ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Revolution Saints/REVOLUTION SAINTS

2015-02-22 15:15:15 | 音楽
REVOLUTION SAINTSのデビュー作『Revolution Saints』を聴いた。

正直、彼らを「新人」とは言えない。
ご存知の方も多いが、このバンドはHR/HMシーンの強者達による“スーパー・プロジェクト”だ。
フッと気が付くと、今HR/HMシーンは多くのプロジェクトが誕生している。
そんな中でも、彼らの存在は際立っていると言っても過言ではない。



メンバーは…。

ディーン・カストロノヴォ(Vo&Dr)

ジャック・ブレイズ(B&Vo)

そしてダグ・アルドリッチ(G)

今のシーンの最前線で活躍する、凄腕のミュージシャンばかりの集団である。
ディーンにはJOURNEYがあり、ジャックにはNIGHT RANGERというバンドがある。
そう言った意味では、バンドと言う呼び方よりも「プロジェクト」と言った方が相応しいのかもしれない。
まぁ~そんな細かい事は別として(笑)、僕がこのバンドを聴くキッカケとなったのは他ならぬダグの存在があった。



ダグ、僕にとっては特別なギター・ヒーローの一人。
かのLIONの頃から彼のギターが大好きで、ずっと聴き続けている人でもあります。
ここ最近では、言わずもがなWHITESNAKEでの活動がメインでした。
しかし彼の多くを犠牲にしても尽くして来た、そのWHITESNAKEからの脱退(事実上の解雇)は衝撃でした。
「この人はホンマに不遇やな…」とファンとしては思いましたが、ダグ自身は違った様です。
確かに自分自身への“仕打ち”に落胆をしつつ、彼は「自由」を手に入れたと前向きに解釈しました。
そんな彼は最初に手掛けたのが、他でもないこのREVOLUTION SAINTSでした。



期待してアルバムを購入し、聴いてみた訳だが…。
コレが実に素晴らしい内容だった!
想像を遥かに超える完成度に震えた!!
確かに音楽性は、JOURNEYに通じるメロディアスなハード・ロック。
しかし随所でダグの図太いギターもあって、よりメタリックな感覚が聴いているのが素晴らしい。
そして何よりも楽曲の完成度が高い。
アルバムには全12曲(ボーナスを含むと16曲)収録されているが、捨て曲が全くない。
アグレッシブなメタリックなナンバーや軽快なロック・ナンバーから、胸に染みるような感動的なバラードまで。
楽曲のバラエティも豊富な上に、どの曲もメロディが非常に耳に残る。
これだけのメンツが揃っていれば当然かもしれないが、逆にスターが揃うと難しい要素も孕んでくるのも事実。
だが、そんな事は全く関係なく素晴らしい傑作になっていると言える。



やはりアルバムを聴いて、一番驚いたのはディーンの歌の巧さ。
はっきり言って、本職のシンガーでもここまで歌える人はどれだけいるだろう?(苦笑)
このバンド始動のキッカケは、そんな彼のシンガーとしての才能を活かす為というのも納得。
盟友アーネル君やジャックと一緒に歌っても、全く遜色が無いって事実は凄いとしか言えない。
気持ち良く抜ける高音、少々エッジがありながら力強い中低音。
いや~見事としか言えない。
おまけに、かつて「コジー・パウエルの再来」と言われたドラマーでもあります。
もう思いっきり派手に叩きまくっていて、ドラマーとしての凄腕さも発揮している。
全く凄い才能の持ち主としか言えない…。



そしてダグのギター。
こんなに生き生きと弾きまくる、ダグのギター・ソロは久しぶりでは?
ダグは、元々「楽曲においてカッコ良いギター・ソロを弾く逸材」として高い評価を得て来た訳です。
しかし、ここ最近はややプレイ自体が抑え目になっているような印象を受けました。
このアルバムでは何の柵も無い事もあってか、存分に弾いている印象を受ける。
ただ闇雲に弾き倒す訳ではなく、ちゃんとその楽曲を踏まえての構築されたギター・ソロだ。
「泣き」を踏まえつつも、流麗なギター・ソロは本当にカッコ良い。
正にギター・ヒーローとしてのダグ・アルドリッチ、此処に有り!って感じだ。



あくまでも主役がディーンとダグである為、ジャック・ブレイズは脇をしっかり固めている感じがする。
「もう一人のシンガー」としてディーンをサポートし。
ベース・プレイヤーとして、しっかりとサウンドを支えている。
ある意味、職人的なポジションかもしれない。
しかし本当に良い仕事をしていると思う。
もし彼らがLiveを演る事になれば、ジャックという存在が大きくなるだろう。
何よりも、もっと凄い事になりそうな予感がする(笑)



このまま単なるプロジェクトとして終わるのか?
また新たなスーパー・バンドとして、本格的にシーンで活動する事になるのか?
現時点では何とも言えない。
ただ、このアルバムは素晴らしい傑作である事実は変わりない。
ディーン・カストロノヴォという、素晴らしいシンガーのデビュー作であり。
ダグというギタリストの、その卓越したギターを堪能出来るアルバムである。
多くの方に聴いて欲しいアルバムです。














もう失うものなど何も無い
そして、その代償は一体何だっただろう?

ずっと独りで
この闇の中を彷徨い歩いていた
「過去」と言う夢に囚われたまま
今やっと新たな始まりの夜明けが見えた
俺が今歩いているのは光輝く太陽につながる道

ジェフ・ルーミス、ARCH ENEMY電撃加入!!

2014-11-22 17:55:23 | 音楽
ARCH ENEMYからニック・コードル(G)が脱退した。

正直、あまりに突然の事に驚いたしショックだった。
彼らの最新作『War Eternal』は、ARCH ENEMYというバンドにとって新たな傑作となった。
その大きな要因は新加入したアリッサと、間違いなくニックの貢献が大きかったと思う。



実際、先日のLOUD PARKでもニックの奮闘は光っていた。
脱退理由も明確にされていない、一体ニックとバンドに何があったのだろう?
バンド側とニックが公式のコメントを出しているが、両者は友好的に別れた様だが…。
ただアンジェラが「体調に気を付けて…」とコメントした。
ニックに健康問題があったんだろうか?!
とは言え、アリッサとニックを含むARCH ENEMYは思ったよりも短命な編成となってしまった。



しかし、その後任があっさり発表された。
何と元NEVERMOREのジェフ・ルーミス!
それを聞いた瞬間、ニックの脱退以上に魂消た!!
でも…少し冷静になると「結局こうなったのか」と妙に納得してしまった(笑)
ファンなら良く知っている事実だが、ジェフとARCH ENEMYは実に密接な関係にあった。
少なくともバンドへの加入に関して、ジェフとバンド側で2回は話し合いの場を持っている。
まず最初にアプローチしたのは、あのクリストファー・アモットが「1回目の脱退:笑」をした時。
サポートでガス・Gを迎えつつ、バンド側(と言うかアモット兄:笑)はジェフに加入を要請した。
当時NEVERMOREがあったので、ジェフはこの誘いを断っている。
そしてクリスが「2回目の脱退:苦笑」が決まった時、今度はジェフの方からバンド側にアプローチがあった。
(アモット兄は具体的に名前を挙げた訳ではないが、状況的にジェフ以外には考えられない)
既にジェフはNEVERMOREを脱退しており、ジェフ加入の方向で決まりかけるが…。
ただアンジェラとアモットの協議によって、「既にギター・ヒーローとして有名な人ではなく、無名の存在は加入させよう」という方針に変更となる。
そしてジェフの加入は無くなり、結果ニックのバンドへの加入が決定した。



