ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Forever Chaos/SHADOW

2008-11-30 18:19:32 | 音楽
PCが壊れました(涙)。
現在、修理に出しております。
ってな訳で、ケータイからの投稿です。

さて、SHADOWの7年振りとなる新作『Forever Chaos』を聴きました。

いや~正直驚きました!
日本にも、こんな凄いバンドがいたなんて!?

音楽的にはARCH ENEMYにも通じる、メロディアスかつドラマチックなデス・メタルと言えます。

しかし何が凄いかって、やっぱりド派手に弾きまくる高速ツイン・ギター(レコーディングは住元雄一氏が一人で担当)でしょう!!

イングヴェイと言うよりも、かつての「Shrapnel」系とも言えるテクニカルにして、メロディアスな超速弾きが炸裂しています。

このギターにリードされ、楽曲の展開も実にスピーディーかつスリリングで、高い技術力に見合った完成度の高い楽曲が揃っています。

バンドは現在もう一人のリード・ギターを捜している様ですが、これだけ弾ける人材を見つけるのって結構大変だと思ってしまいました(笑)。

あと個人的に驚いたのが、Voの嶋本斎子嬢の“歌”です。

「和製アンジェラ・ゴッソウ」と言うのは陳腐な表現ですが、とにかく野獣の如き凄まじい咆哮が聴けます。

やや一本調子気味なアンジェラ様と違い、魔獣のような重低音からハイピッチのグロウルと、Voとしての表現力は幅広いのが嶋本嬢の特徴であります。

この嶋本嬢の魔獣の如き“歌”が、バンドのエクストリームさやブルータルさを体現しています。

ブルータルな嶋本嬢の歌とメロディアスで叙情的な住元氏のギターのぶつかり合いが、SHADOWというバンドの個性でもありセールス・ポイントだとも言えます。

メロディアスでドラマチック、そしてテクニカルなメタルが好きって方には超オススメであります。

日本のメタル・ファンって自国のバンドに対して、冷たいと言うか偏見を持っている方が大勢います。

SHADOWのようなバンドを知り、世界レベルでも傑作とも言える『Forever Chaos』を聴いて、自国のバンドを盛り上げて欲しいと思います。

こんなカッコ良いバンドを聴かないなんて、あまりに勿体無い!!



戦争は僕や誰かの夢や希望を喰らう
戦争は全てを喰い尽くす
僕の好きな空は“雨”
神は僕の存在を呪い
そして誘惑する
僕は生きるという束縛から解放される



「ポトフ」の季節

2008-11-26 20:31:25 | 料理
すっかり寒くなりました。

最近料理のネタを挙げていませんでしたが、毎日それなりに料理はしておりました(笑)。

とは言え、メニューはすっかり「冬のメニュー」にシフト・チェンジしました。

もっぱら鍋・雑炊の類ばかりですが(笑)。

最近はすっかりキムチにハマっていたのですが、今日は「ポトフ」を作りました。

「ポトフ」、コレも“冬のメニュー”ですね。

「ポトフ」という響きが良いのですが、コレも実に簡単に作れて、温かく頂けるメニューでございます。

多分、今年も沢山作る事になるメニューでしょう。

寒い季節は、「和・洋・中」問わず“鍋”に限りますね。



Chinese Democracy/GUNS N' ROSES

2008-11-23 13:39:56 | 音楽
ホンマに出ましたね、GUNS N' ROSESの17年振りの新作『Chinese Democracy』(笑)。

今まで散々待たされて感覚が麻痺しているのか、無事にリリースされてしまうと何か物足りない…と言うのは歪んだファン心理でしょうか?!(自嘲)。

さて、あまりに多くの紆余曲折を経てリリースされた『Chinese Democracy』を聴きながら、僕が思い出したのはGUNS N' ROSESが初来日した時のB!誌によるアクセル・ローズのインタビュー。



アクセルは「まず、そんな事は絶対に有り得ない事」と前提にし、「バンドから誰かが抜けたら、もう今のバンドとは言えない。俺は他の誰かと組んで、今とは全く違う音楽を演るだろう」というニュアンスの発言をしていました。

それから17年、ホンマにオリジナル・メンバーはアクセルだけになり、デビューした時とは全く違う音楽を実際に演っています。

さてさて、ファンとして『Chinese Democracy』を聴いた正直な感想ですが、完璧主義者のアクセルらしい非常に完成度の高いアルバムだと思いました。

そして、一枚のアルバムに詰め込まれた音、そして情報量の多さに圧倒されてしまいました。

やり過ぎ一歩手前で、ロックとしての荒々しさを残したって感じでしょうか?

