ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Resurrection/GALNERYUS

2010-06-30 20:53:43 | 音楽
新生GALNERYUSの新作『Resurrection』を聴いた。

先日、期待していたオジーの新作を聴いて正直落胆しましたが、コレは文句なしに素晴らしい傑作!と言える凄まじいアルバムだ。
アラフォーの頑固なメタルおっさんである僕ですが、ラストまで聴いた時には感動で涙腺が崩壊していました(苦笑)。



ジャケットにある神々しいドラゴン、そしてタイトルの「Resurrection(復活)」ではないが、天空を駆けるような飛翔感と躍動感、復活の雄叫びをあげる力強く雄々しいドラマチックな感覚。
コレこそがメタル・ファンが求める「ヘヴィ・メタル」に求める醍醐味が全て盛り込まれている。

美しい!
そして…カッコ良い!!

先に正直に告白すると、僕がGALNERYUSを本格的に聴いたのが本作が初めてです(笑)。
勿論、GALNERYUSというバンドの存在は知っていました。
ただ、何曲か聴いても自分の琴線に触れる事が今まで無かったのも事実です。



本作を聴いてみようと思う動機は、他でもなく本作よりバンドに加入した“SHO”こと小野正利(元FORT BRAGG!)の存在があります。
J-POP系のシンガーというイメージがあるかもしれませんが、この人はバリバリのメタル系シンガーでありました。
その圧倒的な歌唱力と声量、何よりも空間を切り裂き舞い上がるような超強力ハイトーン・シャウトを生かすのは、やはりメタル・バンドで唄ってこそ正当に評価され生かされると思ってました。
欧米や日本にも、今や沢山のメロディアスなパワー・メタル系バンドは腐る程存在します。
その他のバンドと決定的に違う“何か”をGALNERYUSにもたらしているのは、この小野氏の「歌」であるのは間違いありません。
小手先ではなく、しっかりと魂で唄える小野氏の気迫溢れる「歌」こそが、新生GALNERYUSにとって最大の武器(英語の発音が良いのも重要)かと思います。


あとバンドのリーダーであり、メイン・ソングライターとしても若きギター・ヒーローとしても注目を集めるSYU。



今や日本のメタル・シーンにも沢山のギター・ヒーローが存在しますが、彼の素晴らしいのはギターで「唄う」事が出来るのがポイントかと思います。
メタルらしいヘヴィなリフを刻みつつ、ポイントでしっかりと流麗な速弾きを披露しつつ、しっかりと「泣き」のツボを押さえるのも素晴らしいです。
この類のバンドにありがちな様式美一辺倒にならない辺りも、個人的には非常に大きなポイントでもありました。
勿論SYUや小野氏だけでなく、他のメンバー(KeyのYUHKIはコレまた凄い!)が皆素晴らしいテクニックの持ち主揃いであり、バンド内に良質なケミストリーが存在しているのも素晴らしいです。

あと楽曲の充実も外せないです。
本作には、捨て曲が存在しません!
多少プログレっぽい味付けが随所で効いてますが、基本的には様式美風味のパワー・メタルで押しまくる作風は正解。
ただ欲を言うならば、小野氏はヘヴィにも充分唄える人なので、次回作はミドルのヘヴィ・ナンバーを聴いてみたい(笑)。
疾走系の楽曲が多く、後半日本語歌詞となる為に“ジャパメタ”っぽくなるという批判もあるでしょうが、歌謡曲的ならずにメタルらしくあるのはバンドの個性だとも言えます。

邦楽だとか洋楽だとか、日本のバンドだからと先入観を持たずに、一人でも多くのメタル・ファンに聴いて欲しい素晴らしい傑作です。


今にも消えそうだった
光よ、もう一度輝け
ただ一つの
同じ星を見てる




Scream/OZZY OSBOURNE

2010-06-27 18:28:54 | 音楽
メタル界が誇る、“魔界の王子”ことオジー・オズボーンの新作『Scream』を聴いた。

未だスッキリしないザック・ワイルドの離脱、そしてガス・Gを加入させた新作。
色んな意味で注目であり、かなり期待していたアルバムだった訳だが…。



正直言うと、個人的には「アレ?」って感じ。
何か…物足りないと言うか、今一つ聴いていてグッと来ないアルバムだった。
こんなオジーのアルバムは初めてだ。

サウンド・プロダクションは多分、今のメタルでは最上級の素晴らしさだ。
楽曲もSABBATH時代から、今までのソロ・キャリアを集約したかのような完成度の高い楽曲が揃っている。
バンドの演奏も完璧だ。
近年のアルバムの中において、最もストレートにヘヴィ・メタルらしいアルバムであり、非常に完成度の高いアルバムだと思う。

では、何故物足りないと感じたり、聴いていてグッと来る要素が無いのか?!