今度はそのニックの脱退と同時にジェフの正式加入が発表された。
おまけに今行っている全米ツアーは、“問題児”クリスくんが「代打」として参加してこなす事も発表となった。
ジェフがARCH ENEMYのメンバーとしてステージに立つのは、次のヨーロッパ・ツアーからとなる。
何のゴタゴタも無く、これだけスムーズにメンバーの脱退&後任決定やツアーの調整が出来ている事。
ひょっとしたらニックとバンド側で、それなりに話し合いがあり水面下で調整が続いていたとしか思えない。
ニックの脱退は残念だが、正直ジェフの加入は大歓迎である…という複雑な心境になってしまう(苦笑)
結局「こうなる」のであれば、最初からジェフを加入させておけば良かったのにとも思ってしまう。
メタル・ファンの多くは知っている事であり、NEVERMOREやジェフのソロ・アルバムを聴けば判る。
彼はここ10数年のメタル・シーンに登場したギタリストの中でも、トップ・クラスのギター・ヒーローである事を。



その超絶技巧で流麗なギター・プレイだけでなく、作曲家としても桁外れの才能の持ち主でもある。
そんなジェフの正式加入は、間違いなくARCH ENEMYと言うバンドをより強力にしてくれるだろう。
ジェフ側とARCH ENEMYへの加入に関して喜びのコメントを出しているし、何よりもアモット兄が一番喜んでいるだろう(微笑)
しかしアモット兄も喜んでいる場合ではない。
ジェフという圧倒的なギター・ヒーローを迎えた今、ギタリスト/ソングライターとして更に修練を積まなければいけない筈。
来年、来日公演が予定されているが楽しみで仕方ない。
一方では、ツアーを早く切り上げてジェフを迎えた新作に取り掛かって欲しいと猛烈に思ってしまう(爆)
ジェフが加入したARCH ENEMYの新作、あと4年位後になりそうだが気長に楽しみにしていたい。





Rise Of The Empress/WHITE EMPRESS

2014-11-15 20:43:54 | 音楽
WHITE EMPRESS。
そのデビュー・アルバムである『Rise Of The Empress』を聴いた。
このバンドには、個人的には色んな意味で興味があった。
その一番の要因は、このバンドを立ち上げたのが元CRADLE OF FILTHのポール・アレンダー(G)だから。



当初ポールはC.O.Fと平行して、このWHITE EMPRESSを活動させるつもりだった様だ。
しかし、結果としてポールはC.O.Fを脱退してWHITE EMPRESSの活動一本に絞った。
C.O.Fのファンとしては、このポールの判断は正直ショックだった。
ポールという存在は、リーダーであるダニ閣下と共にC.O.Fというバンドの音楽性を担っていたからだ。
これまでのキャリアを投げ捨て、WHITE EMPRESSに全てのキャリアを賭けたポールの真意や決意を知るには本作を聴くしかなかった。



実際にアルバムを聴くと、ポールがこのWHITE EMPRESSに賭けた理由は良く判った。
確かにサウンド的には、やはりC.O.Fを彷彿とさせる要素も多分にある。
しかしC.O.Fというバンド以上に、このWHITE EMPRESSと言うバンドの持つ音楽性は多様性を持っている。
極端な言い方をすれば、サウンドは「C.O.F+THE AGONIST÷NIGHTWISH」って感じだろうか?(笑)
デス・メタルらしいエクストリームさを持ちつつ、キャッチーで聴き易く多くのリスナーを獲得出来るサウンドだと言える。
その“要”と言えるのが、シンガーのメアリー・ズィマーという存在だろう。



メアリーはこのWHITE EMPRESSにおいて、自ら「純白の女王」と言うキャラとコンセプトを立てた。
彼女の存在こそが、文字通りこのバンドの全てを象徴する。
そしてメアリーはそれに相応しいだけのシンガーとしての実力と、素晴しい個性を持っていると言える。
重低音の魔獣系デス・グロウルから、オペラティックなソプラノ歌唱まで全て彼女一人で担っている。
クリアー・トーンも力強く、何処か妖しげな響きを持っているもの特徴的と言える。
今やデスとクリーンのスイッチは当たり前だが、彼女のような極端な落差で唄うシンガーは男女問わず珍しいと思う。
その激しく妖艶な歌が実に映えるように、彼女自身が非常に美しいルックスの持ち主である事も大きい。
自ら「純白の女王」を名乗るのは伊達ではない(笑)。
サウンド的にも、ヴィジュアル的にもメアリーの放つインパクトは強烈だ。



そしてポール・アレンダー。
このアルバムの随所において、やはりC.O.Fを彷彿とさせる要素を強く感じる。
それは楽曲の中においても、ギター・フレーズにおいても。
しかしソレは当然と言えば当然、ここ10数年に渡り彼はC.O.Fでギターを弾き楽曲作りに関わってきたのだ。
ただC.O.F以上にモダンでヘヴィなサウンドは、ポール自身の持つ個性かと思われる。
おまけに現在もC.O.Fに在籍するマーティン・スカループカ(Dr)が、バンド結成時のメンバーであれば納得出来る。
あくまでもC.O.Fファンの私見だが、本作は『Thornography』に近いとも感じた。
せっかく自身のバンドなんだから、もっとギター・ソロがあっても良かったのでは?と思う。
本作のメインは「純白の女王」である事を踏まえると、ポールはギターを抑えたのかとも推測出来る。

個人的には本作を非常に気に入っている。
だが不満が無い訳ではない。
デビュー・アルバムとしては、上出来の完成度を誇っていると思う。
これだけのメンツが揃った強者集団、それが当然かもしれない。
ただアルバムのサウンド・プロダクションが、今一つ良くない。
いくらキャリアがあっても予算と時間が限られていたのは想像出来るが、このサウンド作りは粗い。
デビュー作として「勢い」を出す為の判断であるなら、残念ながらその判断は失敗だと思う。
こう言うサウンドは、もっとクリアーで粒立った繊細な音作りの方が絶対に合う。
せっかくのアイディアやムードを、粗いサウンドが潰してしまっていると感じる事があった。
コレは「次」に向けての改善ポイントだと思う。



ポールとメアリーが中心のバンド。
他のメンバーは自身にも他のバンドがあり、一時は「プロジェクト臭」がした。
しかし本格的にライヴ活動も開始され、このWHITE EMPRESSが単なるプロジェクトではない事を高らかに主張している。
PVを観る限り、さすがに強者集団なのでそのライヴも凄そうだ。
このまま順調に活動を継続させ、より巨大な「純白の女王」による帝国を築き上げて欲しい。
是非多くのメタル・ファンに聴いて欲しい、大型新人バンドの登場だと言いたい。
おススメです!!