音楽的には、実に全うに2nd『Use Your Illusion 1&2』の発展・延長線上にあります。

当時よりインダストリアルへの傾倒、そしてメロディアスかつドラマティックな大作趣向のあったアクセルの事を思うと、ここに提示されたのは「GUNS N' ROSES=アクセル・ローズ」と言う今現在のスタイルの具体化とも言えます。

それはスラッシュもダフもいない今のGUNS N' ROSESからは、シンプルかつストレートなハード・ロック的感覚は消失した事を意味します。

個人的にこのアルバムですが、聴けば聴く程にアルバムにある「味」を堪能出来る傑作だと思います。

コレはアクセル・ローズという、一人の希代のロック・シンガーの生き様を刻み込んだアルバムだと言えます。



それは歌詞カードを読めば顕著で、この人間的に実に不安定なこのカリスマの抱える葛藤や苦悩等と言った心情が、あの声によりメロディーに乗って吐露されます。
そう言った意味でも、本作の持つインパクトはかなり壮絶なものがあります。

ただ不満が無い訳ではなく、バラード系の楽曲が多すぎたとは思います。

特に終盤、まるで映画のサントラの如く、「泣き」の連続(“This I Love”は名曲!)なので逆に戸惑ってしまいます。
そんなメロウさも、アナーキーかつハードにロックして欲しかったと言うのが本音です(ラストはハードな名曲“Oh My God”で締めくくって欲しかった) 。

多分、このアルバムもまたロックの歴史に名を刻む傑作となり、このアルバムからGUNS N' ROSESを知る新たなファンを開拓する事になるでしょう。

今まだ冷静かつ客観的に評価されるのが難しくても、これからの歳月の流れがまた新たな時を刻む、そしてアクセルというシンガーを新たな領域に導くのだから…。



オレが独ぼっちになった時に
誰も何も教えてくれなかった
みんな、オレがもう少しマシになって
物事を把握してるって思っていたから
そう、もう少しはマトモに物事をしっかりと把握出来たのに






TROPIC THUNDER

2008-11-22 21:28:45 | 映画
『トロピック・サンダー:史上最低の作戦』を観た。

いや~前評判通り、腹の底から笑える最高の作品でした。
もう不道徳で、無駄に残酷・グロ描写が多くて、下品で悪意のあるブラックな笑い満載という作品です。



良識ある映画ファンならサブタイトル通り、本作を「最低!」と拒絶するでしょう。

僕? もうこんなバカで下らない映画は大好きです!!(笑)

映画自体は『トロピック・サンダー』という戦争映画をメインに、ハリウッドの舞台裏や、その異常な体質を徹底的に皮肉り茶化してバカにするスタイルは最高です(こんな超バカ映画に制作費90億円を注ぎ込むのも素敵)。

作品に登場するキャラクター達は、実在する俳優をモデルにしているのはモロバレ。

そして作品自体も戦争映画の傑作『地獄の黙示録』と、その舞台裏も正に“地獄”であったドキュメント『ハート・オブ・ダークネス』へのオマージュでもあるのも巧みである。

特に『地獄の黙示録』や『プライベート・ライアン』、そして『プラトーン』等の戦争映画の小ネタが満載なだけでなく、下品かつブラックな笑いを通して俳優達の苦悩と葛藤、そして人としての成長を描く脚本が素晴らしいです。






(以下ネタバレ爆裂!!)






