このプログラムは、学生に“起業家”としてのスキルを提供することで、地球規模で突きつけられている深刻な課題の革新的な解決策を生み出すことを目指している。その手法は、徹底したブレーンストーミングで発想の展開を図り、そこから生み出される革新的なアイデアで、新たな技術や企業を誕生させる事である。
【講義の説明】
今回のテーマはチーム・ダイナミクスです。これは個人の創造性を、どの様にしたらチームの創造性へと展開するノウハウを学び、更にチームで働く上での注意点を学びます。
その為、学生たちに様々な人を演じてもらいます。それは、クリエイティブな人・事実しか信じない人・ダメ出し屋さんまで演じてもらう事です。
もう一つは、今回から最後まで課題に取り組むチームを編成し、どの様にしたら、より効果的に、よりクリエイティブに、働かせる事が出来るかを考えて行きます。
【ウォーミングアップ】
助手のレティシアからジャンケン戦争ゲームの説明がされる。
⇒私が合図をしたら”1・2・3・ハイ”と言って、隣の人とジャンケンをしてもらいます。勝った人は他の勝った人とやり続け、最後の一人に成るまでやり続けますが、最後の勝負は教室の真ん中でやります。
負けた人は、勝った人の後に並んで応援して下さい。その時は、必ず相手の名を叫んで下さい。そうする事で相手の名前を自然と覚えられるでしょう。
助手のレティシアから合図されゲームが始まる。
⇒最後の勝利者が決まり、学生たちは机などを元の位置に戻す。
【6色の帽子の説明】
ティナー先生から、「水平思考」の提唱者;エドワード・デボノ博士が開発した思考法である「6色の帽子」が説明される。既に、学生たちは心理テストを受け、自分の思考スタイルを示した色のシャツを着ている。⇒
≪思考スタイル≫
1)グリーン
創造性でリードする。アイデアを作り出す人。
2)ホワイト
事実を重視。データ好き。学者に多い。
3)ブルー
プロセル重視。段取りが好き。経営者に多い。
4)イエロー
和を重んじる。楽観的。仲間が上手くやって行く様に行動する。
5)レッド
感情で人を動かす。直感を重視。芸術家に多い。
6)ブラック
ダメだし屋。問題点を指摘する。
⇒これから行う「6色の帽子」は、人にはそれぞれ違う世界観をもっていて、仕事のやり方も違う事を確認する事です。また、様々なタイプになる事で、様々なタイプの人の事が理解出来る様になり仕事が楽に成った。
私は、何でも出来るタイプで、ブラックの人と正反対で、ダメだし屋さんが苦手でしたが、これをやった事で彼らを理解出来る様に成りました。
このテストは人の性格や趣味などを知ろうとする心理分析の一つで、星占いと同じようなものです。あまり深刻に受け止めず、人と会話するきっかけ作りの道具の一つだと思って下さい。
【グループ分けの実施】
一人に一枚づつパズルのピースが渡され、部屋の四隅にある動物(虎・ライオン・馬・シマウマ)のパズルを完成させて下さい。その絵のパズルを完成させた仲間が、最後まで課題をやる仲間です。
【スタイルの確認】
四人一組のクループが四つ出来た所で、シャツと同じ色のリボンを帽子に付けて、それを被って下さい。そして、始めの2・3分で自分たちがどんな仕事の仕方を好むのか話し合って理解して下さい。
例えば、夜型なのか、昼型なのか、何が嫌いか、リーダがやりたいか、決定の仕方はどうするか、コミニュケーションの取り方などです。
≪デスカッション≫
Aチーム
締め切りが有った方が良い/ぎりぎりはやだ/気に食わない意見はどうすれば良い/意見ははっきり言ったほうが良い。
Bチーム
すぐ人の上に立ちたがる者は嫌いだ/必要なら直ぐに行動に起こす/どんな事を質問する。
≪発表・評価≫
⇒大まかな事でも、細かな事で役に立つと思ったら発表する。/ミティーングを短時間にすます。/リーダは自然の流れで現れる。
この中からティナー先生は、リーダのあり方についてコメントする。社会人では上司がリーダとなって話が進む。その反面、独断的に成り易い。学生ではフラットの関係の為、リーダが出来にくく話がまとまらない。どうすれば民主的にリーダを決められるかが課題となる。
【課題1】
小さな家族経営の店が、大型チェーン店と競合するにはどうすれば良いか?
