとなったアルバムであったりします。

本作がリリースされたのは'87年。
北米だけで17万枚以上のセールスを記録し、ビルボードのヒット・チャートにもランク・インしました。

当時ヨーロッパのバンド(キング様はオランダ人:笑)が、メジャーからのリリースではなく、これだけ売れたのは正に驚異的であったのです。

彼らの当時の勢いを証明する珍エピソードが、あのKISSのジーン“社長”シモンズが、キング様に対して「君のメイクは昔の私のメイクにそっくりだ(KISSはあのメイクを“商標登録”してある)、変えないと告訴する」と脅されました(笑)。





この一件以降キング様のメイクは、アルバムをリリースする度に複雑化していく。

さて、本作『Abigail』である。

KING DIAMONDと言えば、まず何よりもキング様の異様で怪奇なハイ・トーンのVoが思い浮かぶ。

あのファルセットを多用し、中低音では爬虫類な濁音の超個性的なVoに、リスナーにとって好き嫌いがハッキリと分かれるし、生理的に嫌悪感を抱きダメって方も多いでしょう(あの白塗りメイクも…ね:苦笑)。

それで敬遠されがちだが、バンドの音楽性は基本にあるのは「様式美」とも言える、メロディアスで構築美に溢れる楽曲がズラりと並んでいる。

特にキング様の相棒である、アンディ・ラ・ロッカのネオクラシカルなギターは素晴らしい。

この『Abigail』では、もう一人のギタリストとしてマイケル・デナーが在籍していた。
彼も素晴らしいギタリストで、アンディと華麗かつ壮絶なギター・バトルが展開しつつ、美しいメロディーをハモったりと多彩でスリリングだ。

あとファンは、不可欠な存在としてミッキー・ディー(Dr)を挙げる。

現在はかのMOTORHEADに在籍する彼だが、そのドラムは実にタイトでバンドのサウンドの基盤になっている。

キング様の持つ“暗黒面”と、バンドの持つ美しく華麗な「様式美」の融合。
自ら「ホラー・メタル」と名乗っていたが、KING DIAMONDの正体が実はメロディアスかつドラマチックで叙情的なHMであります。

KING DIAMONDと『Abigail』と言うアルバムが、後のブラック/デス・メタルに与えた影響は絶大なのも言わずもがな。

本作はコンセプト・アルバムであり、歌詞を読みながら聴くと、ゴシックながらもおぞましい恐怖体験も出来ます(笑)。

それにしても「呪われし子アビゲイル」って、何かと謎を含んだまま彼女の復活を予感させアルバムが終わります。

詳しい内容は敢えて省きます、是非実際に聴いて“体感”して欲しいアルバムです。

凄いアルバムです、ドラマチックで邪悪なメタルが聴きたい方には超オススメです。


18は実際に9になる
その言葉が心から消える事は無かった



PS:PV「The Family Ghost」


Time After Time

2008-04-27 02:00:28 | 音楽
「あなたの好きな歌は何ですか?」

って聞かれてたら、ボクは絶対にこの歌を挙げるだろう。

シンディ・ローバーの“Time After Time”。

骨の髄までメタル・ヘッドであり、今やブラック/デス・メタルの虜であっても、この歌だけは今でも特別であります。

初めてこの歌を聴いたのはロックの洗礼を受ける前、小6生か中1くらいだったかと思います。

時は80年代、MTV全盛期であり、洋楽をかじり出した頃です。

シンディと言う人は、当時から「インパクト」のある方でした(笑)。
そんな彼女の唄う“Time After Time”を聴いた時、胸を締め付けられ泣きました。
まだ英詞の意味も全く判りませんでした、でも自然と涙が溢れてきました…こんな体験は後にも先にコレだけです。

あれから20年以上の歳月が流れました。

今や“Time After Time”は、男女・ジャンル問わず様々な形でカヴァーされています、誰もが知る「スタンダード・ナンバー」になりました。

今でもよくこの歌を口をつきます、何故か無性に聴きたくなる時もあります。

本当に“私の一番好きな歌”です。

今日も某TV局でシンディがこの歌を唄う姿を観ました、番組が終わってからCDラックからこの歌の入ったアルバムを引っ張り出し聴いています。

ブームやファッションに関係無く、いつまでも歌い継がれていく、真の名曲だと心から思います。

“Time After Time”