特に崖っぷちの筋肉アクション俳優で、全くの大根役者(泣く演技すら出来ない:笑)であるダグ・スピードマン(監督のベン・スティーラー)と、どんな役にもなれる演技派カメレオン俳優であり、本作では遂に整形手術により黒人に変身したカーク・ラザラス(ロバート“アイアンマン”ダウニー.Jr)の対比が秀逸。



ただのエゴだらけの筋肉バカ俳優だったダグは、度重なる惨事により本物の俳優として演技に覚醒していく。

一方のカークは役柄と自分の境界線を完全に見失い、自分がどんな役でも演れたのは、結局「自分」という物を持っていない事からの恐怖だったとも告白。
この2人の対比は実に巧妙であり、作り込まれたストーリー展開だと唸ってしまいました。

しかし、そんな2人の強烈かつ濃いキャラクターすら、軽~く粉砕してしまったのがトム・クルーズ扮する冷酷非情な映画プロデューサーのレス・クロスマンだろう。

トムの特殊メイクによる、禿・チビ(あっ、コレはメイク無し:笑)・デブというルックスも凄いが、「Fuck!」を連発するお下劣な台詞の数々(「俺様のチ○カスをくれてやるぜ!」は最高)、更に奇妙なダンスまで披露する、もうホンマに衝撃的。

このトム・クルーズによる歴史的な怪演により、本作は桁外れの傑作になっているとも言っても過言ではないだろう。



他にもある、「ワレメちゃん大好き!」とアジっていた黒人ラッパーは実はゲイであり、下ネタ俳優は重度のヤク中であり、唯一マトモなのが本作がデビュー作だというヘナチョコ兵士役の新人俳優だけ、オマケに彼らが戦う麻薬組織のボスは12歳の少年と言う狂ったような連中が、狂った極限状態に置かれているのだ。

最高に狂っているが、最高に笑える傑作でありました。



「いいか、お前のやっている仕事は猿でも出来るんだ!」




全て黒く塗り潰せ!

2008-11-21 21:27:38 | 本・雑誌
もう「秋」って言うよりも、「冬」って感じの寒さでイヤになりますね。

そんな仕事の帰り、今月号の「映画秘宝」を買いました。

まず今月号で吃驚したのが、表紙が渋過ぎるキース・リチャーズであった事。

秘宝の表紙といえば「おねえちゃん」というイメージがあり、今月号の表紙はホンマに意表を突かれましたね。

ってな訳で今月号はストーンズとロック映画の巻頭特集に、それに絡む巨匠スコセッシ監督と、ストーンズの音楽と映画の関わりである。

確かに今の日本の音楽雑誌では突っ込まない、細かくてマニアックな記事の数々には驚く。

いや~ホンマに濃い!

あと個人的に興味深かったのが、特集「2009年、パニック映画の大逆襲!!」。

この年末から来年にかけて、邦画で『252 生存者あり』や『感染列島』といったパニック大作が公開される。

パニック映画が大好きな僕はワクワクしているが、とりあえず人類が壊滅的なダメージを生々しく描く映画なら大歓迎です。
先の2作品にも、密かに期待をしちょります。

でも意外だったのが、「東宝パニック映画の王者」である中野昭慶監督のインタビュー。
中でも、あの樋口版『日本沈没』を認めるという発言、ファンとしては可愛い後輩への配慮なのかもしれないが、あんな「ヌルい」パニック映画を認めて欲しくはなかったですね。

他にも今月号は情報量が満載、じっくりと読んで楽しみたいと思います。



最近の『ドラゴンボール』

2008-11-19 16:18:58 | 映画
日を増す毎に期待よりも、不安の方が膨れ上がると評判のハリウッド版『ドラゴンボール』(苦笑)。

批判的な意見が爆発したのは、やはり先日の衝撃的だった「宇宙猿」のルックスでした。

まぁ~仕方ないわな。
普通、アニメにせよ、コミックのファンにせよ、あんな物を見たら誰でも驚くだろう。
しかし、噂ではアレはまだ「完成」した姿ではなく、実際の映画ではもっと違う姿になるとの事。

ホンマかいな?