再び訪れた12月
私の頭の中は神経症的な不安で満たされていく
漆黒に染まった思考から抜け出す事が出来なくなってしまう
そして自分自身の運命に疑問を抱き始める

「あの声」に奪われていけない
私自身が選択する道を…

超個人的最強メタル・シンガー十傑

2014-11-09 14:40:45 | 音楽
今更ながら僕はヘヴィ・メタルを愛しています。

もう細分化が進んでしまったメタル・シーンでありますが、僕は「雑食」系のメタル・ファンかと思います(苦笑)
正統派であれ、スラッシュであれ、デスであれ、ブラックであれ、プログレッシヴであれ。
どのジャンルも、気に入ったメタルを聴きます。
その中で、あくまでも僕が「凄い!」と思うシンガーを10人挙げてみました。
決して「最強」と言うのは僕の基準であり、10人に順位を付けている訳でありません。
では紹介して行きます…。


◯ステゥ・ブロック(ICED EARTH)



かつてINTO ETERNITYの頃より大好きなシンガーでした。
当時「デス声で唄えるキング・ダイアモンド」と称した事もあります。
ICED EARTHに加入した今も、彼のその「七色の歌声」は全く変わりません。
突き抜ける様な金属的なハイトーン、男臭くてパワフルながら繊細な中低音、そして野獣の如きグロウル。
歴代最強のシンガーと言われ、彼の存在がバンドにとって最大の“武器”であるのは事実。
バンドは新作の準備に入った様ですが、彼が一体どんな歌を聴かせてくれるか楽しみです。
そして、是非来日をしてください(祈)





◯ティム“リッパー”オーウェンズ



彼はある意味「悲劇のシンガー」とも言えます…。
JUDAS PRIEST、ICED EARTH、そしてイングヴェイ・マルムスティーンと言った華麗なキャリアを誇ります。
しかし、そのキャリアが恵まれていたか…と言うとそうではなかった様に感じます。
そのあまりある歌唱力と実力を誇りながら、フロントマンとして今一つ「華」に欠けていたのは痛かった(苦笑)
今も様々なプロジェクトやソロで活動を続けていますが、彼と言う希代のシンガーが似合うバンドが必要かと思います。
このまま、単なる「便利屋」になってしまうには惜しい逸材です。





◯ロブ・ロック



自ら「Voice Of Melodic Metal」と名乗る程の存在(笑)。
今、ソロ名義として活動を続けています。
でも言うても、この人はクリス・インペリテリ(G)と組んで一番輝く存在かと思います。
クリスの「あのギター」に一番合うのは、この方の強靭なハイトーンと力強い歌声であります。
何やら、また再びクリスと活動を始めた様なので今後の彼に注目です。
個人的には昔のDRIVERでデビューした頃から大好きです(笑)
もっと評価されても良いメタル・シンガーだと思います。





◯クリスチャン・アルヴェスタム(Solution .45)



SCAR SYMMETRYで彼の歌を初めて聴いた時、その時の衝撃は忘れられない。
もう既にデス・グロウルとクリーン・トーンへのチェンジは、何も珍しい事ではなかった。
しかし、ここまでグロウルとクリーンの落差の激しさとクリーン・トーンの歌の美しいさと巧さに魂消た。
魔獣の如き咆哮から、まるで水晶の如き澄み切った美しい歌声への豹変。
ツアー嫌いな様で、マイペースに活動中のクリスチャン。
ソロ・アルバムでは、サラッとA.O.R的なサウンドだったりと自由な活動を続けています。
そろそろメタル・シーンで、あの二重人格的なグロウル&クリーンの歌を聴かせて欲しいです。





◯ジョン・K(BIOMECHANICAL)



この人も今の多様化したシーンに対応した逸材。
超高音の金属的ハイトーン、吐き捨てる様なスクリームの使い分けが見事です。
傑作『Empire Of The world』を聴いた時、もう新しいメタルの「完成」を感じました。
『Cannibalised』をリリースした後、メンバー・チェンジによって活動が一気に停滞してしまいました。
この後、メンバーは揃った様ですがバンドとして動き出す気配は無し…。
ジョン先生は他のバンドへのゲスト参加がありますが、一体どうなっているんでしょう?!
先生、早くシーンに復活してください。




◯下山武徳(SABER TIGER)



日本が世界に誇る最強のメタル・シンガー。
その歌声は何処までも強靭ながらも、同時に繊細で聴く者の心を優しく包み込む。
一時期、独特の節回しに好き嫌いがハッキリしてしまう事もあった(苦笑)
しかし彼自身が様々なキャリアを経て、再びSABER TIGERとしてシーンに登場した時には違った。
単にパワフルなだけでなく、よりエモーショナルな声と歌唱になっていた。
この人もまた御大・木下氏と共に活動してこそ、その魅力を最大限に発揮出来るシンガーであります。




◯マーク・トーニロ(ACCEPT)



今、過去最大のブレイクを迎えているACCEPT。
その原動力となっているのは、間違いなくマーク・トーニロと言うシンガーを加入させたから。
あのウド・ダークシュナイダーの後任として、それにあまりある存在でもあります。
「ウドに似て非なる声」の持ち主であるマーク、その歌唱力はウドを圧倒的に凌駕するシンガーであるのも大きい。
今を生きるバンドとして活動を続けるACCEPT、それに血が吹き出る様な熱い魂の歌声のマークと言う逸材は外せない。
この魂の鋼鉄声は素晴しい!





◯デヴィッド・ボウアー(HELL)



HELLという「遅れてきた新人バンド」。
このバンドがアッと言う間に自分の中で、有数の愛すべきメタル・バンドになった。
その大きな要因は、間違いなくデヴィッド・ボウアーというシンガーがいたから。
元が舞台俳優だけあって、アプローチの仕方が所謂他のメタル・シンガーとは違う。
しかし、その声と歌唱は充分に鋼鉄という、妖しい呪術的な歌声の虜になってしまった。
またパフォーマンスも異形そのもの、是非一度生で観てみたいと思っています。





◯デイヴ“V.T.R.I.O.L”ハント(ANAAL NATHRAKH)



英国が誇る最狂のグラインド/ブラック・メタル・バンド ANAAL NATHRAKH。
そのバンドのシンガーであるデイヴ。
アルバムで聴けるのは、もう常人では理解出来ない狂人の様な喚き声と魔獣の如き咆哮。
そんな爆裂地獄のようなサウンドの洪水の中、突然朗々としたクリーン・トーンの見事な歌が聴ける。
アルバムのリリースを重ねる度に、この発狂サウンドとメロディの融合が重要なポイントとなっている。
その傾向がファンにとっては賛否の的だが、個人的にはその変化が嬉しくもあり大歓迎だ。
あとアルバムだけでなく、ライヴでもしっかり唄える人である事も大きい。





◯ロイ・カーン



この人の挙げるのは反則かもしれない(苦笑)
結局、一体何が起きたか判らぬまま「彼はもう歌う事をやめてしまった」と言われた。
しかし、近々ソロとして復活する準備を進めている様だ。
エロティックなまでに官能的でありながら、繊細ながらも力強くて美しい歌声。
そのナルシスティックなパフォーマンスを含めて、彼がどのような形でシーンに復帰するのか楽しみにしている。
ドラマチックなメタル・サウンドに、この「声」は見事に融合するのだから…。




ってな感じになりました。
今までブログで色んなシンガーを語って来ましたが、結局は自分の好きなバンドのシンガーばっかりです(自嘲)。
この人やあの人を挙げてないと言う思いもありますが、また何らかの機会で色んなシンガーを取り上げたいと思います。
改めてシンガーを見ると、自分が雑食系メタル・ファンだと思いました(笑)


LOUD PARK 14に行ってきました(Part-2)

2014-10-25 21:14:45 | 音楽
仕事の多忙さに撲殺されていました(苦笑)。

と言う訳で、遅くなりましたがLOUD PARK 14の2日目です!