ベッドに横たわり
 ただチクタク鳴る時計の音を聴いている
ただ考えるのは貴方の事だけ
 考えれば考えるほど
自分でも混乱して、泥沼にハマってしまうのが判る
 別に何を今さら…って気もする
記憶は突然甦って駆け巡る
  まだぬくもりがあった夜の思い出
もう今となっては全て過去の出来事
  そんな思い出をかき集めたら 
スーツケースがいくつあっても足りない
  そう、あの頃からずっと…

いつの日か きっと貴方も
 私の事を思い出すことがあるでしょう
私があまりに急いで歩き過ぎてしまったから
 そんな私を貴方は呼び止めてくれていました
でも、あの時
 私には貴方の声が聞こえなかった
そんな時 貴方は言った
  「焦らないで、落ち着いて」と
時に追い越された私
 今度は逆に秒針に巻き戻されていく


もし、貴方が自分を見失う事があっても
 きっと 私が見つけてみせるから
もしも、貴方が落ち込んで途方に暮れても
 私が絶対に受け止める
私は待っている
 いつでも、いつまでも

いつか私との思い出も
 色褪せていく事でしょう
暗闇が静かに忍び寄る様に
 窓越しに私を見守ってくれた貴方
貴方は私が大丈夫かと
 いつも気遣ってくれました
心の奥に隠して語られる事がなかった
 秘密が今明らかになっていく
リズムのズレたドラムに合わせて

貴方が私に言ってくれた
 「ゆっくり進もう」って
でも先を急ぎすぎた私には
 貴方の言葉が聞こえなくなっていた
今は逆に時に追い越された私
 秒針が私を過去へと巻き戻していく

もし、貴方が道に迷ったり
 自分を見失いそうになっても
私が探してあげるから
 もしも、貴方が酷く落ち込んだ時には
私が貴方が支えます
 だから、私は待っている
何処にいても
 いつでも、いつまでも

PS:やっぱり「オリジナル・ヴァージョン」が好きです。




スリザー

2008-04-26 18:22:23 | 映画
『スリザー』を観た。

昨年、遅ればせながら日本でも劇場公開されたが、公開中はちょうど仕事の修羅場にいたし、公開劇場数や期間も他の洋画と較べても非常に短期間だった。

「邦画高・洋画低」の流れに加え、元々ホラー映画に冷たい日本の体質…それを実感する作品でもありました。
DVDスルーになったり、そもそも日本での公開が見送られる作品の事を思えば、まだ公開されただけマシなのかと思いますが…(苦笑)。

さて、やっと観れた本作でありますが、B級SF・ホラー映画の傑作でありました。

監督・脚本を担当したのがジェームズ・ガン。

あの『ゾンビ』のリメイクである傑作『ドーン・オブ・ザ・デッド』、日本では今一つだったが『スクービー・ドゥー』シリーズの脚本を手掛けて一躍ヒット・メイカーになった逸材です。

劇中でも『悪魔の毒々モンスター』を挿入してますが、それまでは我らが極悪・トロマ社にいた人物でもあります。

そんな人物の初監督作品です、もう当然ドロドロにしてグチョグチョなエログロ要素が根底にあるのは間違いないのであります(笑)。

物語はいたってシンプル。
地球に飛来した隕石に、寄生型宇宙人が潜んでいて、それが落ちたアメリカの片田舎は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す…ってな感じでしょうか。

ガンは根がかなりのマニアであるのは明白で、劇中の物語の展開も「SF/ホラー」モノの“お約束”を忠実に守られており、観ている者が思わずニヤニヤするような描写が満載です。

とは言え、それだけでは単なるマニア向け映画でしかないが、全米でもスマッシュ・ヒットしたのが証明していますが本作はそれだけではありません。

ブラックな笑い、強烈な残酷描写、小気味良いテンポの会話等々…一つの映画として計算されていて、非常に完成度が高いです。

そして意外にも、作品の根底に流れているのが「夫婦愛」と言うのに驚くでしょう。

もうコレがマジかジョークかは観た者の判断に委ねられますが、ある意味「孤独」で「悲しい」男の招いた悲劇と言えるかも?!