ネットに流れる噂では、巨大猿化したくても、造形的に『キングコング』と似てしまうと版権的にややこしい事態になる為、それとは違う姿を模索した結果の様だが…その方向性がズレているとしか現時点では言えない。

「出る出る詐欺」みたいに引っ張る“正式”な予告篇だが、間違いなくキアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』の公開と同時に公開される様だ。
プロモーションとしては、それでも「遅い」としか言えない。
一体、映画会社はどう作品を売っていこうって考えなのだろう?!

そんな中、アチラのファン・サイトでは新しい写真が次々と公開されました。
幾つか紹介しますと…。


エミリー・ブロッサム扮するブルマ、良い感じで原作コミックのイメージに近いですね。



そして肉にパクつく悟空、子供だった頃のコミックのイメージでしょうか?



銃を持つチチ、アレ? 彼女ってこんなキャラでしたっけ?!



もう映画版オリジナルのキャラだと言っても良いマイ。



「人間」に化けた状態のピッコロ大魔王。
映画では、噂通り普段行動する時は「人間」に化けている様です。



そして、クライマックスの「悟空VSピッコロ」の死闘。
ピッコロのパンチを食らったのか? 作品の一番盛り上がる部分かと思われます。

最近、FOX社はワーナーが製作中の同じくコミック・ヒーロー物の『ウォッチメン』の版権を巡って争っていますが、現時点では『ウォッチメン』の方が作品としての完成度も高そうだし、絶対に面白いでしょうね。

一体、ハリウッド版『ドラゴンボール』はどうなってしまうんでしょうか?!


『ウォッチメン』の最新予告篇、最高に面白そうです!!




イルミネーション

2008-11-17 21:52:31 | 雑談
もう今年で何回目だろう?

仕事帰りに見る、この某有名ホテルのクリスマス・イルミネーションを見るのは…。

毎回言っているが、このイルミネーションを見る度に年の瀬だと感じ、一年という歳月の流れの早さを感じる。

今年はそれにプラスして、今もこの仕事をしている自分に驚きつつ、少し有り難いと実感している。

今だから言えるが、今年は何度も今の職場を辞めようと思った事がある。

結局、こうしてまたこのイルミネーションを見る結果になった。

自分の判断の良し悪しはまだ判らないが、またこうしてイルミネーションを見れたのは良かったのだと思う。

あの時、この仕事を辞めていたら、一体自分は今何をしていただろう?

この途方もない不況の中、無職という年末ほど厳しいものはないと思う。

確かに今も自分の職場(仕事ではない)に、決して納得出来る様な状態ではないのが本音である。

それでも日々を重ねていく、この日々の積み重ねが自分にとって意味あるものだと思いたい。

来年の事は判らない。

でも一つ言えるのは、来年もこのイルミネーションを見る事が出来たのなら、もっとスッキリした心で、この綺麗な光を眺めていたいと願って止まない。

まだ今年も1ヶ月と半分少し残っている、まだ何が起きるかは正直判らない。

1日、1日を大切に過ごしていきたい。

また来年も、このイルミネーションを見る為に…。



The Age Of Nero/SATYRICON

2008-11-15 15:57:17 | 音楽
SATYRICON、待望の新作『The Age Of Nero』を聴いた。

アルバムのリリースと同時に、来年の“単独”での来日が決定する程に、今の日本のメタル・シーンでの人気と注目度の高さには驚く。

少なくとも日本のメタル・シーンにあって、未だに「ブラック・メタル」は“キワモノ”扱いをされている事を思うと、SATYRICONがこれだけの短期間に日本での認知度と人気を急激に高めた事実は驚異的だ…と言っても過言じゃないのかも?!



そんな今後を決定つけるだろう『The Age Of Nero』だが、これがまた素晴らしいアルバムであり、このアルバムにより彼らは更に多くのファンを獲得するのは間違いないだろう。

この『The Age Of Nero』は前作『Now,Diabolical』路線の延長にあり、更にそれをヘヴィかつドラマチックにしたサウンドとも言える。

『Now,Diabolical』は古くからのSATYRICONのファンからは「普通になった」と批判が集まりましたが、この『The Age Of Nero』にあるのは間違いなくブラック・メタル以外の何者でもないサウンドであります。

前作以上に冷たくダークかつ不穏で邪悪は雰囲気に満ちており、過激かつブルータルなサウンドで威圧する他のブラック・メタル・バンドとは違う存在感を放っています。

個人的に気に入ったのは、まず我がドラム・ヒーローであるフロスト様のドラム。

やはり彼のドラムは凄い!

