巷で話題の『LOOPER/ルーパー』を観て来た。
「マトリックス」以来の衝撃などと派手に宣伝されているが、確かに凄い映画が登場したと思う。
個人的な結論を先に言えば、本作は間違いなく「傑作」です(笑)。
ただ「マトリックス」的な派手さを期待すると、間違いなく肩すかしを食らいます。
どちらかと言えば地味な作品であり、激しいアクションはあるものの何処か冷たい「静」の要素が強いです。
でも今後SF映画の歴史において、一つの「基準」となる作品になるかと思います。
この作品を語る場合、何をどうしても「ネタバレ」は避けれない(苦笑)。
それは本作が「タイム・トラベル」モノであり、物語の詳細に触れてしまうと「ネタバレ」になってしまう。
最低限で語れるのであれば、主人公ジョー(演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は未来から送られて来る存在を始末する殺し屋。
本作では、彼らを「LOOPER」と総称する。
何故、未来から送られて来る存在を現代(と言っても2044年と言う舞台設定)で始末するのか?
その辺りの事は本作の中でしっかり語られるし、それが非常に重要な「伏線」となっている。
このブログでは珍しいですが、本作に関しては敢えて「ネタバレ」を封印します(自嘲)。
この作品の世界観は非常に厭世的かつ退廃的。
個人的に本作が秀逸だと思った点は、この硬質で殺伐とした空気感と退廃的な雰囲気。
この世界は実に暴力的で、情け容赦などしない。
ジョーは自身の「仕事」に嫌気がさしていて、実に淡々と殺しをこなしていく。
そこには何の躊躇も感情も存在せず、浮き彫りになる虚無感は逆に恐ろしくもある。
そんなジョーが俄然人間的となり魅力的になるのが、「標的」として30年後の老いた自分が未来から送られて来た瞬間から。
何故、30年後のジョー(演・ブルース・ウィリス)が送られて来たのか?
そこには本作の重要な要素であり、30年後のジョーも「ある目的」があって現代にやってくる。
30年後のジョーが過去に来た目的によって、冷徹で無慈悲だった本作は初めて人間的な温かみを得る。
しかし、ソレを否定するのが現代のジョー。
彼は未来の自分ではなく、今自分が生きる為に30年後のジョーを拒絶する。
ここでウィリスとレヴィットの迫真の演技が、本作を更にエモーショナルにしていく。
己の未来を拒絶し、自分自身で未来を生きようとするジョー。
そして既に決められている未来から、自身にとって生きる意味の為に過去に来たジョー。
2人の対立が物語に隠されている、大きな「真実」へと導いて行きます。
若さと行動力、そしてコレまでと全く異なる出会いにより変わって行く現代のジョー。
老いてはいるものの、自身が獲得した知識と桁外れの戦闘能力により非情に「ある目的」を達成させようとするジョー。
この辺りの描写は実にエモーショナルであり、スリリングで観ていて物語に引き込まれていきます。
そして訪れる「結末」。
その「結末」があまりに唐突であり、静かである事も逆に強烈なインパクトがあります。
観て思ったのは、コレで本当に「負の連鎖」が断ち切れたのか?と言う疑問。
そして何とも言えない不穏さが、一見ハッピー・エンドに観えるがソレが本当に正しいのかを観る側に問うて来ます。
この何とも言えない「後味」は、本作を観た後に深く心に刺さります。
余談ながら、全く似てないレヴィットとウィルス。
実は特殊メイクによって似せています(笑)。
ソレを担当していたのが、何と日本人の辻一弘氏です。
ウィリスらしい苦々しい表情やボヤき口調、ソレを完全にコピーして見せたレヴィット。
改めて凄い才能を持った俳優であると感じました。
本作に関して、観る前に出来るだけ事前情報を入れてないで観賞する事をおススメします。
多少の疑問や突っ込み要素は、パンフレットを読めば充分に補完出来ます。
超オススメであります!!