(悲しい被害者さん張本人:合掌)

あと監督としてガンは、絶対に御大ジョン・カーベンターから絶大な影響を受けているのも判ります。

特にラスト、アレは間違いなく『遊星からの物体X』でしょう。

終盤からの展開が妙に『ゾンビ』(宇宙人に寄生されると人喰いに変貌)っぼかったり、寄生宇宙人の正体である“肉虫”が高橋留美子の『笑う標的』を彷彿とさせたりと、ソレ系マニアには堪らない傑作かと思います。

個人的には充分に楽しめました。

やっぱりホラー映画は良いですね。

「楽しいハンティング・シーズンの到来だ!!」


ダーク・ナイトに栄光あれ

2008-04-25 23:55:17 | 映画
会議で帰りが遅くなる。

ウチに返る頃には心身共にグッタリしていたが、無事に会議も終わり、ちょっと先行きに希望が持てそうな気持ちになって来た。

寝る前に、PCで『バットマン/ダークナイト』の新ポスターを観た。

コレが滅茶苦茶カッコ良い!!

あのヒース・レジャーの悲劇によって、ジョーカー・メインのヴィジュアル・イメージの展開は不可能となり、今後どうなって行くかが危惧されていたのは事実だ。

そこに、このポスターだ。
従来の『バットマン』シリーズにあって、もっともバットマンの「ヒーロー性」をヴィジュアル化したモノと言える。

今から作品を観るのが楽しみで仕方ない。
このバットマンの勇姿に、疲れた心身が少し癒されたような気持ちがした(笑)。



復活のキノコ・パスタ

2008-04-24 23:36:21 | 料理
毎日忙しい。

もう何百回と言ってきた言葉だが、忙しい事は幸せなのかもしれない。

今回ブッ倒れた事により、良い意味で周りの「空気」が変わった様に感じる。

今共に働いているスタッフにとって、ボクと一緒に働く事は「地獄への道連れ」という実感が持てたのかも!?

今日も多忙な仕事を終え、帰って作ったのは「キノコとベーコンのパスタ」。

いつもは“和風”な味付けをしていますが、今回はアンチョビ・ソースを使ったのがポイントです。

美味しかったです、我ながら…と言うのも変ですが(苦笑)。

醤油テイストではなく、洋風テイストの味付けのキノコ・パスタは今回初めてでした。

帰って来るのは遅かったですが、サッと作れたのも有り難かったです。

あっ、今日『仮面ライダー THE NEXT』のDVDが届きました。

噂の“未公開のラスト”ってアレやったのね、なるほど…この“次”を考えていれば、このエンディングは確かに“未公開”になるのも仕方ないかも?!

ってな訳で、今日も色んな事がありましたが無事に過ごせました。

明日も良い1日でありますよに…。

銀色でカッコ良くてニクい奴

2008-04-23 17:46:47 | 映画
今日は仕事が休み。

以前から観たかった『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』を観る。

まず、前作同様にダザい邦題にウンザリする。
マンガ映画なのだから、いっそ『ファンタスティック・フォー対シルバー・サーファー』にした方が、往年の東映まんが祭を彷彿とさせてくれて面白かったのでは?!

出演者は前作通り、出ないと言っていたDr.Doomの役者さんまで同じ(笑)。

やはり「ヒーロー物はパート2からが面白い」と言う定説通りだ、前作が“誕生編”だったが、今回は「スーパー・ヒーロー・チーム」としての活躍が明確になっている。

あと本作特有の「バカ映画」っぽい雰囲気も健在、それが他の何かとシリアスなアメコミ映画との差別化にも成功している。

アメコミの「ヒーロー・チーム」としてX-MEN(異端者として差別されている)との決定的な違いが、「ファンタスティック~」の場合は彼らが“セレブ”として一般に認知され、おまけに人気者として存在している事だ。

本作でもMr.ファンタスティックとスーの結婚が、ゴシップ・ネタとして散々騒がれている冒頭からスタートしている。

が、様々なトラブルによる彼らの結婚は何度も延期となり、今度こそ!って時に宇宙からの使者シルバー・サーファーの襲来により式は滅茶苦茶にされる(笑)。

前作と大きく違うのがMr.ファンタスティックの存在、前作の優柔不断ぶりが嘘の様に、本作ではチームのリーダーとして凛とした存在感を見せる(傲慢な将軍相手に啖呵を切る姿はカッコ良い)。