個人的に分析してみた。
その結果思ったのは、このアルバムの完成に最も貢献しただろうケビン・チャーロの存在にあると思った。

オジーはチャーロの事をいたく気に入り、信頼を寄せているのは明らかで、プロデューサーとして前作に続いて起用され、本作ではオジーと共に楽曲の大半まで手掛けている。
確かにチャーロのプロデューサー&ソングライターの仕事ぶりは素晴らしく、彼の才能が本作の完成度の高さにつながっているのも事実だ。



だが敢えて言わしてもらうと、あまりにその仕事が手堅くまとまりすぎている。
素晴らしいソングライターでありポップなメロディーは秀逸だが、チャーロは決してリフ・メイカーではない。
本作ではやたらヘヴィでエッジの立った楽曲が目立つが、どれも結局似たような印象しか残らない。
曲作りにザック(大きく関わっていた可能性はあるがクレジットされていない)やガスなりが、そこにしっかりと「らしさ」を生かしたリフを組み込んでいれば、また印象は全く違うだろう。

本作にはロック・バンドとしての躍動感や、卓越したメンバー間によるケミストリーは存在しない。
それに故に聴いていてハッとする煌めきや、メタル・ファンとしてグッとなり燃えるような展開にはならない。
コレは、明らかにオーバー・プロデュースだ。



さて肝心の御大オジーの歌。
ここ最近では聴かれなかったような荒々しくも、張りと艶のある若々しい歌声を披露しているのは印象的だ。
アルバムでこれだけの“歌”が聴けるのだ、その一方を担う存在との強力なケミストリーがあれば…コレはメタル界に新たな凄まじい傑作の誕生となったかと思う。

最後に、注目のガス・Gのギター。



本作を聴く限りでは、比較的にザック的なプレイを披露している。
彼らしい個性やセンスを出すよりも、本作では細部に至るまで丁寧かつ繊細に弾いたって印象だ。
当然の事ながら、歴代のギタリスト達のような技や魅力が発揮されてはいない。
素晴らしい才能と実力を持つ逸材だけに、今後ガスの持つ才能と実力が遺憾なく発揮されるチャンスが訪れるのを期待したい。

駄作とは言わない、でも今までとは違った意味で賛否両論が激しいと思う問題作だと思います。


消え失せろ!
過去には何の進歩は無い
俺の血肉は引き裂かれていく
お前に魂を吸い尽くされているから



SURVIVAL OF THE DEAD

2010-06-26 11:01:52 | 映画
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』を観た。

マスター・オブ・ホラーにして、ゾンビ映画の神様である、巨匠ジョージ・A・ロメロ監督による入魂の新作。

一時期、全く映画が撮れない長い不遇な時代があった事を思えば、今好きに映画が撮れる巨匠ロメロの状況にあるのはファンとして嬉しい。
おまけに70歳を迎えても、今でもハードコアでブルータルなホラー映画を撮り続ける姿勢は尊敬に値する。



不遇な時代を経て、今も貪欲に「時代」を取り入れて作品を作り出すロメロ。
何かと賛否両論だった前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』では、通信手段の飛躍的な進化と情報過多社会をゾンビ化現象の始まりと絡め皮肉たっぷりに、流行りのP.O.Vスタイルで躍動感たっぷりに撮り上げた。
この『サバイバル』はロメロの作品としては初とも言える、明確に前作の続編と言うか世界観を共有した作品である。

両作品をつなぐのは本作の主人公であり、前作で学生グループから物資を強奪した元州兵の軍曹(サージ)。



訳の解らぬまま阿鼻叫喚なゾンビ化現象の地獄に叩き込まれ、ゾンビ狩りに心身共に疲れ果てた軍曹は任務を棄て仲間を連れ、ゾンビ(軍曹は“奴ら”と呼ぶ)のいない世界を目指す逃避行の真っ只中にいた。
そんな中、偶然拾った少年の情報により「ヤツらのいない島」の存在を知る軍曹達。
「島」を目指す軍曹達であったが、そこで待っていたのは更に恐ろしい事態だった…ってな感じ。






(注意:ネタバレ炸裂!!)





