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スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

今年もヒメボタルは光る

2014年05月25日 | ネイチャー/ペット
名古屋市天白区にある相生山は、手付かずのまま取り残された山です。取り残されるとは言い方が適切ではないかも知れません。そもそも山に手を付けなければならない道理などあるはずがないからです。その道理とは道路を建設することなのですから皮肉なものです。まったくの野生のヒメボタルの群生が政令市令都市の中で観られるのは奇跡と言う他ありません。徒歩で行ける最寄り駅が地下鉄の駅ですからね。今年は、気温が低いので出始めが遅かったみたいで本来ならトップシーズンのはずですが、おそらく来週か再来週になりそうです。今年は、初めてヒメボタルを観たいという方々を案内することになり、自然を守る会の近藤さんにガイド役をお願いしました。少し肌寒くて半袖で来たのは間違いでした。ヒメボタルは、深夜になって光りを強めるホタルです。そのことはヒメボタルを保護する上で不利です。夏の暖かい時期に日没後に光るゲンジやヘイケは、自治会が出店と提灯を並べ、チラシを配って花火を打ち上げれば、家族連れを呼び込むことができるので一儲けすることが可能です。幼虫を養殖して川に放流することだってできるので、潮干狩りのように人の手で造ることだって簡単です。照明無しで坂を登らないと観賞できないヒメボタルは得する人がいません。投資もリターンも期待できないのです。知る人が少ないのは良かったのか悪かったのか。今年、市長の河村たかし氏が判断する予定になっているそうです。道路工事予定地は、ヒメボタルの生息地のど真ん中なので、ひょっとすると今年が開発の影響を受けない最後の年になるかも知れません。相生山は、敷地が広いのですがヒメボタルの出現する場所は多数あります。穴場もあるのですがそれは秘密。山の高い方から日を追うごとに徐々に谷へ下がる傾向があるようです。今は梅畑がスポットです。人も多く来ていました。プロなのかアマなのか分からないカメラマンも結構来ていました。シャッターチャンスも少ないし、僕の持っている機材の機動力も大したことないので撮れる写真も限界があります。特にピントは苦労しますね。補助光を発するのは厳禁なので手探りで合わせるしかありませんでした。この写真がやっとです。ヒメボタルは無言で輝いていました。真っ暗な闇の中で観る光りはとても力強く感じました。ずっと昔から、いつからなのか分からないくらい過去から、自らの生命の掟に従って、ヒメボタルはお互いを確認するようにシンクロナイズして光るのです。


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河口湖から眺める夜明けの富士山

2014年05月19日 | ネイチャー/ペット
久しぶりに一泊のバス団体旅行へ行くことになりました。今年は町内会の町会長をすることになって、いろいろと苦労をしていますが、その町内会長を束ねる組織もあり、市の職員と共に研修旅行が毎年開催されます。今年の目的地は河口湖。研修と言っても親睦を深めることが目的なので、工場見学が組まれているものの、道中はお酒が入ることが多く、レジャーの要素が大半です。右も左も分からないまま、普段は雑用やら頼み事に追われているので、時には役人や仲間の顔を覚えることもいいことではなかと思って参加しました。バスに乗り込むと、ずっと以前に勤め先にもあった社員旅行を思い出しました。バスガイドが付いて観光案内してくれるなんてどのくらい前だろう?東名高速を東へ向かい、往きは草薙で昼食を食べて、その後は富士山を右回りで周遊し、河口湖の温泉宿に向かうコースでした。ところが朝霧高原の付近から大渋滞に巻き込まれました。日曜日の晴天。観光客の車で身動きできませんでした。原因は、本栖湖リゾートの芝桜です。とにかく人気のようでした。国道139号線は自動車で埋まってしまい、どうしようもないので綾小路きみまろのDVDを観るしかありませんでした。やっとのことで宿に着いた時にはもう日没間近でした。秀峰閣湖月は河口湖のほとりにある温泉宿です。窓から河口湖から望む富士山が見事でした。山梨県側からの富士山はまた形状が違います。というより静岡県側の富士山の露出が多いために山梨県側を知る人が少ないこともあるので比較してしまうからそう表現してしまうのです。円錐状の山は360度どこからも眺めることができるのでそれぞれ正面なのにね。それにしても同行者の平均年齢は高かったです。五人部屋で寝ましたが、うち二人が大いびきをかく人がいて中々寝付けず、午前3時だというのにもう起き出して部屋の中をうろうろしたり窓を開ける人もいるので熟睡できませんでした。朝、5時前には全員起床して朝風呂へ出かけるのでお付き合いも大変でした。でもおかげで日の出直後の夜明けの富士山を観ることができました。昨日からずっと雲がかからず、富士山は奇跡的に晴れ渡った景観を見続けられたのは運が良かったと思っています。河口湖の水面にうっすら反射して映っている逆さ富士まで拝むことができました。こんなシャッターチャンスは珍しい。残雪がある富士山はいいですね。絵になります。少し赤みがかかるのも朝焼けならでは。美しい山です。
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ナミアゲハの羽化