前日の興奮と感動。
更にホテルに戻ってからも、日本シリーズ進出が決まった我らが阪神タイガースの祝勝会を独りでやってしまいました。
朝、起きても疲れが全く取れなくてコンディション的には良くない状態(自嘲)。
早々に会場に着くも、スタンドでまったり観戦モードに突入してしまいました。



2日目、一発目はARION。
猛烈な睡魔との戦いでした(苦笑)。
悪くないですが、コレってもんがない。
おまけにVoが「アメリカン・アイドルが罰ゲームでメタル・バンドでデビューした」と言う感じが払拭出来ない。
若いバンドです、今後の活躍に期待します。



続いてPERIPHERY。
個人的には嫌いなバンドではない(笑)。
良いバンドだと思いました。
今度しっかり聴いてみたいと思いました。
ラストに演った曲、凄くカッコ良かった。



そしてGLAMOUR OF THE KILL。
2日目、午前中のハイライトは間違いなく彼らでした。
個人的には、彼らみたいな若いバンドがこのフェスにくるべきだと思ってました。
かなりの強行スケジュールでの出演だったみたいですが、素晴しいライヴでした。
何と言っても楽曲が良い、そしてVoの瑞々しいカリスマ性が良い。
前日のBATTLE BEASTではないですが、今後日本でも大きくブレイクする可能性を感じました。
Voはベースを兼任するのではなく、歌だけに専念した方が良いとも思いました。



the GazettEとなる訳ですが…。
気の毒な話ですが、一気に会場から観客が消える(没)。
皆さん、ランチタイムと決め込んでいた様です。
かく言う僕もそうです(苦笑)。
ヨメは物販とお友達に会いに行ったので、ハラミ丼を喰ってアリーナへ。
ランチ喰った後にアリーナに戻ると、あまりのガラガラさに驚きました。
本人達も「何故自分達が呼ばれたのか?」的なMCをしてましたが、本当に気の毒でした。
バンドとバンドのファンは盛り上がってましたが、あの醒めきった空気はアリーナで観ていて辛かった。
これはバンドに罪は無い…。
彼らを呼んだ主催者側の責任だと思う。
主催者側は、もっと慎重に日本のバンドを選んで欲しいと痛感しました。



色々思う事がありながら、次のBELPHEGORに向けて待機。
ステージに髑髏やら、オブジェ状態の異様な骨のマイク・スタンドが並び禍々しい雰囲気が漂う。
さっきまでの醒めた空気と違い、アリーナにはファンが埋まりファンからのリアクションも激しい。
はい、個人的にどストライクのバンドでした(笑)。
僕のLOUD PARK 14、2日目はこの瞬間からスタートしたと言っても過言ではないです(爆)。



カッコ良い!
音楽的にはBEHEMOTH辺りに通じる、ブラック&ブルータル・デス。
ゴリゴリと叩き付けるようなパフォーマンスが、実に心地良い。
Vo兼G氏は強面ながらも「ラウド・パ~ク!」と絶叫したり、重低音で「センキュウ~!!」と言ったりしてました。
MCではハッキリと言いませんでしたが、来日出来た事が嬉しいって事は良く判りました。
さっきまでの空気が嘘みたいに、会場全体にスイッチが入ったのが判りました。
このBELPHEGORの登場をキッカケにして、LOUD PARK 14は凄まじい展開を迎える事になります。



次に登場したのはTHUNDER。
ついさっきまでの異形で禍々しい空気が、一瞬にしてハッピーなロック・パーティーに変貌する。
こんな力業が出来るのが、他でもなくTHUNDERと言うバンドのベテランだからこそ出来る訳です。
若いメタル・ファンでも、このノリと勢いには身を任せるしかなかったと思う。
いきなり名曲“Dirty Love”ってのも反則と言えば反則(笑)。
でもカッコ良いし、何よりも楽しい!



しかし歌が巧いって事は素晴しいのだと実感。
ダニー・ボウズは歌が巧いってだけでなく、観客を見事に掌握してしまうフロント・マンぶりはさすがとしか言えない。
この日ファンの方々曰く「ダニーが珍しく不調」と言っていたが、アレで不調だったら多くのシンガーは…(以下自粛:汗)。
あれだけ唄い、観客を煽り、何より自身やバンドが楽しんでいるって雰囲気が最高。
この「ポジティヴ」はオーラは他のバンドでは出せない。
百戦錬磨のメンバーが揃っているからこそ、この見事なまでのパフォーマンスなのだと思う。
色んなバンドが観れるって事が、このLOUD PARKと言うバンドの醍醐味だと実感しました。



そんなハッピーな空気の中、次に登場したのはTHE HAUNTED。
またまたハッピーなロック・パーティーから、一気に怒濤のスラッシュ・メタルに突入する。
先に言ってしまうが今年のLOUD PARK 14、個人的にBEST ACTは他でもなく彼らだと言っても良い。
もう死ぬ程カッコ良かった!
ベイエリア・スラッシュとは異なる、北欧らしいデス・メタル風味のメロディアスなスラッシュ・サウンドが堪らない!!
最初から熱狂的なリアクションだったが、徐々に他の観客を巻き込み大きな唸りになっていく様は凄まじかった。
良い楽曲、バンドの熱く鉄壁のようなパフォーマンスもある。
しかし、この日に“特別な何か”になっていたのは他でもなくVoのマルコ・アロの存在が大きい。



いきなり出てきて流血、観ていて「お前はブッチャーか?」と突っ込みました(嗚呼、昭和世代:苦笑)。
そんな彼のアグレッシヴながら、ハード・コアなパフォーマンスが多くの観客の心を掴んだのも事実。
でも、そんなマルコは今にも噛み付きそうな勢いでスクリームしまくる。
スクリームしながらでも、実はしっかり「唄っている事」が大きなポイントだったかと思う。
来日経験が多い筈なのに、感極まって「俺のこれまでのキャリアで今最高の瞬間だ!」と語りかけたり。
「これで最後だ!」と言ったかと思ったら、他のメンバーから耳打ちされて「あと2曲演るぜ!!」と言い直したり。
ラストはステージからアリーナの降り、ファンと熱い交流。
しかしライヴは終わっているので、メンバーで記念撮影するがステージに戻る気配が無い(笑)。
メンバーやスタッフから呼ばれてステージに戻るも、その「あらよって」と言う感じが何ともラブリーでした。
非常に良いキャラクターの持ち主であり、素晴しいメタル・シンガーだと思いました。



バカウケした後にRIOTが登場。
復活作となった最新作は素晴しい作品でした。
ある種異様な興奮した空気の中、ステージに故マーク・リアリ(G)の姿が映った瞬間に空気が変わりました。
正直に言うと機材トラブルがあったり、選曲が今一つだったと言う印象はあります。
でも、それでも凄いライヴだったと言えるのはRIOTと言うバンドが本当に良い楽曲を持っている事。
その良い楽曲を見事に歌い上げる、トッド・マイケル・クリートと言うシンガーの存在があった事が大きいです。



演るべき曲が多いので、観客とのコミュニケーションはまだ足りなかったと言う感じはします。
ただシンガーとしての力量は桁外れで、歴代シンガーの楽曲を見事に歌い上げるのは凄まじいとしか言えない。
特にRIOTと言うバンドにとって、良くも悪くもトニー・ムーアと言う存在は大きい。
その彼の全盛期を彷彿とさせる彼の見事なまでのハイトーンは圧巻としか言えない。
今、当のトニーもオリジナルの様に唄えないかもしれないから…。
ラスト、名曲“Thundersteel”によって、もう全てはチャラになったと言っても良いだろう。
素晴しかった。
余談ながら、コーラスとして帯同していた女性シンガーもルックスと見事な歌唱も含めて良かった。
このメンツでフル・ショウが観たいと思った。



さすがに疲れたのでスタンド席に移動。
間髪入れず、ステージにはDEATH ANGELが登場する。
もう昔から知っているバンドだと思っていたが…。
アレ? こんなにカッコ良いバンドでしたか?!(苦笑)
先のTHE HAUNTEDと同じく、彼らも今年のBEST ACTの一つです。
見事なパフォーマンスに釘付けになる。
当然アリーナはバンドの熱く激しいパフォーマンスに呼応し、凄まじい盛り上がりになっている。
はい、スタンドで首を振りまくってました。



所謂スラッシュ系とは違い、この「ロック・スター」然とした華のある空気が最高。
フロントにいるメンバー全員、ルックスとガタイも良い事もある。
個人的に観ていて一番印象的だったのは、他でもないマーク・オセヴエダ(Vo)。
あんなキツい酒をボトルでラッパ飲みしながら、あのハイトーン&スクリーム系の歌を聴かせる。
マイク・スタンドやステージ・アクション、メタル・シンガーとはかく在るべきとも言えるクールなパフォーマンス。
今年は某バンドの事もあってMC問題が話題となっているが、実に判り易い言葉を選びながら観客に語りかける姿も印象的だった。
マークは今までの日本のファンからのサポートがあってこそ、今自分達のキャリアがあると感謝の想いを語っていた。
思わずジ~ンとなる瞬間だと思う。
とにかく全てがカッコ良かった!!



