【ティナ教授の起業家育成コース】このプログラムは、学生に“起業家”としてのスキルを提供することで、地球規模で突きつけられている深刻な課題の革新的な解決策を生み出すことを目指している。
第7回「あこがれの起業家に学ぶ」【授業の目的】
前回の授業では、トランプゲームを通じて創造性が組織のあらゆるレベルで発揮できる事を学びましたね。今回はクイズ形式で行います。
四つのクリエイティブな会社から、リーダ的な存在を担っている方々をお招きして、それぞれの会社の創造性の秘密を語って頂きます。それらの解答に、皆さんは驚くでしょう。
『授 業』【ウォーミングアップ】
今回も、助手のレティシアから、ウォーミングアップ用のゲームが説明された。「皆さん、13人づつ、2チームに分かれて下さい。その後、2分間で自分たちのチーム名とダンスを考えて下さい。」
【結果】
⇒Aチーム;「カフェインクール」
”カフェイン””クール”と叫びながら、一列になって同じ様に踊っていた。
⇒Bチーム;「ジャクソンサーティーン」
”サーティーン””サーティーン”と言いながら、個人がバラバラに踊っていた。
『起業家クイズショー』【クイズの説明】
今日は、皆さんに「実際の企業の中で何が起きているか?」を知ってもらう為、四人の素晴らしいゲストをお招きしました。どの方々も、今のトキメク企業で働いている人たちです。そして、その方々とクイズ形式で課題を出して答えてもらう事にします。
それでは、皆さんにゲストの人が来るまでの時間、ゲストの人のそれぞれの会社における創造性やイノベーションに付いて深く掘り下げる質問を、先ほどの2チームに分れて考えて下さい。
【課題】
手元に配れたカードに質問したい内容を書き出し、その中から各チームがまとめて、5枚づつの質問カードを提出する事。但し、読める様、丁寧に書く事。
質問のカテゴリは、①社員の採用②企業文化③アイデアの創造性④クリエイティブな人の管理や、それ以外のものでも良い。
出題の形式は、ティナ教授の5問と各チームの5問を合わせた合計15問の中から良いものを選び、ティナ教授が読み上げて、ゲストに質問する方法である。
------【開 始】------「カフェインクール」チーム;
⇒スーパースターは要るか?五分で人を見抜くコツ?、、、
「ジャクソンサーティーン」チーム;
⇒クリエイテブな条件、、最後に投票で質問を決めた。
------【終 了】------”終わりです。カードを提出して下さい。”と言いながら、ティナ教授がドラを鳴らす。そして、提出されたカードを見て”とても素晴らしい質問が集まりました。とても楽しみですね。”と言い終えると、ゲストが招かれ、紹介が始まった。
【ゲストの紹介】
- ジェフ・ホーキンス氏
⇒パーム社を設立後、情報端末PDAを開発、現在は脳神経科学に基づくソフトを開発中、今までに3社の会社を立ち上げて来た。(2社が上場中)
- ドナ・ノビツキー女史
⇒ベンチャーキャピタルで培ったコンサルタント業により、WEB会社のCEOを歴任して16社の企業を立ち上げたスペシャリスト
- ジュリー・ズー先輩
⇒彼女はティナ教授の教え子で、FB(FaceBook)に入社して3年目の社員。FBで「いいね!」ボタンを作った人でもある。
- ブレンダン・ボイル氏
⇒150以上のおもちゃの発明家で、業界をリードしている企業家でもある。
【ルールの説明】
まず、ゲストと学生たちを向かい合わせにさせて、ゲストを前のソファーに座らせた。ティナ先生はゲストに真ん中にある高いイスに腰掛けると、ルールを読み上げ、説明した。
- ゲストは、いつもホントの事を言うとは限らないものとする。
- 学生たちはチームで、ゲストの言う事がホントか、どうかを判断する。
- 判断が正し場合は1ポイントが加算され、間違った場合は相手チームに1ポイトが加算される。
----------------------------------【起業家クイズ・スタート】----------------------------Q1、面接で創造性をどう見抜くか?
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ジュリーの解答は「過去の作品を重視する」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、短時間の面接では判断出来ないからである。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ジェフの解答は「使っている携帯電話の不満な点を聞く」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ドナの解答は「あなたはイヌ型人間か、ネコ型人間かを聞く」と言うもので、ウソである。話のきっかけに過ぎない。≪得点;自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ブレンダンの解答は「候補者1人を35人で面接する」と言うもので、ウソである。面接は大体15人程度でしている。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
Q2、創造性を高めるチームの構成方法は?