2014年04月26日 | ネイチャー/ペット
この一ヶ月以上の期間、ずっと我が家の中でテーマになっているのは町内会のことです。町内会長なんてやるもんじゃないとつくづく思います。ほとんど毎日何かやることが発生します。初めて任された役なので予想できないことの連続です。気持ちが落ち着かなくて何かをする気力を作ることが大変になってきました。休日の朝、久しぶりにバルコニーの植物達に水をやっていた妻がナミアゲハを見つけました。羽化したばかりで羽を乾かしているようだと言うのです。我が家の鉢植えの中では、柚子の木には毎年ナミアゲハの幼虫が棲みつきます。もしろん飛来した成虫のナミアゲハが卵を産みつけるからです。いつものようにその柚子の木をチェックしてみてもどこにもいません。そこではなく足下の小さな籠型プランターのフレームにかぼそく留まっていました。意外にも意外。サナギはそのすぐ近くのプランターの中にありました。一本しかない柚子の木は葉が食いちぎられているので餌になったはずです。だけど、羽化した場所と柚子の木の間は、他の鉢が並んでいるとはいえ、1メートルくらい離れています。わざわざここまで移動してサナギになったのでしょうか?それはともかく、いつも幼虫は大きくなるのにサナギになる前に消えてしまうので、無事に成虫に羽化したのを初めて見ることができて胸が熱くなる思いです。じっとして動かないのでシャッターチャンスはありました。写真を撮り終えた後、しばらくして飛び立って行ってしまったので、姿を見られるのはわずかな時間でした。鳥に食べられてしまうか、ハチにさらわれてしまうと考えていたけど、ひょっとしてサナギは場所を変えてしまうので今まで気付かなかったのかも知れません。それにしてもナミアゲハは美しいチョウです。黄色というよりパールホワイトのような羽とボディに漆黒のラインが入り、橙色と瑠璃色のグラデーションがまるで絵筆を使ってペイントしたような色の組み合わせに進化の神秘を読み取ります。初めて世の景色を複眼で見つめて何を感じているのでしょうか。連日の疲れから、ほんの少し安らぎを与えられた気がしました。心の余裕がないというのはこのことなんでしょうね。いつの間にか卵から幼虫が孵り、葉っぱをむしゃむしゃ食べて大きくなりサナギになっていたことに気が回らなかったのですから。
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がうっ!がうっ!がうっ!がうっ!がうっ!