ロメロのゾンビ/ホラー映画の特徴として、ロメロの作家としての明確なメッセージ性と脳漿や内臓が景気良く飛び散る凄惨な残酷・グロ描写。
そして快活でかっこいいアクション映画の要素との融合が重要である。
社会的で重苦しいメッセージ性と凄まじい残酷・グロ描写の連続でも、アクション映画としての胸躍る活劇性が、より多くのファンにアピールして来たのは事実だと思う。



そう言った意味でも本作は、またロメロの作品としては「意外」とも呼べるゾンビ映画だ。
確かに随所に圧倒的な残酷・グロ描写、笑って良いか判らないブラックな笑い、クールなアクションは散りばめられてはいる。
しかし、本作は先の作品よりもはるかに重くて救いの無いドラマがメインにある。

軍曹達が行き着く「島」には、昔から互いにその存在を憎み合う2つの家族が登場する。



一つは生存者の為に例え元肉親であってもゾンビは片っ端から抹殺しようと主張するオフリン家。
そして、もう一方は人に死という苦痛は2度も与えられないからとゾンビを保護・隔離・調教する、キリスト教右派なマルドゥーン家。

両家族とも今時テンガロン・ハットとマンチェスター銃で武装する、時代錯誤も甚だしいカウボーイぶりである。
こんな時代からも社会からも見捨てられた家族たちは、世界規模での大惨事の渦中にありながらも互いのエゴや憎悪、そして極限状態による狂気により殺し合おうとしている。
もし互いに許し合い、協力し合えばこの地獄を乗り越えられ可能性もあるのに…。



本作では大胆に「西部劇」の要素が導入され、本来の主人公である軍曹達はこの両家(とゾンビ:笑)の醜い争いに巻き込まれ、事件を傍観する役割を担っている。

だからコレと言ったドラマチックな派手な展開がある訳でもなく、熱くなるような激しいアクションが繰り広げられる訳でもない。
作品の見方を変えれば、ゾンビに襲われて食われると言う恐怖よりも、醜い人間同士の狂気とエゴ剥き出しの諍いおぞましくを描くドラマでもある。
それがロメロによる一連の「ゾンビ・サーガ」とは異なる、本作を持つ特殊性だと言っても過言ではない。



好き嫌いはハッキリ分かれると思った。
僕は…最期は皆殺し雪崩れ込む救いの無いヘヴィなドラマが気に入りました(笑)。



それにしても巨匠ロメロによる、未だネタが尽きない斬新なゾンビ(より知恵を付けて人間との境目が曖昧になった)抹殺法と容赦ない残酷・グロ描写には毎回驚く。
このパワーとイマジネーションは、一体どこから湧き上がるのだろう?
巨匠ロメロ、恐るべし!!

今流行りのアップ・テンポの作品ではないが、硬派でザラついた感覚のずっしり重いホラー映画の秀作であるのは間違いありません。


「100万ドルあったら何に使う?!」


『プレデターズ』、最新予告篇公開!!

2010-06-24 00:14:20 | 映画
『プレデターズ』、何か盛り上がって来ました(笑)。

日本側の配給会社のトチ狂った宣伝には、正直心底ガッカリしましたが、そんな中で遂にインターナショナル版の予告篇が公開されました!!

相変わらずスーパー・プレデター達の露出を抑え気味ながら、犠牲者の脊髄を生きたまま引っこ抜くブラックの邪悪さは一瞬ながらインパクトあり!

あと、この惑星に仕込まれた「罠」の数々に驚愕。
ハウンドやファルコンだけでなく、1作目でシュワちゃんがプレデターに仕掛けた「罠」を彷彿とさせる仕掛けが至る所にあるのが判り、プレデターの恐怖だけでなく、主人公たちを心身共に追い詰められていくのが判ります。

この残虐で極悪なサバイバル・ゲーム、勝つのはプレデターか?
それともキラー・エリート揃いの人類か?!

近年稀に観る、ハードコアでブルータルなSF映画になるのは間違いありません!!