時折凄まじいブラスト・ビートをはさみつつも、ヘヴィで硬いドラムの音とタイトなドラミングは圧巻!

特に轟音で鳴り響く、ツーバスのキックは壮絶です。

そのフロストをして「楽曲を盛り上げる為のドラム」に徹しているのは、ギターとベースを自ら担当するサティアー(Vo)の存在があるからだろう。

やはり言うても、SATYRICONはサティアーのバンドである。



以前にも増してヘヴィなリフを全面に打ち出し、更にそこにサティアーのあの“声”、そして禍々しい“歌”が乗るだけでSATYRICONだとも言えます。

語弊があるかもしれませんが、本作でのサティアーの“歌”はよりメロディアスかつキャッチーになっているのも大きな特徴とも言えます。
邪悪で不穏なムードの中で、しっかりとキャッチーなメロディーを持った“歌”が乗る、今現在のSATYRICONのスタイルが確立されたとも言えます。

以前サティアーが新作を「今俺が言えるのはニュー・アルバムは、スーパー・クールなものに仕上がる」と語りましたが、ホンマに滅茶苦茶クールでカッコ良いアルバムとなっています。

『Now,Diabolical』から彼らのファンになった方も、ブラック・メタル好きなら聴いても損はしない、今現在のSATYRICONとしての最高傑作の登場だと言えます。



使者が現れた
暗黒の日々をもたらす者が見つかったと
使者が現れた
墓石の上にいる鴉






風邪の時にはコーラ?!

2008-11-13 01:01:30 | 健康
実は風邪を引いて具合が悪いです(苦笑)。

今日は仕事が休みだったので午前中に病院で薬を処方してもらい、午後からは飯食った後に薬を飲み、1日イングヴェイを聴きながら寝てました(笑)。

風邪を引くと、何故か猛烈にコーラが飲みたくなります。

何故でしょう?

病院のDrは「水分補給を兼ねてスポーツ・ドリンクを飲みなさい」と言います、確かに風邪で高熱でうなされている時に飲む、冷たいスポーツ・ドリンクは身体の隅々に染み渡る様です。

でも、僕の場合はコーラなんですよね。
子どもの頃から、それも風邪の初期段階の時は特に!

我ながら何でやろう?と思いつつ、今日もコーラをしっかり買って飲んでました。

風邪に何かの効果があるのかな?

何はともあれ、明日も仕事なので暖かくして寝る事にしますか。

皆さんも風邪に気を付けて下さいね。


Perpetual Flame/YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE

2008-11-12 14:26:55 | 音楽
イングヴェイ・マルムスティーンの新作『Perpetual Flame』を聴いた。

本作について語る前に、釈然としない事が多いので幾つか挙げたい。

まず、この度重なる「発売延期」は一体何だったのか?

最初のリリース予定から、気が付くと半年近くも遅れてリリースされた本作。
リリースが遅れるのはアーティスト側にも様々な都合もあるだろうが、結果的に日本盤が欧米盤よりも遅れた理由は一体何だったのか?

一説では日本盤のみの特典であるDVD(又はボーナス・トラック)に関して、マネージメントとレコード会社が揉めたという噂が流れた。

その問題の特典DVDであるが、ハッキリ言ってあっても無くても同じゴミの様な代物だった。

ギターをもったイングヴェイがアルバムの解説をし、自慢げに「この曲はグレイトだ」や「とにかく聴いてくれ」を答えるだけの内容である。

コレでまだイングヴェイが、各曲のリフやソロを実際に演奏していたのなら話は違う、それはそれで充分に価値あるDVDだと言える。

おまけに日本盤は先にリリースされた欧米盤よりも、何と収録曲が1曲少ないのだ!