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ブレンダンの解答は「一番熱意ある人が担当出来る様にする」と言うもので、ウソである。なぜなら、仕事は熱意だけでダメで、技能も必要なんだ。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ドナの解答は「各セクションから1人ずつ希望者を集める」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ジェフの解答は「カニ歩き体操などで交流を深める」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、社員にフィットネスオタクがいて、2・3人でやっていた所に皆が参加する様になり、雰囲気が和らいで仕事が進む様に成った。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ジュリーの解答は「どの様に仕事を進めるか1人1人が決めて良い」と言うもので、ホントの事である。FBでは各グループが小さい会社の様に運営されている為、成果さへ出せば決まりは無い。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
Q3、創造性を高める為のオフィス空間の工夫は?
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ジュリーの解答は「目指しているネット社会と同じ様に、CEOの部屋もガラス張りにしている」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ジェフの解答は「街の中心にオフィスを作った」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、小さな会社は何処にでもオフィスを置ける利点があり、お店や飲食店が沢山有った方が有利に働く、≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ドナの解答は「最上階フロアの屋上に通じる部屋にオフィスを構えた」と言うもので、ウソである。なぜなら、天井が高い方がアイデアが出易いが、サフランシスコはとても寒かったからダメであった。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ブレンダンの解答は「海外支局からの電話は相手国の訛りで答える」と言うもので、ウソである。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
Q4、アイデア出しに使う時間は仕事の何%?
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ブレンダンの解答は「クリエイティブ、アイデアの実現、マーケティングのそれぞれに1/3づつ分けている」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ドナの解答は「無料のWebサイトを作っている時はアイデア出しに10%、ブログラムや宣伝活動などの実現に90%を費やす」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ジェフの解答は「メリットを説明出来れば、好きなだけ好きな事が出来る」と言うもので、ウソである。実際は実行レベルに成るとそうは行かない。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ジュリーの解答は「FBにはクリエイティブ専門、ダメだし専門がいる」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、社員が3000人いて独立している為に、アイデアを慎重に吟味する必要がある。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
Q5、アイデアを実行する決定権は誰に?
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ジュリーの解答は「社長が、デザインなどの全を最終的に判断する」と言うもので、ウソである。なぜなら、目で確認出来る情報は何処かの段階でチックするが、プログラムまでは確認しない。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ジェフの解答は「独裁者に思えるがビジョンを統一する為、CEOである自分が全て決定する」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、立ち上げたばかりのではブレ無い様にする為である。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ドナの解答は「CEOと営業責任者を会議室に閉じ込めて決めてもらう」と言うもので、ウソである。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ブレンダンの解答は「多数決で決める」と言うもので、ウソである。実際は多数決だけでなく、試作品を作って証明する必要がある。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
Q6、アイデアを出すための道具やシステムは?
【カフェインクールの判定;ウソ】
⇒ブレンダンの解答は「コーヒータイムを設け、その時は出来事(トピックス)を話題に誰とでも会話をして交流を深める」と言うもので、ホントの事である。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ドナの解答は「なんでも話そう会議を作った」と言うもので、ホントの事である。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ジェフの解答は「市場で最悪な製品を積極的に使いこなして何か良い点を探す」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、どんなものでも何か、一つぐらいは学べる。≪得点、自己チームに1ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ジュリーの解答は「図やチャートを作って視覚的にアイデアを人に見せる」と言うもので、ウソである。なぜなら、FBではスケッチブックに書いたり、ホトショップで、直ぐにプログラムを書く。≪得点;相手チームに1ptが加算≫
Q7、最終問題は5ptです。その問題は、クリエイティブな空気は誰が作っている?