スーに扮するジェシカ・アルバの無国籍な美貌は健在、でも前作よりお色気シーンが減ったのは残念。

ザ・シングは本作でもコメディ・リリーフだが、憎めないキャラと変わらない怪力ぶりが心地良い。

ヒューマン・トーチことジョニーは、相変わらず自己チューなお調子者だ。
しかし、本作では彼がある意味主人公だとも言える。
彼の人間的な成長が、本作のポイントと言えるのかもしれない。

しかし、本作の“真”の主人公は「ファンタスティック~」の4人ではなく、宇宙からの使者シルバー・サーファーである。





彼の登場により地球は異常気象等の様々な異変が起きる、それにより彼は最初人類の敵として思われる。
しかし、彼の素性が明らかになるにつれ正体も判明し、彼が決して悪者ではなく苦悩と葛藤を抱えてるヒーローなのが判ってくる。

アメコミ・ファンならサーファーが、最初銀河最大の腹ペコ大魔王ギャラクタス(惑星ごと喰う超巨大な怪物)の配下である事が判る。

本作でもギャラクタスの名は登場するものの、その存在は明確に登場しないのがファンとしては残念だ。

それにしてもサーファーが滅茶苦茶カッコ良い!

声を担当したローレンス・フィッキシュバーンの渋い低音、長身かつ細身のダク・ジョーンズ(「ヘルボーイ」のエイプや「パンズ・ラビリンズ」のパンの牧神etcで有名な最高のスーツ・アクター)の演技が合わさり、見事なシルバー・サーファーとして完成している。

あとファンとして嬉しいのは、「F・F」シリーズと言えばこの人! Dr.Doomの復活と卑屈な悪党ぶりが小気味良い!!

特に終盤、コミックを彷彿とさせる全身アーマー姿がまたカッコ良い。

マンガ映画として、前作に続いて文句無しで楽しめる傑作だ。

ただ気になるのは90分と言う上映時間。
前作の時もそうだったが、どうもレーティング等の問題でカットしたシーンが多そうだ。

また半年くらいして、完全版DVD(2時間)がリリースされそうな気配もする…果たして!?(笑)。

さて本作も世界的に大ヒットした訳で、既にパート3の製作が決定している。

今度こそギャラクタスと彼の配下の他のエイリアン軍団と、F・F&シルバー・サーファーとの戦いを描く事になるのか!?

アメコミ・ファンだけでなくても充分に楽しめるSFアクション映画の傑作です、まぁ~ラストの日本のシーンだけは「ご愛嬌」として許します。


「彼女との時間を慈しめ、絶対に不可能は無い」




BLACK SNAKE MOAN

2008-04-22 23:48:41 | 映画
『ブラック・スネーク・モーン』を観た。

美少女(クリスティーナ・リッチ)を鎖でつないだ中年の黒人ハゲ親父(サミュエル・L・ジャクソン)…と言うあまりにインパクトのあるヴィジュアル。

セックス依存症のヒロインを、中年の親父が鎖でつないで自宅に監禁するという予告篇。

誰がどう考えても、かなりエロい内容の作品だと思うだろう(笑)。

それはボクだってその一人だ(自嘲)。
しかし、本作は全く違う作品であり、思いきっりエロい内容を期待してみると、ハッキリ言うがかなり落胆するのは間違いない。

本作はエロ路線とは全く違う、実に真面目な人間ドラマの映画だから。

エロ路線じゃないから面白くない?
否、トンでもない! 本作は「魂の救済」を描いた傑作です!!

まぁ~映画秘宝のインタビューでもサミュエル叔父貴が「エロいイメージは(ソレを期待し劇場に駆けつける)ボンクラを騙す為!」とジョークにしていたし、一時期『グラインドハウス』のフェイク予告騒動あったりで、かなりのイメージ的戦略があったのは間違いない


個人的にはサミュエル叔父貴の大ファンであり、『アダムス・ファミリー』からのファンでもあるクリスティーナ・リッチの2人が主演と言うだけで、ボクにはこの映画は「傑作」認定でもあるが(苦笑)。







舞台は南部の田舎。
無差別なヤリマンとして有名なリッチは、恋人がイラクに出兵したショックからハメを外し過ぎ、その恋人の友人(コイツが最低)に酷い暴行を受け道端に捨てられる。
それをたまたま妻を弟に寝取られ傷心の中にいた、敬虔なクリスチャンであるサミュエル叔父貴が見つけ、手当をする所から物語は始まる。