メタルらしいメタル・バンドの熱~いパフォーマンスの後、WITHIN TEMPTATIONが登場。
またまた一瞬にして空気が変貌する。
とにかくシャロン・デン・アデルの「歌」の見事さに圧倒される。
あの美貌と歌唱力と、白銀のファンタジックな衣装。
ヨメは「白い妖精」と絶賛していたが、人妻で子持ちやでと言うとマジで驚いていた(笑)
確かに今、目の前にいる「歌姫」がそんな人とは思えない。
その佇まいは歌唱力もあって、確かに人間離れした雰囲気が漂っている。



その衣装や、独特なステップはやや確かにアイドルっぽい。
しかし、あんな超絶歌唱は他では絶対に聴く事は出来ない。
楽曲の多くでコーラス・パートで、同期音源が多用されていたのは少し残念だった。
そんな指摘は野暮な事であると思い知らされる、このバンドの持つ楽曲の良さとシャロンの歌の巧さの前には何も言えない。
てっきりラストは“What Have You Done”かと思ったが違ったのは意外でした。



歌姫降臨による魅惑から、また一転。
今度はジャーマン・スラッシュの帝王であるKREATORがステージに登場。
いきなり熱狂的なリアクションの中、これまた凄まじいパフォーマンスが繰り広げられる。
僕はどちらかと言うとベイエリアよりも、ヨーロピアン・スラッシュにハマっていたタイプ。
当然、彼らのサウンドは当時から聴いていた。
そして昨年リリースされた新作も素晴しい傑作だったと思う。
初めて観るKREATORの姿に感動してしまう。



ミレ・ペトロッツア(Vo&G)の神々しいまでの存在感に限る。
バンドのパフォーマンス、選曲も良かった。
それに呼応する様に、ファンのリアクションも凄まじいモノがあった。
一部のファンからはKREATORの出演順に批判があった様だが、この熱狂的なファンのリアクションを観れば充分に判る筈だ。
かつて音楽的に方向性を迷走する事があったが、やはり彼らはこのスタイルが一番良いと実感した。
その邪悪さとスピードが、今多くのブラック&デス・メタル・バンドに与えた影響は計り知れない。
終盤、巨大なサークル・ピットが出来る中で咆哮を上げるミレの姿は正に邪教の教祖のようだった。
ラスト、超名曲“Pleasure to Kill”が演奏された。
その時、号泣する女性ファンがスクリーンに映った。
その気持ちは痛い程に判った、もう全てがサイコーで素晴しいライヴだった。



そして大トリのDREAM THEATERが登場。
それと同時に、ヘッドライナーが「フル・ステージ」を持って来ると言う意味を痛感する(自虐)
正直に言うと、もうかなり体力的に限界に来ていたのは事実…。
「プログレッシヴ・メタル」と言えば聞こえは良いが、彼らの持つ“変態性”が牙を剥いて襲いかかって来る。
超絶技巧派によるメタル・サウンド、もう常人には理解出来ない領域に到達しつつある。



ただ、そのパフォーマンスの前に圧倒されるしかなかった。
超絶技巧派も、あるレベルを越えてしまうとデス・メタル以上の攻撃性を持って聴く側に迫る事実を痛感する。
アルバムを一杯持っていても、何故か今まで彼らのライヴを観た事が無かった。
この日、初めての彼らの前のその強烈なインパクトの前に言葉を失ってしまった。
あんな中で、ジェイムズ・ラブリエは良く唄えるものだと心から思った(彼も超個性派シンガーだが:苦笑)。
ラスト、まさかの“Pull Me Under”に魂消る。
このバンドの持つ異形さと変態性は、本当に恐ろしいと実感した。
そして、今年のLOUD PARK 14も終わりを迎えた。
妙にあっさりしたラストだったので、やや拍子抜けした感もあるが…アレ以上こってり演られていたら感動も興奮もなかったかも?!



とにかく夢のような2日間だった。
特に今年は2日目のラインナップの持つ凄さに徹底的に粉砕されたと言える。
とにかく凄まじかったとしか言えない。
この興奮と感動は、他では絶対に味わえないものだと思う。
そんな中だが、敢えてファンとして苦言も呈しておきたい。
やはり2年連続ヘッドライナーのキャンセル(2年連続同じ理由)は、どんな事情であってもはいけない事だと思う。
今回は単独公演になったとは言え、LOUD PARKは全国からメタル・ファンが集うフェスティバル。
主催者側はその事を踏まえて、払い戻しを含めて真摯に対応すべきだ。
あと「音の問題」。
昨年のような極悪爆音地獄は多少改善されたが、音が切れると言う事は絶対に起きては行けない筈では?
それが今年あのDREAM THEATERのライヴ中にも数回起きた、こんな事が起きない為にしっかり対応して欲しい。



これは毎回言っているが「物販」。
何故よりによって会場の奥にある、あの場所なのだろう?
別に会場前に特設物販コーナーを設置しても、何の問題も無いのでは?
あと今年目立ったのは「自由席の席取り」。
自由席と指定席の区別も曖昧だったが、Tシャツやタオルで座席を終日確保する行為は良くないと思う。
欧米だったら盗難に遭っているでしょ?
ファン側のマナーも問題もあるが、主催者側でもしっかりと管理して欲しい。



文句も一杯言ったが、メタル・ファンとして最高に楽しい瞬間を味わえるフェスであるのも事実。
全国から集まるメタル・ファンの為に、メタル・フェスとして恥ずかしくないものにして欲しい。
来年、遂に記念すべき10周年を迎える。
より素晴しいメタル・フェスになる事を今から願っています。

へヴィ・メタル、最高!!

LOUD PARK 14に行ってきました(Part-1)

2014-10-20 18:29:08 | 音楽
ってな訳で今年も「LOUD PARK 14」に行ってきました!