≪ホワイト帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
ホワイトは客観的、中立的に物を見て下さい。
⇒品質重視/顧客に細かく対応する/場所を選ぶ。
≪グリーン帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
創造性でリードする。
⇒ローケーション/客が自由に選べる/客も参加できる/客が値段を付ける/マニアル化されてない/品物の並び替えを自由に出来る。
≪イエロー帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
仲間が上手くやって行く様に行動する。
⇒ポジティブに物事を考える。問題が出来てからでも遅くない。
≪ブラック帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
ダメだし屋になって否定する。
⇒チェーン店になる。/客を信用しない。/盗む客がいる。/怒る客もいる。
≪レッド帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
感情・直感を重んじる人
⇒儲けを度外視する。/ホームレスにもあげる。/赤ちゃんにも何かしてやる。/ボーナスを上げる。
≪ブルー帽を被って課題1を考えよ。(5分)≫
プロセス重視。今までのアイデアを整理する。
⇒客との関係をどうやって構築するか。/購買リストを作成する。/常連客にそう。/プロモーションをする。/メールで情報提供する。/値段の価格帯に幅を持たせる
≪自分が一番嫌いな色の帽子を被って課題1を考えよ。(5分)≫
⇒データが少ない。/大型店につぶされる。/店舗が少ない。/値段が安く出来ない。
≪自分が一番好きな色の帽子を被って課題1を考えよ。(5分)≫
⇒客と環境問題に関われる様にする。/客もメンバーに成れる様する。/商品金額よってサービスを変える。/付けで買える様にする。
皆さん、やって見てどうでしたか?
⇒学生の意見::自分の色が途中で分からなくなった。/ブレインストーミングの順序(分析・検討・提案・評価・改善)と同じだと感じた。/同じ色の時にアイデアが出にくい。
/違う色同士の方がアイデアが出易い。/考えに幅があると思った。/パターンが変る度にそのパターンが得意な人に頼る。/緑の時の方がアイデアが沢山出た。
ここで皆さんに知って置いて貰いたい事は異なるタイプの人がいる方が、より良いアイデアが出易い事です。
・感想
私が共感した事は同じ色同士だと会話が進まず、逆に異なった色の方が進んだ事です。
・ティナ先生に下記の事を質問した。
Q1;この分野を目指したきっかけ?
⇒親が医者だった為に本が沢山あり、取分け小さい頃から脳の働きに興味津々であった。どうして人は色々なアイデアを出して行動出来るのだろうかと、それで精神科に進んだ。
Q2;今教えてハッピーな事は何ですか?
⇒私の興味の対象は、テクノロジーそのものでなく、どの様にしたらイノベーションと言う様な革新的アイデアが生まれ、それが製品にまでなるかを研究して体感できる事。
Q3;学生にどんなアドバイスを?
⇒よく学生たちから将来についてのアドバイスを求められますが、私も失敗したり、チャンスも逃がしたりして将来の自分の姿が分かりません。いつも、学生には一連の真珠のネックレスの様なものと例えます。
つまり、一つ一つ経験を繋いで行きながら自分のストーリを完成させるのです。そして、その事が他の人にも役立てられる様にしといて上げるのです。だから、私の人生は、まだ道半ばです。
Q4;誰でもクリエイティブに成れますか?
⇒人間は誰でもクリエイティブに成れると信じています。そして、私はクリエイティブに成れないと思っている人やクリエイティブに自信を持っている人に興味があります。
そして、それを研究出来る事は嬉しい事と考えている。また、人がクリエイティブでないのは環境と受け取るメッセージが違うと思っています。
Q5;このコースのユニークな点は?
⇒ブレインストーミングが出来ない人も、科学の実験は出来る。学校教育は、科学の手法ばかり教えている。科学の手法とは、既にある現象を発見する事に主眼が置かれている。例えば蛍イカから液晶TVが生まれた様に、
クリエイティブの手法は新しい事を発明する事に主眼をおいている。ツイッター、ユーチューブ、スカイプなど
最終課題
「コーヒーの新しい飲み方」について
常識破りのアイデア・試作品などありとあらゆる事をビデオテープを用いて2分間でプレゼントする。また、チームのプロセルを5分間で発表してもらう。
では前回で設計のプロセスを習いました。共感・定義・考察(BS)・試作・検証などでしたよ。今回は最終課題を考えるのにコーヒー好きな人と共感する為に4人のゲストを呼びました。
コーヒー会社に勤務していたジョージ、DJのロイ、コーヒーショップ店員のイセラ、プログラマのニッキです。10分間で何でも尋ねて下さい。
以上