2014年04月20日 | ネイチャー/ペット
室内で犬を飼うと運動不足になりがち。なんて言うけれど、屋外で鎖に繋がれたままの犬の不自由を思うと室内でのびのびしているほうがよっぽど活動的です。広い庭に放し飼いにしているなら別ですが。ハウンド・ドッグの血を引く我が家のミニチュア・ダックスはよく吠えるので鬱憤ばらしになるべく散歩に連れて行きます。外出が大好きみたいで喜んで付いてきてくれます。しかし、家の中で大人しくしてくれるという保証はありません。じゃれたい時はとことんじゃれてきます。そのじゃれ方が度を超すこともあり、少々うんざりすることもあります。どうにか気を紛らす方法はないかと妻が考案したのが、ペットボトルを与えることでした。最近ではペットボトルの容器でお茶などを飲んでいると、足下で興奮しながら早く渡せと要求してきます。空になったペットボトルの容器を樹脂のキャップを締めた状態で床に放り投げると、獲物を捕らえるように必死に襲いかかってくれるので、欲求不満の解消になっています。本能がそうさせるのでしょう。柔らかい肉球の前足で押さえ込もうとすると、ペットボトルは回転してするりと滑り、あらぬ方向へ飛び出すので、まるで生き残るためのように獲物は逃げる動作をします。これを繰り返して動けないようになると、今度は抱きかかえて一番硬いキャップをかじり破壊するのです。がうっ!がうっ!がうっ!がうっ!がうっ!と、それはそれは獰猛な肉食獣に変身するのです。そこには野生の遺伝子が確かに残っているのだと思い出させてくれます。それでもペットボトル作戦に必ずしも乗ってくるわけでもないので、最近はこのペットボトルの中に「おやつ」を忍ばせることにしています。「おやつ」は小さなビスケットです。鼻の良い犬は、当然ながらペットボトルの中の「おやつ」に気付きます。これがモチベーションアップのためには十分な仕掛けになるんです。しばらく転げ回るペットボトルを追いかけ回し、取り押さえることに成功すると集中してキャップを攻撃して噛み砕きました。ペットボトルが回転しない代わりに本人が回転するのを見ているのは実に面白い光景です。どうやって「おやつ」を引きずり出すのかと思っていたら、口でペットボトルをくわえたまま上に持ち上げて取り出しました。一見、お茶を飲んでいるみたいです。犬でもカラス並みの知恵は持ち合わせているんですねえ。何度もやらさたので短時間で手に入れる方法を見つけたみたいです。

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名古屋 相生山の山桜

2014年04月05日 | ネイチャー/ペット
桜満開の土曜日。相生山では春祭りが開催されています。徳林寺の境内では、賑やかに地元の方々が手前のお店を開いて縁日のようです。この日は、「相生山の自然を守る会」が月一で主催する「歩こう会」が行われるので僕も参加することにしました。天気も良くなって絶好のハイキング日和になってくれて助かりました。この会の代表の近藤さんとは古い付き合いではありますが、まさかこのような活動に力を注いでいるとは今でも不思議に思っています。自動車のことなら隅々まで知る人なのに。本日のテーマは桜を見ようという企画です。桜といっても相生山では、まばらに生えている山桜のことです。どこにどう咲いているのか普段歩き回っている人しか分かりません。桜に詳しい人も同行していただき、解説をしていただきながらの見学会です。桜はその昔は吉野のように山桜を観賞していたそうですが、江戸時代に野生種であるエドヒガンという品種とオオシマザクラという品種を掛け合わせてソメイヨシノという品種を誕生させてからは、挿し木で殖やしたクローンが全国に広がったという話はあまりにも有名です。僕だって知っていました。そのため園芸種であるソメイヨシノは、クローンをクローンで殖やすしかなく同じ体質を維持しています。だから気候の差で開花のタイミングが綺麗にズレてくれるのです。では、山に生えている野生の桜はどうかとというと、ソメイヨシノとの交配で生まれたものもあるそうで、正確な品種を言い当てるのは専門家でも至難の業なのだそうです。実際、相生山の桜を皆で調査してみると、完全な山桜よりも、オオシマザクラの要素やソメイヨシノの要素を兼ね備えるものが数多くあり、桜の雑種(ミックス)が当たり前なのだと知ることになりました。へえーです。見極め方をここでくどくど書くつもりはありませんが、花弁の大きさや色だけでなく、花柄や葉などに大きな特徴を持っていることに新鮮な驚きを感じます。林の中では新緑が芽吹き始め、緑の中に薄ピンク色や桃色の桜が差し込むように現れると、はっと目が覚めるような鮮やかさです。雑木林は絶えず変化しながら四季を通過しているのだと思いました。日が照ると野鳥の声も大きくなり、命の響きを聞く思いでした。こんな自然豊かな相生山ですが、開発着手の審判が今年執り行われるようです。残念ながら僕には何も権利がないので見守るだけですが、できればこのまま何もせず残して欲しいと願っています。