昨年は例の「キング事件」を引き摺り(苦笑)、雨の中の参戦となった訳ですが…。
しかし、今年はスカッと晴れた気持ちの良い天気の中での参戦となりました。



入場して、まず驚いたのは…。
初日はドリンク券が無料だった事と、ポカリスエットの無料配布があった事。
コレってMANOWARキャンセルに関係してるんですかね?
何はともあれ、コレは結果的に非常に助かりました(笑)。
ドリンク券よりも、ポカリは本当に水分補給と言う意味では良かったです。
会場入りがギリギリになったので、物販は諦めて早速アリーナへ。
初日の一発目、BATTLE BEAST。



いや~アタマから凄まじいモノを観たって感じです。
アルバムで聴く以上に、ライヴで観た方が何百倍も良いと言う噂は聞いてました。
しかし、ここまで凄いとは?!
いきなり会場のテンションはMAXに到達させるような、燃え上がるような熱いステージでした。
何と言ってもVoのノーラ嬢。
そのルックスや、その声と歌唱力といい、物凄いインパクト。
前任者も凄かったけど、このバンドの原動力になっているのは間違いなくノーラ嬢。



結構小柄で、実はメイクを取ると可愛いお嬢さんなのですが。
ステージ上のノーラ嬢は、正にバンド名に相応しい鋼鉄の魔獣でした。
あと他のメンバーもルックスも良く、ステージ・アクションのキレがあってカッコ良い。
何と言っても常に笑顔で、その「楽しい!」という空気を発散させる雰囲気も最高。
勿論、演奏能力も非常に高いのもポイント。
音楽的には日本人が大好きな正統派へヴィ・メタルなので、この公演できっと多くのファンの存在を知らしめる事が出来た筈。
次は是非単独で来日して欲しいです。



そして次がMARTY FRIEDMAN。
この日のマーティさんは、良くTVやラジオで出ている「タレント」としてのマーティさんではなかった。
「ロック・スター」としてのマーティとして、華々しくステージに登場(MCも英語やし:笑)。
しかし次のVANDENBERG’S MOONKINGSを観る為に、最前列に張り付いていたので良く観れなかった(苦笑)。
あとインストばっかりだったのも…正直退屈だった。
変わらぬ超絶技巧の連続だったが、先にBATTLE BEASTを観てるので印象は薄くなってしまったと言うのが本音。
新しいソロ・アルバムは素晴しかったので期待していましたが、ちょっと残念でした。



続いてVANDENBERG’S MOONKINGS。
コレが実に素晴しかった!
これだけの確かな腕をもったミュージシャンの集団である彼ら、充分に「聴かせる」ステージを展開してくれた。
Voのヤン・ホーフィングはややスロー・スターターの様で、序盤は少し声が出ていなかった。
喉が温まった中盤からは、アルバムで聴けた艶と張りがある歌声が聴けました。
Bのセム・クリストフェルくんの超イケメンぶりも、凄かったです(笑)。
何よりバンド内の状態が非常に良い事が判る、ポジティヴなパワーにも溢れていました。



そしてエイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)。
そのギターは、やっぱり何かを持っていた。
コレが少し前まで、音楽の世界からほぼ「引退」状態だった人だろうか?と思った。
やっぱり“天賦の才”がある人は違う。
後半はVANDENBERGやWHITESNAKEのカヴァーが何曲も演奏された。
それも嬉しかったが、個人的にはオリジナル・ナンバーをもっと聴きたかったのが本音。
コレばっかりは仕方ないのかも…。
あとヤンはカヴァデール型と言われるが、シンガーとしてはプラント型のシンガーなのだと実感。
この人も「逸材」だと思いました。



ヨメは物販へ。
僕はそのまま「日本の誇り」である、我らがLOUDNESSを観ました。
当然の事ながら、やっぱり凄かった!
選曲もガンガン攻めるタイプ中心ながら、その中で“Never Change Your Mind”が聴けたのは嬉しい誤算でした。
横のステージで、サウンド・チェック中だったSOILWORKから音が漏れ。
MC中だったのでムッとした二井原師匠(Vo)でしたが、すぐソレをネタにしてしまう巧みさはさすがです。
そして変わらぬ歌とシャウトも実に心地良い。



何はともあれ、やっぱり「世界の高崎晃」は凄まじかった!
超絶技巧だけでなく、そして美しく繊細なギター・トーン。
この人のギターが、今も世界にとって充分衝撃的である事を実感しました。
本当に、日本が世界に誇れるギター・ヒーローであります。
高崎氏だけが凄いのではなく、彼に負けない超個性派かつ実力を持ったメンバーが集まったのがLOUDNESSと言うバンドです。
後半の“Crazy Night”と“Crazy Doctor”の二連発はエグかった。
いや~ホンマにクレイジーでした(笑)。



その後、「昼飯タイム」に突入。
ここ数年オフィシャル・バーで一番可愛いと言われる続けている、この方にビールを頂きました(笑)。
はい、とっても可愛かったです。
タイ・ラーメンを食い、買ったグッズを持ってクロークに移動。
この物販とクロークの場所、依然として改善されませんね。
せっかくBゲートなんだから、そのままクロークに行かせてくれた良いのに。
また会場を半分以上移動して、外のクロークに行く…無意味です。
だって2日目、オフィシャル・グッズを売り切る為にBゲートを開放したでしょ?(苦笑)
無駄に時間が掛かるだけ、ホンマに改善して欲しい。
と言う訳でSOILWORKは観てません。
ネットの評判では、かなり悪かったようですが…果たして?!
会場に戻ると、AMARANTHEが始まりました。



やっぱり良いバンドです。
良い楽曲、良いプレイ、それだけで観客は盛り上がります。
特に、彼らの様に良い楽曲を一杯持ったバンドは強い。
バンドとしての一体感も強く、それはパフォーマンスにも強く反映されていました。
正直、最初は「シンガーが3人って?」と思いました。
ただアルバムで聴く以上に、各シンガーの持つ役割はしっかりとしており意味も明確です。



ただ、やはりこのバンドの主役はエリーゼ。
彼女の声と歌唱、そして華やかで健康的なセクシーさを振りまくアクション。
全ては彼女と言う「ヒロイン」の為にある、そう言っても過言ではないかと思います。
生で聴く名曲“Amaranthine”は、アルバムで聴く以上にドラマチックで感動的でした。
ただパフォーマンス的にあまりに華やか過ぎて、下手すればポップ・バンドのソレになる危険性も孕んでいます。
ソレをしっかりとメタルにしているのは、グロウル担当のヘンリックであり。
バンドの創始者であり、ソングライターであるアンディのメタリックかつ流麗なギターだったかと思います。
非常にプロフェッショナルなライヴであり、素晴しいと思いました。
やっぱり良い楽曲を持っているバンドは強い!…そう心から思いました。



そして一転して次はDOWN。
さっきまでのキラキラした華やかさと違い、土臭くて男臭い暗く重苦しいサウンドの彼ら。
計算されたものは何もなく、原始的にロックの持つ衝動性を観る側に叩き付けて来る。
この見事なギャップもフェスならでは。
厳つい男達が、不器用に音楽を叩き付けて来る。



そんなサウンドの中心にいるのが、他でもなくフィッリプ・アンセルモ(Vo)。
よりむさ苦しく、男臭い雰囲気と貫禄が増した様だ(笑)。
もう「かつて」のように歌うのは難しい様だが、今もその声は魅力的だと言える。
シンガーとして「特別な何か」を持つ存在であり、今もそれは変わりない。
無愛想にサウンドを叩き付けて来るだけでなく、終盤は妙にユルくアット・ホームな空気だったのも印象的だった。



そのアット・ホームな空気を受け継いでRAGEが登場。
RAGEが日本に来るのって、実は凄~く久しぶりなのでは?!
かの「ジャーマン・メタル」ブームの時、その先駆者としてアルバムを出せば絶対に来日していたのに。
アルバム(それも国内盤)はしっかりリリースされ続けているから、安定したファン層を確立・獲得しているのも事実。
とは言え、僕もRAGEを観るのは今回が初めて(微笑)。
次々と演奏される代表曲の数々に、テンションはどんどん上がっていく。



たった3人のトリオ編成ながら、あのブ厚いサウンドはさすがと言える。
この辺りはヴィクターの貢献が大きいと思う。
先の高崎氏といい、このヴィクターといい、続けて凄いギター・プレイを堪能出来たのも嬉しい。
そしてピーヴィ(vo&B)の存在。
観客を「フレンド」と呼び、ちゃんと「サイタマ!」と会場を呼ぶかける彼。
彼のそんな優しい人柄が反映されたのか、この日最大の盛り上がりをみせたかと思う。
名曲“Higher Than the Sky”の大合唱は、あの会場にいたメタル・ファンにとって感動的なシーンとして語り継がれるかと思う。
この日、一番良かったのは間違いなく彼らだったと思います。