「獲物は狩るんだ…。」




ナスとトマトのパスタ

2010-06-23 20:13:46 | 料理
鬱陶しい天気が続きます。

首の具合はだいぶ回復しました。
治療とリハビリが進むにつれ、首ではなく肩を痛めていると判りました。

まぁ~以前から酷い肩こりに悩んでましたが、転けて打撲したのをキッカケに更に悪化した様です(苦笑)。

リハビリ療法士の方に「一瞬、骨があるかと思いました」と言われるくらい、肩の筋肉がカチコチに硬くなってしまっています。

まだまだリハビリの日々が続きそうです…。

そんな仕事&リハビリから帰ってから、今日は晩ご飯に「ナスとトマトのパスタ」を作りました。

冷蔵庫にナスがあったので使いましたが、ホンマは唐辛子を入れて辛くしたかったのですが、今もヨメが喉を痛めているいるので止めました。

たっぷりの野菜を入れて、結構ヘルシーなパスタになりました。
味付けもあっさり目、トマトの酸味が効いていて美味しく食べれました。

暑い夏、このパスタを良く作りそうです。

遂に片鱗を見せた? 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』!?

2010-06-22 22:10:38 | 映画
衝撃的だったティーザー予告篇以来、全く情報が無かった『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。

遂にその実態を、やっと見えせてくれました。

元旦に公開された映像よりも、圧倒的な情報量の多さです!
正直、ビックリしました!!

この映像を観た、正直な感想ですが…。

以前にも言いましたが、予想したよりも悪くない(笑)。

少しスケールが小さい(例:地底都市やヤマト・ブリッジ等)と思う瞬間や、リトル・グレイみたいなガミラス星人(コレってホンマにそうなのか?!)を観た瞬間は違和感があったが、現時点ではコレだけの完成度ならば「観たい!」という期待度は俄然高まりました。

キムタクよりも、柳葉敏郎氏扮する真田さんのハマりっぷりが圧巻!!

ハリウッドにおけるこれまでの残念な日本産実写映画化の数々を思うと、コレを観れば充分に(現時点では:苦笑)期待してもよさそうな予感がします。

7月、劇場で予告篇を体感したいと思います!!



映画残虐物語と肉食系映画雑誌

2010-06-21 22:02:42 | 本・雑誌
仕事帰りに「映画秘宝」を買う。

今月号の表紙は、最近売り出し中の川島海荷嬢。
最近のアイドル&青春映画には欠かせない女優さん、「先物買い」の映画秘宝を経て今後の大ブレイクへの期待が高まります。

さて、今月号に関しては『プレデターズ』の特集があった訳だが…。
コレが公開前の情報規制もあるのか、全く目新しい情報も無ければ、秘宝らしい独自の観点によるコラムも散々たるもの。
プレゼントは良いが、正直ガッカリした(過去に確執があった20世紀FOXとの微妙な関係もあるだろうが:苦笑)。

散々たる『プレデターズ』とは異なり、かなり気合いと根性を入れまくったメインの大特集は「宇宙残虐物語」(アレ?『プレデターズ』もこの特集枠では!?)

そんな中でも、最近日本でも公開延期や中止で物議を呼んだ“あの映画”を大々的に取り上げている。

個人的に“あの映画”に関しては、以前このブログで自分の作品に対する揺るぎない評価と基本姿勢を明確にしている。
今もそれに全く変わりはない。

ただ今回の映画秘宝に関しては、秘宝らしく「肯定派」と「否定派」の意見を明確にし、和歌山太地への取材と著名人による作品(と公開中止)へのコメントを掲載しつつも、ラストで鯨肉のフル・コースを食らう鬼畜ぶりには「秘宝」らしさを感じてニヤリとなる。
今、日本の映画雑誌にて“あの映画”を取り扱わずに、何を「映画秘宝」だ?!…と思っていたのでスッキリはした。

今回、映画秘宝が問題視しているのは作品云々よりも、公開中止に動いた圧力団体への糾弾がメインにあるのは判る。
認めない!とは言ったが誰でも観る権利はある、あとは本作を観た個人が考えるレベルにあると思うのは本音。

とりあえず“あの映画”と残虐モンド映画に余力を使い果たしたのか、それ以降は濃い中身ながらもテンションが低下しているのは残念。
もう充分に濃~いんですよ、ただ先日急逝したデニス・ホッパーへの追悼を含めても、読者としては「あれ?」って感じを拭う事が出来ないのが残念です。
とは言え、面白くて興味深い記事は満載です。
先入観を持たずに、楽しい残虐モンド映画の世界を是非堪能してみてください。

PS:祝・「日本映画仕分け人」連載スタート!!

PS:デニス・ホッパーを偲んで、この映画(彼のキャリアでは最も低迷期の出演作であっても)が一番好きでした。



PS:とにかく観たい!!