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宇陀 又兵衛桜

2014年04月02日 | ネイチャー/ペット
桜の季節になりました。皆さんが住む街の桜前線の様子はいかがですか?桜って蕾じゃさみしいし、できれば満開で見たいと思っていてもタイミングが合わないこともあります。ましてソメイヨシノだったら情報はたくさんあるけれど、早咲きや遅咲きの桜も豊富にある日本なので、いつ桜の名所に行ったら良いのか分からないことがしばしばあります。仕事で奈良へ足を運んだので今日は宇陀市の又兵衛桜を見学してきました。情報によるとまだ早いかなあと思って行ったらやっぱり早かったです。今日の天気は曇り空でしたので余計に桜もしょんぼりしていたような気がします。ところで車で奈良の山間を走り抜けると独特な印象を僕は受けます。上手く喩えられないのが歯がゆいのですが、山と山の間が狭くて、くねくねと曲がった路とアップダウンの雰囲気が他の土地と違うんです。どこか人懐っこい田舎の風景。又兵衛桜はその中に隠れるように咲いている一本桜です。正式な名称は「本郷の瀧桜」なんだそうです。大坂夏の陣で討ち死にしたはずの後藤基次こと又兵衛は生きていて、この宇陀で暮らしていたとされ、その屋敷跡にあった桜がこの又兵衛桜ということらしいです。不運が故に愛された武将のよくあるエピソードです。樹齢300年の老樹にはこのような伝説がまとわりつくのでしょう。今回、この桜を見てみたいと思ったのは、偶然と言えば偶然ですが、一本桜を見てみたいと昔から思っていたことがその大きな原動力でした。この辺りは住宅と田んぼで隙間のない土地なので、料金を払って指定の駐車場に車を停める必要があります。そして、整備協力金として100円徴収されます。まだ三分咲きといったところで、見学客はまばらでした。枝垂れ桜こそ満開でないと見応えがないと思いますね。まだ蕾の枝もあるので写真映えしませんでした。熱心なカメラマンも幾人かいて、ぼやきながら撮影してました。僕もこりゃ駄目だなあと思いながらも日差しが当たる瞬間を狙ったりして頑張って撮りました。帰りがけに結構遠方から大きなカメラで狙うカメラマンがいたので真似してみたら随分立派な桜に写すことができました。望遠を使うとボリュームが出るのですね。しかし、満開だったら良かったとつくづく思います。そうしたら凄い人だかりでカメラを構える場所がなくなるかも知れませんが。桜の写真は天気の良い朝がいいですね。一本桜を綺麗に撮れる男になってみたいものです。
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ラナンキュラス

2014年03月31日 | ネイチャー/ペット
3月31日は毎年何かの区切りになることがあります。年度末で予算が終了して一年の決算日であるし、学校は新学期の直前です。明日から新しいことが始まると同時にこの日で最後のなることもあるでしょう。2014年は、明日から新しい消費税になるので、巷では値上げ前の準備で大慌ての現場もあるとか。まったく、今まで何をしていたんだろうと思いますね。そんなことずっと前から・・・そうそれこそ高齢化社会が始まった時から。医療保障費が加算された時から。出生率が2を割り込んできた時から。こんなことになるのは分かっていたはず!ですよね。我妻の職場では、消費税対応を前日になってやっているようです。残業はいつ終わるのか分からないので、晩ご飯は急遽僕が作ることになりました。まったく。悪ガキの小学生が8月31日に溜め込んだ夏休みの宿題をするようなことをするなんて。皆さんの職場ではそんなことはないですよね。実は、この春から町内会長の役を務めることになって引き継ぎやら準備やらで我が家は大変なことになっています。よく分からないまま引き受けてしまい、蓋を空けてみたらやることが余りにも多いことに驚愕しているところです。という訳なので、今年はいつになく時間がない3月31日でした。いつもこの日は記念の花束を贈ることが習慣になっているので、目を付けていた花屋に飛び込んでさっと決めてきました。女性の店員にはチューリップやバラを勧めらたので(大抵はこう来る。)何か変わったやつがいいなあって切り返して目に飛び込んだラナンキュラスを指差すと、白ではなく薄ピンクもあります。と言って女性店員にバックヤードまで取りに行ってもらったヤツです。知ったかぶりで注文したラナンキュラスでした。僕はラナンキュラスがどんな花なのか知らなかったです。でも今日は男だったら知ってるような花を贈る気がしなかったんですよね。この花キンポウゲとも言うそうです。その名は聞いたことあります。一見バラなのかとも思いました。まだ早いので花弁が開ききっていませんが、もう少し大きくなるはずです。忙しくてゆとりの無い日々が続いていますが、花の一つでもあれば気が休まるかも知れません。季節は春なんですが、つい頭が熱くなってしまうんですよね。
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Sakura in TOKYO