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ジュリーの解答は「社員全員から湧き出している」と言うもので、ホントの事である。なぜなら、採用する時に、そう言うカルチャを意識して人を選んでいるから、≪得点、自己チームに5ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ホント】
⇒ジェフの解答は「一人のユニークな社員が作り出している」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに5ptが加算≫
【カフェインクールの判定;ホント】
⇒ドナの解答は「創業者の一人がキーパーソン」と言うもので、ホントの事である。≪得点、自己チームに5ptが加算≫
【ジャクソンサーティーンの判定;ウソ】
⇒ブレンダンの解答は「特定の個人が作り出している」と言うもので、ウソである。≪得点、自己チームに5ptが加算≫
----------------------------------【終 了】----------------------------【結 果】
カフェインクール:カフェインクール=21:23で、カフェインクールが勝利を納めて、勝利のダンスを踊る。
←-------------[ゲストのまとめ]-----------→【ジュリー・ズー】
- 大きな組織は「クリエイティブ」と言う尺度だけで人を管理出来ない。
- 膨大な数のユーザーに向けて、製品の品質を検証する人たちの仕事の比重が大きい。
- 創造性のある会社の雰囲気作りは採用から始まる。
【ジェフ・ホーキンス】
- 自分の使っている物の不満点を徹底的に洗い出す。
- どんな悪い製品からでも、必ず一つは学べる点が有る。
【ドナ・ノビツキー】
- メンバーが刺激を受ける様にユニークな会議のあり方を提案する。
- チーム編成の時はなるべくセクションの違う人と組み合わせる。
【ブレンダン・ボイル】
- チーム編成は「熱意」だけでは出来ない。
- 100%のクリエイティブは有り得ない、売る事も大事である。
- クリエイティブなアイデアを選択する時は、必ずしも多数決が効果的でない場合がある。
【学生の意見交換】・アリサ
⇒ジュリーのコメントが、とても印象的でした。FBはとても大きな企業なので全員がアイデアを出し合って、すべてのアイデアの試作品を作ってテストする事が不可能と言う事実を学生では考えられない。
・ジャック
⇒面白いと思った事は、ここでウソと判定された内容も、状況次第ではホントに成り得ると思えた。立ち上げたばかりの会社では、カルチャー・ルールなどは、常に変化する状態であるからだ。
・キャット
⇒会社の歩んでいる段階で状況が変って来るんだろうなと感じた。例えば、FBが今やっているレベルの事は、他の会社では当てはまらない事だと思った。
・サラ
⇒全般的に感じた事は何か一つの事でなく、様々な解答が存在すると感じた。
・アレックス
⇒ジェフさんが”一日中、成果が出ない事をやって居ても正当性が証明されれば良い”と言っていた時、ブレンダさんは笑っていたので、ホントにそうなんだろうか?と感じた。
ジェフは笑いながら”それが僕の仕事なんだよ。”と答えると、アレックスは”様々なアプローチがあると感じた”と述べた。
・女子学生
⇒話を聞いて自分の思い込みが、以外に強かったかを知りました。企業の中の創造性について絶対にウソと思った事がホントだったりした。
・ティナ教授
⇒私が思った事は、ほとんどの場面で学生の皆さんの意見が分かれ、13人にして置いて良かったと思った。
・ブレンダ
⇒皆さんを、こちらから観察していた。すると、ウソとか、ホントとか真剣に考えて、一生懸命に自分を納得させていました。なぜ、他人を説得しょうと思わなかったのか?他人を説得しても良かったのに、
私の好きな諺に「自分が声を上げる時は、自分が正しいと思え、相手の話を聞く時は自分が間違っていると思え」があります。会社面接の時は声を上げて下さい。ただ聞いている人を会社は雇わないです。
・ジェフ
⇒人の採用は経歴にもよりますよ。学生の場合は、ひねった質問をどうかわしかを見ますが、5年以上の勤務経験がある人には、今まで一番のクリエイティブな仕事を徹底的に聞きます。
【今日学んだ事byアリサー】今日はシリコンバレーでも良く知られた企業家やリーダーの人たちの話を聞けて有意義な一日でした。そこで私が学んだ事は
- 創造性で知られた会社でも奇抜さ・自由さ、だけでない事。
- 常識的な組織のあり方や仕事の取り組み方にクリエイティブな要素が融合している事。
---------------------------------------------------【ま と め】-----------------------------------------------------今回の講義テーマ「企業の中でのクリエイティブな雰囲気の作り方」には、多種多様なアプローチの仕方があると言う事です。
今回、四人のパネリストにクイズ形式で参加してもらいました。四つの会社とも、非常にクリエイティブな会社であり、また、それぞれの組織の在り方も非常に異なっていましたね。つまり、創造性に富んだ会社作りに成功するには多様なアプローチが有るという事です。
一方、共通な点は、失敗するかもしれない状況をに立ち向う事を選択したという事です。それは、何かをやり遂げたいという気持ちで挑んでいるのです。
誰もやった事の無い事に挑戦する事を賞賛する雰囲気作りをしてたのです。それは、素晴らしい結果が得られる事を期待しているからです。
以上