新年度・新体制。
例年とは比較にならない程に、毎日何かと修羅場だったりで正直心身共にかなり滅入ってます(苦笑)。
そんな中で、このブログで何かとネタにして追い続けていた『バトルシップ』。
観てきました。
いや~コレは凄い!
もう滅茶苦茶面白かったです!!
ハッキリ言うと突っ込み所が満載のバカっぽい雰囲気ながらも、そんな事を完全に忘れさせてくれる熱くて燃える展開が素晴らしい。
昨年から続いた「異星人による地球侵略」系作品、その流れにおいても最後の決定打になるだろう傑作だと言えます。
細かい事は別にして、この観終わった後に訪れる興奮と爽快感…やはり劇場で観るSFアクション超大作はこうでないと!って思わしてくれる醍醐味に溢れています。
(基本的にネタバレ御免!!)
ぶっちゃけて言えば、物語的に目新しい要素は無い(苦笑)。
極端な言い方をすれば、海を舞台にした『ID4』+『宇宙戦艦ヤマト』÷『トランスフォーマー』って感じ。
だが、それに正面から向かい合ってコレだけ面白い映画に仕上げる所に、監督ピーター・バーグの才能と卓越したセンスを感じる。
主人公は無鉄砲な海軍士官のアレクッス・ホッパー。
演じるのは次世代のスターとして注目される、新鋭タイラー・キッチュ。
序盤での身勝手な熱血バカぶりは笑えるが、異星人の襲来と人類滅亡と言う危機を前にしてヒーローとして成長する姿は小気味良い。
ユーモアと茶目っ気を忘れずに、凛々しくも激しいアクションをこなす姿には大きな可能性を見いだす事が出来る。
しかし、そんな主人公ホッパーを完全に食ってしまったのが、自衛官・永田を演じた浅野忠信の圧倒的な存在感。
最初は少し嫌味を効かしたライバル役かと思ったが、実は冷静沈着で優秀な人物。
この想定外の非常事態に対して、勇敢に立ち向かう姿には日本人として感銘を受けてしまう。
時折出る、“素”を思わせる日本語の台詞も妙に可愛らしい(笑)。
近年のハリウッド系大作において、ここまで知的でクールな日本人のキャラクターは久々の登場ではないだろうか?
元がゲームである本作の要素を生かし、永田の秘策により反撃に出る中盤からの展開は激しく燃える。
あと何と言っても終盤の展開。
かつての英雄である退役軍人(爺さんばっかり!:笑)たちと、老朽艦である戦艦ミズーリを復活させて最後の反撃に出るシーンは観る側の魂を震わしてくれる。
普通に考えたら70年も前の戦艦一隻。
はるかに進んだ科学力を持った敵、それもラストに登場する超弩級な母艦に立ち向かえる訳がない。
でも、そこに『宇宙戦艦ヤマト』に通じる燃える漢のロマンが存在する(自嘲)。
真珠湾を舞台に、かつては敵だった者同士が協力し合う事により、新たな脅威を打ち砕くと言う展開が良いのだ。
その後に訪れる結末。
もうベタベタなまでにハリウッド系アクション大作のエンディングではあるが、だからこそ“泣き”ではなく“爽快感”を与えてくれるのだろう。
個人的に注目していたエイリアン。
地球に似た惑星から襲来しただけあり、比較的爬虫類的ながらも人間に似ている姿も斬新だったかと思う。
コレで、まんまグロい姿であれば全く違った印象になっただろう。
あと予告篇で強烈な印象を与えた、例のエイリアンによる侵略兵器である“コマ”。
個人的には「ガンダムF91」の“バグ”みたいに、情け無用無い極悪兵器かと思った。
でも実は武器や破壊対象以外には攻撃を加えず、人間を全く無視する人道的な兵器だったのも驚いた。
今回襲来したエイリアン達は「先遣隊」でもあったのか、必要以上の戦闘を避けているようにも感じた。
捕まった仲間を助けにきたり、戦う意志の無い者を襲わないのも少しプレデターっぽい雰囲気もした。
個人的には普通に極悪非道なエイリアンであっても良かったかも思うが、大敗を喫して逆襲に来るであろう続篇(あるのかな?)に期待しよう。
他にも燃える要素は一杯ある。
身体を負傷した事により退役し自暴自棄となっていた元兵士ミック、美しく優しくも勝ち気なヒロイン・サムの活躍。
そして美味しい見せ場を持って行くヘタレな科学者ザパタ、様々なドラマがバランス良く絡み合っている。
正に劇場で観てこそ楽しめる傑作。
バカっぽい? 突っ込み所が満載?!
そんな事は全く問題無い!
ここまでカッコ良くて燃える映画は素晴らしいと言いたい!!
「君と一緒に戦えた事を誇りに思うよ。」
PS:エンドクレジットが終わるまでの退席は厳禁です(微笑)。