興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

長時間の退屈な仕事が苦痛なひとへ

2012-12-25 | プチI/O心理学

 日々の仕事における悩み、問題は、人それぞれで、「仕事が多すぎる」、「時間がいくらあっても足りない、あっという間に一日が過ぎてしまう」、という悩みを抱えている人もいれば、単純作業の仕事に(仲間とおしゃべりしたり音楽を聴くことなど厳禁な環境で)かなりの長時間従事せねばならなく、「集中力を保つのがとても難しい」、「一日が永遠に感じる」、という悩みを抱えている人もいます。

 前者の方が相当なストレスを経験していることは、多くのひとにとって、その経験からも、想像に難しくないと思いますが、後者の方のストレスも、実は相当なものだったりします。というのも、忙しすぎる、仕事が多すぎる、という、「刺激過多」が我々人間にとってのストレッサー(ストレス源)になるように、刺激が少なすぎる、チャレンジがない、退屈、という状況も、実はかなりのストレスになるからです。そして、後者のような環境に置かれた方は、前者の方以上に相当な工夫が必要だったりします。

 しかし、改善の方法はあります。

 我々の時間の経過の感覚は相対的であり、私達の頭の中の時間の流れと外の時間の流れの相対的な差によってそれが早く感じられることもあれば、永遠に感じられることもあります。幼少期、また、小学生のころ、一日がものすごく長く感じた、というひとはとても多いですが、それは当然で、子供の頭の回転、処理速度はものすごく速いので、彼らの頭の中の時間の流れに対して外の世界の時間の流れがものすごく遅く感じます。

 頭の中の処理速度は年齢とともに緩やかになるので、お年寄りが、一日が瞬く間に過ぎてしまう、というのもそのためです。また、あなたが仕事などのアポイントメントに遅れていて人ごみのなかを急いで移動しているときに、他の多くの歩行者がものすごく遅く感じるのも、外の時間の流れとあなたの頭の中の処理速度の大きなギャップによります。

 さて、本題に戻りますが、仕事が単調であればあるほど退屈が経験されるものですが、可能であれば、作業速度を疲れない程度に極力速める、という方法があります。あるいは、Multi-tasking、いくつかの仕事を同時に行う、という方向もあります。これはつまり、あなたの頭のなかの処理速度と外の世界の時間の流れのギャップを縮める試みです。

 忙しくなればなるほど、時間は短く感じます。

 これらが難しいのであれば、与えられている仕事にあなた独自の基準で無理矢理でも更なる完成度を追求して任意に仕事内容を難しくする、という方法もあります。その高い完成度を満たすためには新しい作業が加わり、また、あなたが自主的に設定したものなので、そこにモチベーションができる可能性も高まります。これだけでもだいぶ時間の流れは早く感じられるでしょう。

 (この記事は、以前知恵袋で回答したものを編集したものです)


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2 コメント

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謹賀新年 (Nancy)
2013-01-04 04:25:27
よだかさん、新年あけましておめでとうございます。
無事に2013年になりましたね。
(書き込むところが無いのでここに新年のご挨拶を書かせていただいております・失礼~笑)
白地にデザインが変わり、見易くなったような気が致します。
今年もブログに立ち寄らせていただきますので
どうぞ宜しくお願い致します。
これからもアカデミックな面白い情報、興味深い話などお聞かせ下さい。
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Unknown (Yodaka)
2013-01-06 04:57:26
Nancyさん、

明けましておめでとうございます。今年もよろしく。この冬は異様に寒いですね。昔LAに雪が降った記録があるけど、今年はもしかしたら、などと思ってしまいます。寒い日が続きますが、体に気をつけて過ごしてください。
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