コレは理解出来ない!
どんな曲であれ、アルバムに収録されてる曲は、ちゃんと日本盤にも収録して欲しかった。

雑誌の付録以下のゴミみたいな特典を付けて、収録曲を減らした日本盤…買ったファンの立場になって欲しい。

一連の経緯に対して、レコード会社は何らかの声明を出すべきでは?
ハッキリ言うが、こんなお粗末な扱いにファンは皆怒っている筈だ。

こんな事が続くようなら、高いお金を払って日本盤で買うより輸入盤で買った方が良いと思うファンも多くなるだろう。

さて、出足から怒り心頭になってしまったが、それはこれもイングヴェイの待望の新作である『Perpetual Flame』が素晴らしい傑作だからでもある。

かのB!誌では高得点の割には、誉めてるのか貶しているのかサッパリ判らないアルバム評だったが、本作は間違いなくイングヴェイがここ数年リリースしたアルバムの中でも最高傑作だと言っても良いだろうと思う。

まずは楽曲の充実が素晴らしい。
今までの中で最もヘヴィな楽曲が多いが、どれも良く練られており、本作には捨て曲が無いと言っても良い。

そして何より、「マイアミの巨匠」ことイングヴェイのプレイが本当に素晴らしい。




ここ数年指摘され続けて来た「ソロの指癖化」だが、本作ではちょっとした細かいフレーズからソロに至るまで、しっかりと考えられたメロディアスなプレイを満喫出来るのが大きな特徴とも言える。
「日々進歩している」という巨匠は否定するだろうが、ある意味初期の頃を彷彿とさせ、そう言った意味では正に「原点回帰」だとも言える。

そして何と言っても、本作の“目玉”だと言っても良いのが元JUDAS PRIESTのティム“リッパー”オーウェンズの「歌」だ。



もうコレが予想をはるかに越えるハマり方で、巨匠と対等の存在感を発揮している。

歴代のシンガーにあって、リッパーは最もヘヴィかつワイルドであるが、同時に非常にメロディアスでパワフルである。
巨匠がこれだけド派手に弾きまくっているのに、その音圧に負けない彼の歌唱ってのはかなり凄い。
リッパーだから唄える曲もあるのも事実で、彼のシンガーとしての超人的な実力がよく判る。
随所で「来た!」って感じで、ハイトーンのシャウトを決めるのもカッコ良い。

これだけのアルバムを作ったのだ、今は来日公演までこのコンビが維持されるのをただ祈るばかりだ(苦笑)。

あと他のメンバーでは、今やイングヴェイの相棒であるパトリック・ヨハンソのドラム。
テクニカルかつパワフルで、ヘヴィなプレイは今やイングヴェイのサウンドにおいて重要な役割を果たしている「隠れた逸材」であり、もっと評価されても良い筈だ。

今回も「アルバムのみ」の参加であるデレク・シェリエン(元DREAM THEATER)、彼って必要かね?
巨匠自身も今はそれなりにキーボードが弾けるんだし、何か凄く勿体ない贅沢な起用って感じがして仕方ない。
せっかくスタジオでプレイするデレクの為にも、アルバムに1曲くらいはキーボードが目立つ曲があっても良いと思うし、巨匠とデレクのバトルって絶対に盛り上がると思うってのは僕だけ?!

あとミックスに、かのロイ・Zを起用。
ここ数作の事を思うと音のバランスは随分良くなったとは思いますが、やっぱりギターの音がデカ過ぎるのは仕方ないですな(苦笑)。

最後にアルバムは最高傑作だったが、やはりアルバム・ジャケット、「俺様とギターとフェラーリ、そして海」って感じのブックレットは「最低」としか言えない(爆)。

まぁ~コレも巨匠のセンスだから仕方ないだろうが、この辺りが改善されると更にメジャーな存在になるってファンは思うのですが…。

「様式美(イングヴェイ)」だからと毛嫌いしているメタル・ファンは、普通に正統派メタルとしてカッコ良いので是非聴いて欲しい一枚であります。




さぁ サイコロをふれ
そして己の崩壊と向き合うのだ
ヨーロッパ人は嘘つきだ
そう いつでも嘘を言う

コレは“破滅のゲーム”
そこに勝者など存在しない