IRON MAN 2

2010-06-16 15:25:30 | 映画
『アイアンマン2』を観ました。

個人的には今年公開の作品において、並々ならぬ期待を抱いていた本作でした。
もう期待と興奮でパンパンに膨れ上がった状態で、劇場へと駆けつけて本作を観たのですが…。



今回も非常に良く出来ており、凄く面白かったです。
ただ、何か今一つ作品に乗り切れなかったと言うか、物足りないと言う感じが残りました。

ハッキリ言うと、作品としての完成度は傑作だった『1』よりも劣るし、水準ギリギリのラインだと思えました。
僕の一方的な期待が強過ぎたのか、とっても残念に思えます。







(注意:ネタバレ炸裂!!)






本作は前作のラストにおける「私がアイアンマンだ」発言(コレにはシビれました!)より、6ヶ月の世界が舞台です。
そこはスターク社主催による、科学の祭典「スターク・エキスポ」を華々しい開催されています。

本作の決定的な弱点として、オープニングの「掴み」が致命的なまでに弱いって事。

やはりスーパー・ヒーロー映画の「Part-2」は、セオリー通りに主人公たるヒーローの圧倒的な強さを観客に強烈にアピールする必要があると思います。




今回は華やかなヒーロー・アクションというよりも、トニーというキャラクターに焦点を当てたドラマがより重視されている。
しかし、脚本が弱くてその後の展開が怪しい。
アイアンマンことトニー“社長”スタークは、自らの存在が超兵器化され世界の安全保障に絶大な影響を持っています。
その無敵ぶりをタップリとアピールする事により、後に「私は“平和”を民営化した!」と公聴会で大口を叩くものの、自ら開発したアーク・リアクターにより肉体が蝕まれていき自暴自棄になって孤立するトニーという複雑なキャラクターをより鮮烈に描く事が出来て、よりディープなドラマを描けた筈。



トニー自身、迫りくる死の恐怖、自分と同じ力を持ったイワンという新たな脅威の登場、世界の平和を護るというプレッシャーにすっかり押し潰されてしまう。
それを救うのは前作でもラストに登場した、秘密組織“シールド”の長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソンは超COOL!)。
彼はトニーに父が残した「遺産」の手掛かりを教え、トニーはその謎を自ら解いて文字通り「再生」します。
この辺りの描写は非常に重要なのに、何故が妙にあっさりしており、一体何にどんな意味を持っているのかが解り難い。



ポイントを外した脚本と演出ながらも、そこに説得力と存在感を与えているのはトニーに扮するロバート・ダウニーJrの演技力。
どんな危機的な局面にあっても飄々としていると言うか、危機感を感じさせないトニーのちょっと抜けた存在感をロバートは見事(ジャーヴィスと不器用くんとのボケとつっこみが少ないのは寂しいけど:笑)に自分のものとして演じきっている。
本作はこのロバートの魅力によって、作品の持つ粗さを随分とフォローされていると言っても過言じゃない。

良くも悪くもトニーの存在感が強過ぎるので、本作でミッキー・ローク演じるウィップラッシュ/イワン・ヴァンコのキャラクターも弱くなっている。



イワンの父親が共同で開発したアーク・リアクターの利権を、スターク一族に独り占めされたと逆恨みするイワン。
それだけでは彼のサイコな雰囲気と、その憎悪をつなげるには説得力が足らない。
クライマックス、あのロボット大戦の中に乱入する際も、パワード・スーツのデザインも平凡。
せっかくの敵役なのだから、アイアンマン型でない悪役っぽくてド派手で厳ついデザイン(アレではアイアン・モンガーと変わらない)にして欲しかった。



同じ悪役ならばトニーに異常なライバル意識を抱く、ハマー社の社長ジャスティンを演じたサム・ロックウェルの方が秀逸だ。
目立ちたがり屋(プレゼンの時に踊りながら登場するシーンは爆笑)で、神経質でいかにも小悪党っぽい雰囲気が素晴らしい。




更に本作で光っていた、美しくセクシーなヒロインであるブラック・ウィドー/ナタリー・ラッシュマンを演じたスカーレット・ヨハンソン。
彼女は実はとても小柄だったりするが、鮮やかなアクションもあり大きな存在感を発揮している。
彼女は『アベンジャーズ』への参加に大変意欲的らしく、是非続投して欲しい。

