ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Queensryche/QUEENSRYCHE

2013-08-22 16:16:30 | 音楽
QUEENSRYCHEの最新作『Queensryche』を聴いた。
先日、紹介したのはジェフ・テイト(Vo)が率いるQUEENSRYCHEのアルバム。
今回、紹介するのがマイケル・ウィルトン(G)、エディ・ジャクソン(B)、スコット・ロッケンフィールド(Dr)らにより新生QUEENSRYCHE。
ややこしい気をするが、この問題もあと僅かで解消されると思う。
新生QUEENSRYCHE。
長年、サポートと言うか雇われの身で不安定だった、パーカー・ラングレン(G)を正式メンバーとして加入。
ある意味アイコン的存在だった前任者に変わり、元CRIMSON GLORYのトッド・ラ・トゥーレ(Vo)に迎えた新体制。
他のマイケル、エディ、スコットというオリジナル・メンバーは不動のまま。



アルバムを聴いて、真っ先に思ったのは「勝った!」と言う事(笑)。
別に音楽は勝負ではないし、その勝敗に拘る必要は全く無い。
ただ今回ばかりは事情が違う。
ジェフの電撃解雇から始まった一連の騒動、結果として「もう一つのQUEENSRYCHE」が出来てしまった異常事態。
どんなにゴシップ的に騒いでも、結果として「音楽が全てを語る」と思っていた。
この世界に、今も未来も「QUEENSRYCHE」というバンドは一つしか存在しない事実。
今後、その名前に相応しい音楽とキャリアを築く事が出来るのは誰であるかがハッキリした。
そう、“彼ら”だ。
決して“彼”ではないと言う明確な事実が判ったので「勝った!」と思った。
この『Queensryche』というアルバムにあるのは…。
かつてのファンであった僕が言うのもおこがましいが、メタル・ファンが思う「QUEENSRYCHEというバンドのサウンド」が詰まっている。
まだ少々ダークな雰囲気を漂わせつつも、アルバムの基本的路線は傑作『Empire』までのサウンド。
更にソレを再構築して、モダンでありながら初期の正統派メタル的要素を全面に打ち出した内容になっている。
「原点回帰」と言ってしまうのは簡単だが、多くのバンドがソレを演ろうとして自家中毒に陥ってしまう。
このアルバムに賭けるオリジナル・メンバーの想いや意気込みは、並大抵のモノではなかったと思う。
それを可能にしたのは、新加入のトッド・ラ・トゥーレの力と存在は大きい。



まだ彼らが「RISING WEST」と名乗って活動を再開した時。
世界中のファンが間違いなく度肝を抜いたのは、間違いなくこのトッドの声と歌唱だった筈。
超人的でありながら、実は超個性派である前任者にそっくりだった。
そして「一連の事件」が起きた後に前任者を解雇し、トッドを加入させたのは賢明な判断だった。
しかし、アルバムを良く聴き込んでみるとソレが違う事が判る。
トッドは「単なるそっくりさん」、一時期アチラのサイトでも批判されたがクローンでもない。
前任者とトッドの声と歌唱は「似て非なるモノ」であるのが良く判る。
確かにトッドは前任者の様に唄えるが、しかしソコにはしっかり自分なりにの解釈や個性を入れている。
以前、僕は前任者の大ファンだったと言ったから違いが皮肉にも良く判る。
それに今の前任者は、こんな風には唄えない現実がある(苦笑)。
エネルギッシュな歌唱、そして気持ち良く突き抜けて伸びる高音でのスクリーム。
更には中低音では深みだけでなく、朗々としながらも表現力豊かな歌唱も聴ける。
正にトッドは“逸材”。
彼の加入こそが、このバンドをあるべき姿に「蘇生」させた原動力になったと言っても過言ではない。



そして随所で聴けるメロディアスなツイン・リード・ギターによるハーモニー。
まぁ~少々やり過ぎかと思う箇所もあったが、このツイン・ギターのハーモニーが楽曲を更に劇的に盛り上げる。
マイケルとパーカー。
今回は少しハーモニーに拘った部分もあるだろうが、競い合うようなソロも今後聴いてみたい。
もっとマイケルもパーカーもド派手に弾いても良かったと思うが、それは次回作に期待って事で(微笑)。
ちなみに楽曲作成には、メンバー5人で関わっているのも大きい。
マイケル・エディ・スコットの拘りに、新加入のトッドとパーカーからのインプットはバンド内に良いケミストリーを起こしている。



QUEENSRYCHEにはメタル的要素も重要だが、同時にプログレッシヴさも効いている。
やはり、この辺りはエディとスコットによるリズム隊が活躍している。
個人的には、重くてゴリゴリと唸るエディのベースが大好きだった。
本作でもボトムを押さえつつも、独特のフィンガリングによるベース・ラインは健在。
あとスコットのヘヴィなドラムも心地良い。
あの要塞みたいなドラム・セットによる、スコットのフィルの入れ方に「らしさ」を感じてしまう。
これまでの鬱憤を晴らすような、彼のドラムの硬い音と共に派手なプレイが随所で炸裂している。



そしてボーナス・トラック。
トッドとバンドによって、新たな魅力を持って見事に再生されている。
特に“Queens Of The Reich”。
マイケルが前任者にこの曲をプレイしようと提案した時、前任者はソレを拒否し「あんな曲、もう誰も憶えていない」と言ったらしい。
我々、日本のファンには“女王の国”と呼んだ方がしっくりする超名曲。
この超名曲をもう憶えていない? それはファンへの侮辱じゃないだろうか?!
ハッキリと言えば良い、もう自分には「あの頃の楽曲」が唄えないと…。
前任者のアルバムにもセルフ・カヴァーが収録されていたが、安易なアレンジが施されオリジナルに対する“冒涜”だと感じた。
個人的には本作『Queensryche』には大変満足しています。
ただ贅沢を言うならバラード系の楽曲を1曲減らして、アップ・テンポのナンバーを収録した方が更に内容が締まったかと思う。
しかし、これは彼らQUEENSRYCHEの新たなる『新章』の幕開けである事実。
今まで様々な苦難や屈辱もあったかと思うのですが、新たな未来に向けて進み始めた彼らを心から祝福したいと思う。


◯全編、とにかく歌詞の内容が意味深過ぎる(苦笑)。ここで言う「お前」ってのは…?!



今、俺は集中砲火を受けながら拳を宙に突き上げている
お前はこの代償を支払う番が来た
俺がお前をそこに連れて行ってやる
そこでお前は自分が築き上げた城が無惨に崩壊する様を目撃する事になるだろう
そう、ここは「夢がのたれ死にする場所」
その事だけは約束してやろう

◯この映像を観るだけで、今の彼らのLiveが凄いのが良く判ります。
 祈・来日!!



もはや逃げ道など何処にも無い
悦びに満ちた、その人生も間もなく終わりを告げる
お前の魂は消えていくだけ
帝国は女王のものだ