いよいよLOUD PARK 14もクライマックス。
大歓声の中、DRAGONFORCEが登場!
颯爽とステージにメンバーが登場し、新作から“Defenders”でスタート!!
Voのマークくんの登場で、その歓声は更に高まる。
マークくん、より精悍になって非常にカッコ良くステージに登場するも…何か様子がおかしい?!
しきりに耳や腰に手を回している、明らかにPAの調子が悪い事が判った。
それでも必死に唄い、以前よりも強烈なハイトーンのスクリームを決める。
アタマの2~3曲で何とか戻ったのか、マークくんは歌に集中出来るようになる。



このマークくんと言うシンガーは、本当にバンドにとって「逸材」。
ルックスの良さも歌唱力もあるが、その親しみ易いフロント・マンとしての成長が著しい。
前回は加入して間もなく初々しい雰囲気だったが、今はクールなメタル・シンガーらしい佇まいが良い。
あとカンペで「憶えたての日本語」といい、日本語でMCをとったり肝心な所で間違ったりと愛嬌もあって良い。
それが許されるのも、シンガーとしての実力とマークくんのキャラとしてファンに定着している証拠だろう。
更に機材の不調が他のメンバーに起きても、それをカバー出来るまでに彼は成長していた。
最初は笑顔だったハーマンが徐々に険しい表情になり、この日のライヴは彼にとっては不本意だったかもしれない。
ただバンドとして機材の不調に遭いながらも、「魅せる・聴かせる」パフォーマンスが出来ていた事は大きいのでは?!
不本意だったかもしれないが、その無念さ来年以降の単独公演を実現させて晴らして欲しいとファンとして思った。



遂に、この日のヘッドライナーであるARCH ENEMYが登場。
昨年のイングヴェイと同じく、トリのキャンセルによって「タナボタ」式に昇格とは今年は違う。
確かにMANOWARのキャンセルは痛かった。
しかし、それに対応出来たのも日本で圧倒的な支持と人気を誇るARCH ENEMYと言う存在だったからでは?
おまけに今の彼らは、今までの彼らとは違う。
今やメタル・シーンにおいて世界的にもアイコンとなったアンジェラが抜け、アリッサを迎えた新体制。
マイケル・アモットは自嘲的に「Mr.LOUD PARK」と言うが、今回はかなり事情が違う。
彼らにとっても大きなリスクだっただろうし、当のアリッサにとっても絶大なプレッシャーだったかと思う。
バンド側も、アリッサ自身も、相当の思いでこのステージに上がった筈だ。



結論から言えば、充分すぎる程にヘッドライナーの大役を果たしたと思う。
最後まで多くの観客が帰らず残っていたのは、今のARCH ENEMYを観てみたいと言う興味も多かった。
それにメタル・ファンとして、この日は何か特別な一体感がステージからも観る側にもあった様に感じる。
その中で、ARCH ENEMYは素晴しいステージを魅せてくれた。
アリッサは歌唱力ではアンジェラを遥かに凌駕するモノを持っているが、パフォーマンスにおいてアンジェラを意識し過ぎていると感じた。
彼女のように振る舞わなくても良いのだ、アリッサはアリッサらしく歌いパフォーマンスすれば良い。
観ていて最も印象的だったのも、アグレッシヴなアクションや強面のMCではない。
大歓声やファンの歌声を聴いて、自然にこぼれるアリッサの「素」の無邪気な笑顔であり、女性らしい仕草だった。
そのままのアリッサで良い、それでARCH ENEMYと言うバンドは新境地を更に開く事が出来たのだから。
ラスト、大歓声に応え輝くような笑顔を振りまいたアリッサこそLOUD PARKというフェスが無事に成功した証拠だったかと思う。
あと同じく新加入ながらも取り上げられない、ニック・コードル(G)も素晴しかったと思います(笑)。

そしてLOUD PARK 14、その初日は終わりを告げた。
もう興奮と感動を抱えたままホテルに戻って、自分がメタル・ファンである事の喜びを噛みしめた。
しかし、今年のLOUD PARK 14。
2日目は、初日をはるかに越える興奮と感動が自分を襲うとは夢にも思っていなかっです…。

(LOUD PARK 14 Part-2に続く!!)


行くぞ! LOUD PARK 14 !!

2014-10-17 20:58:36 | 音楽
LOUD PARK 14。

明日、開幕となりました !!

まぁ~色々思う事はありましたが(苦笑)、コレが日本最大の「メタルの祭典」であるのは事実。
2日券チケット、買っています。
参戦する限りは、2日間タップリとメタルを堪能します。
もう滅茶苦茶楽しもう!と心に誓っています。

いいバンドを観て、美味いビールを飲む!
絶対に楽しまないと損します!!

また感想は後日、このブログでコッテリとUPしたいと思います(笑)。

昨年の様な「伝説」は生まれるのか?!
それともメタル・ファンである事を心から感動する様なショウを観れるのか?!

全国のメタル・ファンの皆さん。
明日、埼玉スーパー・アリーナで会いましょう!!


LOUD PARK 14、そしてクリマンよ…。

2014-10-11 14:10:06 | 音楽
LOUD PARK 14。

初日のヘッドライナーである、MANOWARがキャンセルしました。
2年続けて、ヘッドライナーがキャンセルすると言う異様な状況です。
ただ昨年と違うのが、MANOWARは振り替え公演で単独公演をする予定になってますが…。

今年のLOUD PARK 14。
当初、ラインナップが発表になった時点で「神フェス」になるのでは?!と言われました。
今年も2日チケットを購入したのは、当然MANOWARが観れると言うのが大きな要因でした。
ただ心の何処かで「ホンマに来るのか?」と言う、疑念がずっとあったのも事実です。
まぁ~昨年の出来事がそれだけ自分の中で“トラウマ”になっているって事でしょう(自嘲)。
そして、その疑念は残念ながらこう言う結果になりました。



最終ラインナップの発表。
そして2年続けて、ヘッドライナーがキャンセルすると言う非常事態。
プロモーターであるクリマン側に、正直色々思う事が一杯あります。
ぶっちゃけた事を言うと、もう以前からクリマンには相当ネガティヴな印象を持っていたのは事実です(苦笑)。
2年続けて、こんな事態を招いた事をどう思っているのか?
メタル・ファンを舐めているのか?!
やっぱり昨年の「大失態」から、何も学んでいないと言う事でしょ。
あんな事があったんだから、普通トリの機材輸送は「船便」は回避するでしょう!?
ギャラの関係もあるのかもしれないけど、バンド側には罪は無いと思う。
この日の為に、全国のメタル・ファンは会場に駆けつける訳です。
単独で振り替え公演をするからと言って、ソレをどれだけのファンが観れるのでしょうか?
結局、ファンが辛い想いをするだけですわ…。
クリマンと言うプロモーターに、ファンとしての不信感を強まるばかりです。



ただ今年のLOUD PARKが魅力的でないかと言うと…そうでは無い(笑)。
あくまでも妥協策ですが、大好きなARCH ENEMYが初のトリを飾る事になったのは嬉しい。
結果として、アリッサを迎えたARCH ENEMYのフル・セットが観れる形となった。
ただ非常事態である事には変わりない、クリマン側にはあとひと頑張りして欲しい。
反則気味で、無理を承知を上での提案。
アンジェラ・ゴッソウがマネージャーとして帯同してる訳だから、1曲だけでも歌ってくれないかとオファーしたら?(笑)。
きっとアンジェラは「No」と言うだろうけど、それ位のオファーをしても良いのでは?