その分、割を食ったのは本作ではスターク社の社長に就任したペッパーを演じたグウィネス・パルトロウ。



前作では傲慢で我が儘なトニーを健気に支えるヒロインを好演していたが、本作では社長に就任したので結果的にトニーとの間に距離が出来てしまう。
その「心の隙間」に、上手い具合にナタリーが忍び込んだ事となり、ペッパーの存在感は薄くなったのは残念。
トニーとペッパー、そしてナタリー。
この三角関係をもっとしっかり描いていたら、より物語は面白く展開しただろう。

とは言え個人的にはラストにおける、凄まじいロボット大戦によりこれまでの不満は帳消しになった(苦笑)。
とにかくローズ(ドン・チードルはミス・キャスト!)が装着する、超重武装で身を固めたウォー・マシンのカッコ良さには惚れ惚れする。
勿論、例の超秘密兵器「別れた妻」にも大笑いしましたが。



ハマー社製の量産されたロボット軍団との激突や、ラストに登場するアイアンマンの掟破りな必殺技を含め、アイアンマン&ウォー・マシンの大活躍には超合金好きの男の子の魂を充分に熱く燃やしてくれました。
ラストに飛び出した逆転満塁ホームランにより、本作にある様々な不出来で怪しい要素を何とかフォローする結果となりました。



前作以上に出番も増えて、すっかりメイン・キャラの一人と化した運転手兼ボディ・ガードのハッピーを演じた監督ジョン・ファヴロー。
自分の演じるキャラによる寒いギャグを入れくらいなら、もっとドラマの面で脚本と演出を丹念に練り直して欲しかったです。
最後に、本作は来るべきマーベル・ヒーロー大集合映画『ザ・アベンジャーズ』と、来年に公開される『ソー』や『キャプテン・アメリカ』の細かいネタが満載されています。
ラストではニュー・メキシコにアレが…劇場でご確認下さい(笑)。
エンド・ロールになっても、絶対に退席しないで下さいね!!
ファヴロー、自分が『アベンジャーズ』の監督をやりたい!と絶対に言わない事を願います。

ドラマとして少し方向性が見失い、『アベンジャーズ』や一連の作品へのネタフリもあり、せっかく面白くなる要素が満載ながらも、それが作品に生きていないのはファンとしては非常に残念無念でありました。


「私が作り出した最高傑作は、トニー…お前だ。」


襲いかかるスーパー・プレデター軍団!!

2010-06-15 21:55:25 | 映画
もう何も言いません。

コレはヤバい!

この夏、宇宙最強の肉食系狩猟戦闘生物が我々に襲いかかります!!

一体どんな事になるやら?!


多分、コレが「クラシック」と呼称されるタイプ。








コレが噂の「ブラック・スーパー・プレデター」こと“フラッシュ”!!
(やはり「ブラック」と呼称する説もあり)









そして…コレが「謎のプレデター」。
「ファルコナー」と呼称されるヤツか!?
(鷹みたいなクリーチャーじゃないんだ?)










他にもこんなヤツも出て来るようです。
(何だかジャギっぽい:笑)






明らかに他のプレデターとは、大きく雰囲気が違う醜悪かつ異形さ。
“フラッシュ”の素顔という可能性もあります。










ハウンドが主人公達に惨殺されてます(笑)




本作のハイライトと前評判の高い、ヤクザ・ハンゾー対プレデターの一騎打ち。





とにかく大変な夏になりそうな予感がします。
今から公開が待ちきれないし、予告篇第2弾の公開が楽しみです!!



今年の夏は、もう『プレデターズ』で決まりですね。

PS:あぁ、多分映画版フィギュアの争奪戦&金欠に苦しみそうです(苦笑)。


疾走するハウンド

2010-06-13 23:34:54 | 映画
『プレデターズ』のTV予告篇が公開されました。

基本的には先に公開された予告篇と大差は無いものの、幾つか今まで観た事の無い新しいカットも挿入されています。
ヤクザのハンゾー氏が大活躍する予感です(笑)。

先の予告篇でもチラっと登場していたものの、今回のTVスポットにて疾走するプレデターが飼っている猟犬「ハウンド」の姿がしっかりと確認出来ます。

ネットに流失したデザインはこんな感じ。



トゲトゲしており、いかにも凶悪・凶暴っぽいデザインです。
しかし、今回のTVスポットで疾走する姿は…ホンマに「犬」!!(笑)
ちょっと可愛く見えました。
でも、コイツらにキャラクターの誰かは襲われて死ぬみたいだし、可愛いって言ってられないのが現実です。

公開まで、もう一ヶ月を切ったので、そろそろ「動くプレデター」の姿がハッキリと観れる新予告篇の登場に期待したいと思います。