「僕はパリに行く。」
「マトリックス」以来の衝撃などと派手に宣伝されているが、確かに凄い映画が登場したと思う。
個人的な結論を先に言えば、本作は間違いなく「傑作」です(笑)。
ただ「マトリックス」的な派手さを期待すると、間違いなく肩すかしを食らいます。
どちらかと言えば地味な作品であり、激しいアクションはあるものの何処か冷たい「静」の要素が強いです。
でも今後SF映画の歴史において、一つの「基準」となる作品になるかと思います。
この作品を語る場合、何をどうしても「ネタバレ」は避けれない(苦笑)。
それは本作が「タイム・トラベル」モノであり、物語の詳細に触れてしまうと「ネタバレ」になってしまう。
最低限で語れるのであれば、主人公ジョー(演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は未来から送られて来る存在を始末する殺し屋。
本作では、彼らを「LOOPER」と総称する。
何故、未来から送られて来る存在を現代(と言っても2044年と言う舞台設定)で始末するのか?
その辺りの事は本作の中でしっかり語られるし、それが非常に重要な「伏線」となっている。
このブログでは珍しいですが、本作に関しては敢えて「ネタバレ」を封印します(自嘲)。
この作品の世界観は非常に厭世的かつ退廃的。
個人的に本作が秀逸だと思った点は、この硬質で殺伐とした空気感と退廃的な雰囲気。
この世界は実に暴力的で、情け容赦などしない。
ジョーは自身の「仕事」に嫌気がさしていて、実に淡々と殺しをこなしていく。
そこには何の躊躇も感情も存在せず、浮き彫りになる虚無感は逆に恐ろしくもある。
そんなジョーが俄然人間的となり魅力的になるのが、「標的」として30年後の老いた自分が未来から送られて来た瞬間から。
何故、30年後のジョー(演・ブルース・ウィリス)が送られて来たのか?
そこには本作の重要な要素であり、30年後のジョーも「ある目的」があって現代にやってくる。
30年後のジョーが過去に来た目的によって、冷徹で無慈悲だった本作は初めて人間的な温かみを得る。
しかし、ソレを否定するのが現代のジョー。
彼は未来の自分ではなく、今自分が生きる為に30年後のジョーを拒絶する。
ここでウィリスとレヴィットの迫真の演技が、本作を更にエモーショナルにしていく。
己の未来を拒絶し、自分自身で未来を生きようとするジョー。
そして既に決められている未来から、自身にとって生きる意味の為に過去に来たジョー。
2人の対立が物語に隠されている、大きな「真実」へと導いて行きます。
若さと行動力、そしてコレまでと全く異なる出会いにより変わって行く現代のジョー。
老いてはいるものの、自身が獲得した知識と桁外れの戦闘能力により非情に「ある目的」を達成させようとするジョー。
この辺りの描写は実にエモーショナルであり、スリリングで観ていて物語に引き込まれていきます。
そして訪れる「結末」。
その「結末」があまりに唐突であり、静かである事も逆に強烈なインパクトがあります。
観て思ったのは、コレで本当に「負の連鎖」が断ち切れたのか?と言う疑問。
そして何とも言えない不穏さが、一見ハッピー・エンドに観えるがソレが本当に正しいのかを観る側に問うて来ます。
この何とも言えない「後味」は、本作を観た後に深く心に刺さります。
余談ながら、全く似てないレヴィットとウィルス。
実は特殊メイクによって似せています(笑)。
ソレを担当していたのが、何と日本人の辻一弘氏です。
ウィリスらしい苦々しい表情やボヤき口調、ソレを完全にコピーして見せたレヴィット。
改めて凄い才能を持った俳優であると感じました。
本作に関して、観る前に出来るだけ事前情報を入れてないで観賞する事をおススメします。
多少の疑問や突っ込み要素は、パンフレットを読めば充分に補完出来ます。
超オススメであります!!
「僕はパリに行く。」