サムにとって怪我し暴れ、無差別に男を求めるリッチは「悪魔憑き」の少女にしか思えず、コレも自分に神が与えた試練として勝手にリッチを更正させようとする。

最初は頭の堅いサムに抵抗するリッチであったが、彼の温かく優しい人柄に触れる間に閉ざされた心を許し、2人は鎖につながれた奇妙な信頼に支えられた関係築いていく事になる。

何かこう聞くと、ありがちなヒューマン・ドラマかと思う。

でも本作が他と決定的に違うのが、サミュエル叔父貴が更正の手段として“信仰”や“説教”だけでなく、自身がかつて地元でブイブイ言わしていたブルース・シンガーと言う設定を生かし、何とギターを弾き、渋い声で唄いまくるのがポイント。

コレが滅茶苦茶にカッコ良い。

3ヶ月みっちり猛特訓したと言うギターは、その少々危ない指使いが「吹き替え無し」であるのが判る、意味深なブルース・ソングの数々が、リッチだけでなくサム自身も自らを省みて、己の人生の救済と再生に向けて動き出していく。
この辺りの描写が過度に大袈裟かつドラマティックになる訳でなく、実にナチュラルな展開なのが素晴らしい。

サムもリッチも互いに己の人生と向き合い、新たな人生を歩み出そうとした時、問題の恋人が強制送還されてくる、そして…って後は映画を観てのお楽しみ。

人は誰でも心に傷を持っていて、誰にも言いたくない秘密や問題を抱えている。
でも、それを抱えながらでも過去に捕らわれるのではなく、前向きに未来に向けて不器用ながら生きようとする姿勢が、観終わった後に静かな感動を与えてくれる。

渋いサムの歌声とは全く違い、可憐で可愛いリッチの歌声が心に響くエンディングは感動的。

久々に「良い映画を観た」と言う気持ちになった、素晴らしい傑作だと言っても過言ではないでしょう。


私を輝かそう
私は輝いていよう

PS:渋い! カッコ良い!! 聴いて下さい。


「映画奪還作戦」の真意

2008-04-22 00:20:23 | 本・雑誌
オレ、復活!

とは言え、いきなり自分の前に積まれた仕事の多さ、そして更に困難になった状況に対して戸惑うばかりだ(笑)。

さて、仕事帰りに今月号の『映画秘宝』を買う。

今月号の表紙は意外にも『Hot Fuzz』の2人、他の雑誌では扱わないチョイスだ(笑)。

表紙の「映画奪還作戦」、更には「我々から映画を観る機会を奪うな!!」というコピーが心地良く魂を揺らす。

日本での劇場公開が見送られ、一度はDVDスルーが決定した作品がファンの署名活動により急遽劇場公開される。

オマケに巷で何かと話題となった、あの『靖国』に関する特集も興味深い。

先月号のインタビューが何だったのか?と思える。

ただでなくてもデリケートな『靖国』と言うテーマ、それを日本人ではなく中国人の監督が“ドキュメンタリー”として映画にする…それだけでセンセーショナルに違いない。

ボクも観たかった、結果的にあの騒動は映画のプロモーションになっただけだ(苦笑)。

あまり色々言いたくはない、ただ刀匠の方は監督に騙されて出演した(作品の意図を知らなかった)、今は自らのシーンの削除を願っている。

コレには深い意味がある。
ドキュメンタリーに“主観性”が無いのは嘘だ、本作はある意図を持って作られた映画であるのは変わりない。

もし、本作が何の嘘偽りもなく作られたのなら、編集部の編集後記ではないが「傑作」と言われただろう…ドキュメンタリーにあって最低でも「嘘」の出演依頼は最大のルール違反だとボクは言いたい。

そのせいか今月号は妙に重苦しい内容になっている。

社会と世間に唾を吐く「映画秘宝」、この問題を正面から扱った勇気は絶大かと思う。

でも、今月号には何とも言えない重さ、そしてやり場のない怒りと現状への閉塞感を感じたのはボクだけか?!

「映画秘宝」という雑誌の持つ、もう一つの側面が滲み出た今月号の内容になっている。

深い!!