何だかんだ言っても、今年はラインナップが魅力的な事実は変わりないです。
観たいバンドは沢山あります。
日本のメタル・ファンにとって、一年に一度の「お祭り」である事実は変わりないです。
ネガティヴな感情はありますが、参戦する限りは絶対に楽しもうと心に誓っています。
行かないと、昨年のイングヴェイのような「伝説の目撃者」にはなれない訳です。
また朝4時起きで埼玉に駆けつけます。
ただクリマン側には、当日運営面でファンが嫌な思いをする様な事は絶対にしないで欲しい。
物販や会場の観客誘導等、毎年改善すべきだと思う要素がありました。
今からでも、そう言った要素をしっかりと見直して欲しいと願っています。

The Singularity (Phase I: Neohumanity)/SCAR SYMMETRY

2014-10-05 12:34:27 | 音楽
SCAR SYMMETRY。
通算6枚目となる、最新作『The Singularity (Phase I: Neohumanity)』を聴いた。

これまで紆余曲折を経て来た彼ら。
本作の製作前に、バンドの創始者でありソングライターであるヨナス・キュルグレン(G)が脱退。
これはバンドにとって大きなショックだったが、残されたメンバーは後任を迎える事なく活動の継続を決意した。
色んな意味で仕切り直し、心機一転の再スタートを飾るのが本作『The Singularity (Phase I: Neohumanity)』。
ソレが再び新たなスタートを切ったバンドの熱意を感じる、素晴しいアルバムに仕上がっている。



これまでSCAR SYMMETRYは、アルバムごとに何らかのテーマを持って来た。
しかし、本作はバンドにとって初のトータル・コンセプト・アルバム。
おまけに3部作に渡る壮大な物語の、本作は「はじまり」とも言える“第1部”でもある。
今後も続く「The Singularity」のテーマは?
高度に進化した人工知能、そしてハイブリット&ミュータント化した人類の壮絶な抗争を描く一大SF叙事詩。
このSF的テーマは、本作において音楽的影響が非常に強い。
以前よりプログレッシヴな要素は強かったが、本作では更にプログレッシヴな要素は強まった。
あと音作りやKeyの効果的な使い方は、ある意味SF映画のサントラっぽくもある。
そして本作の最大の特徴と言えるのが、今まで以上に「歌」を全面に打ち出した楽曲がメインである事かと思う。



かのクリスチャン・アルヴェスタム脱退後。
SCAR SYMMETRYは、クリーン・トーンとグロウル担当のツインVo体制となった。
クリーン・トーン担当のラーズ・パームクヴィスト。
そしてグロウル担当のロバート・カールソン。
2人の卓越したシンガーの存在とバランスによって、楽曲やメロディは多彩になった。
しかし、本作では今まで以上にクリーンVoの比重が大きい。
それによって実にメロディアスで、かつてない程にキャッチーで聴き易い楽曲が揃っている。



特にクリーン・パート担当するラーズの、シンガーとしての成長は著しい。
グロウルに関して、ロバートは前任者に全く劣るとは思わなかった。
ただ正直に言うとクリーン・パートに関して、ラーズは前任者に似た声質と歌唱だが表現力ではやや劣っていると感じた。
しかし、これまでの活動がラーズのシンガーとしての力量を強化している。
力強くも、やや甘くも透明感と張りが合って艶ややかな歌声が何とも実に心地良い。
もはや前任者をも凌駕する、見事な歌を聴かせてくれている。
そんなラーズの「歌」とメロディが全面に出る事が、本作が素晴しい作品になる事につながっている。
本作は彼の「歌」によって語られる、ここまでクリーン・パートがメインのアルバムは無かった。



そうなってくると、グロウル担当のロバートが目立たないかと言うと…それは否だ(笑)。
実に「ここ!」と言う絶妙のタイミングで、あの魔獣の如き咆哮を聴かせてくれる。
コレが非常にカッコ良い!
単にプログレッシヴ・メタルではなく、彼らがブルータルな側面も持つデス・メタル・バンドである事を主張してくる。
今のSCAR SYMMETRYは、ラーズとロバートと言う2人のシンガーが居て成立する事が良く判る。
3部作の「第1部」である本作、次は思いっきりブルータルな作風になる可能性も高い。
そうなってくると、このラーズとロバートの「歌」のバランスも変わって来る。
早くも「Phase II」が楽しみになってくる。



あと、やはりペル・ニルソン(G)。
盟友ヨナスの脱退によって、本作ではシングル・ギターとなった。
おまけに彼が今、このバンドのメイン・ソングライターでもある。
かつてヨナスから、自分とは異なり「ジャズ/フュージョン寄り」と言われたギター・プレイ。
ヨナスが居なくなった事によって、以前よりもその超絶技巧によるギター・プレイが炸裂している。
SCAR SYMMETRYと言うバンドに賭ける、ペルの意気込みを感じる。

新編成による再スタートとなった本作。
しかし、この『The Singularity (Phase I: Neohumanity)』はバンドにとって新たな傑作となった。
メロディアスであり、プログレッシヴであり、そしてアグレッシヴである。
それがSCAR SYMMETRYと言うバンドである事を、新たに宣言するかの様に聴く側を高揚させる。
今まで彼らを聴いた事が無い方も、是非本作から聴いてみて欲しい。
超おススメです。







来るべき時代
新たなるディストピア誕生の予兆を目撃せよ
ソレは辺境から襲撃してくる
最初にそれを告げた預言は無視されてしまった


猟奇的な奴らの帰還

2014-09-28 17:18:16 | 音楽
SLIPKNOT。

その“バンド”として、6年ぶりとなる5枚目のスタジオ・アルバム。
『5: The Gray Chapter』が完成し、日本では10月15日にリリースされる。



新しいバンドのヴィジュアルも公開され、アルバムからの新曲もネットにUPされている。
最新PV“Devil In I”では、新しいメンバーも明らかになっている。
そのPVの内容も、非常に残虐かつ猟奇的な内容に仕上がっている。
色んな事が起きたとは言え、彼らが決して日和った訳でなく今も非常に「攻めの姿勢」である事が判る。



しかし…何かスッキリしないのは何故だろう?
新しいヴィジュアルも、最もグロくて文句無しでカッコ良い。
新曲もSLIPKNOT以外の何者でもない、非常にクールな楽曲だと思う。
ただ以前のように、ソレを素直にファンとして自分の中で消化する事が出来ない…。
何故だろう?



ポール・グレイ急逝した後、残されたメンバーはバンドを存続させる事を決意した。
だが、その後に起きた様々な“出来事”によってファンとして自分の中で彼らに対する思いに変化が生まれたのかもしれない。
あと未だ非常に不透明のままである、バンドとジョーイ・ジョーディソン (Dr)との関係も何も語られていない。
本来は心から祝福すべき、彼らの再出発の筈なのだが…。
そう、SLIPKNOTがシーンに帰還を果たす事をファンとして心から喜びたいのだが…。
心の中に、今も「何か」が引っ掛かったままなのが本音。
まだ彼らを語るべき事を語ってはいない、コリー・テイラーは「時が来れば必要な事は全て明らかにする」と言った。
この『5: The Gray Chapter』をリリースするタイミングこそ、全てを明らかにする絶好のタイミングだと思う。
そして、この『5: The Gray Chapter』が全てを木っ端微塵に叩き潰してくれるアルバムであるのをファンとして願っています。