2014年03月28日 | ネイチャー/ペット
春一番が吹いた後は暖かい春の陽気が始まります。コートを着て街を歩くと汗を感じるくらい日中は暑くなりました。重い荷物を持って東京をうろついています。ホテルのチェックインの時間までまだ少し時間がありました。先日は雨が降っていて、夜は肌寒かったのでスプリングコートが必要でしたが、今日は邪魔になっています。適当に時間つぶしになるだろうと思い日比谷公園へ足を向けました。霞ヶ関と銀座に挟まれ、皇居に隣接する都会のオアシスのような公園です。僕が好きな公園の一つです。平日の昼下がりでもこの公園のベンチに座るのは難儀なことがあります。何かに逃れ疲れたような顔をしたビジネスマンやOLが均等に一人ずつ距離を置いて整然とベンチに腰掛けているのですから。この光景は昔から変わらない気がします。かくいうこの僕も疲れたのでここへやって来たのですが。そう言えばそろそろ桜が咲く頃だな。そう思って園内の桜を探して見渡してみると、薄ピンク色に染まった木がちらほら見えました。花見でもするか。キャリングケースを引きずりながら近づくと、雲形池の脇に二本桜が咲いていました。ソメイヨシノは開花した花弁もあればまだこれから開く蕾もあり五分咲きといったところでしょうか。桜を眺めると春になった気がしました。公園の中に池があって噴水から水が溢れ桜が咲いている。長閑な風景です。しかし、僕はもう一本桜を見つけました。それは日比谷公園の中ではなく、幸門にある内幸交番の横にある街路樹の一つです。なぜか一本だけ八重紅枝垂れ桜が植えてあるのです。そして早咲きなのか見事に満開でした。色はソメイヨシノより強い色をして、通りすがる歩行者の目を奪っていました。ソメイヨシノもいいけれど、こんな風に寂しくも一本だけ交通量の多い交差点に花を咲かせるのも悪くないなと思いますね。そんなわけで腰掛けるところもなく歩道に突っ立ったままお花見をしました。反対側のみずほ銀行本店、NTTビル、そして街灯を背景に見上げる枝垂れ桜も良いではありませんか。日比谷公園自体がコンクリートとアスファルトに囲まれた都市の中にあるオアシスのような存在なら、この街路樹の一本枝垂れ桜も同じようにその存在は際立つ気がしました。普段から、ここに桜があることを知る人はあまりいないでしょう。ほんのわずかな短い間に咲いて散ってしまうわけだから。
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眠ってばかり

2014年01月26日 | ネイチャー/ペット
体調がちょっと悪いので、一日朝からパジャマを脱がず家で過ごしました。僕の家では犬を飼ってます。ミニチュアダックスです。名前はクルミと言います。メスのような名前ですがオスです。上の娘が名付け親です。とっても甘えん坊で、一日中ずっと僕のそばにいました。抱っこが大好きになってしまったのは僕のせいだと家族の者は言います。本来、集団行動が普通の動物なので一匹単体でいることに慣れていないようです。そして、誰もいない時は普段寝ていることが多いような気がします。シープドックのように羊を追いかけることもなく、警察犬のように捜査をすることもなく、介護犬のように目の不自由な人を誘導するなど労働することがないからです。アナグマ猟のためのハウンドドックとして生まれて来たのに、飼い主にくっついてきたり、すぐそばですやすや眠ることが仕事のようです。今年は10歳を迎えます。人間では52歳にあたるそうです。子犬の頃は、じゃれて遊び出すと同じことを何度繰り返しても飽きなかったのに、最近はじゃれる時間も少なくなりました。話は変わりますが僕は昨年、古い友人を亡くしています。とても亡くなるような年齢ではありませんでした。亡くなる少し前に療養中に携帯電話で話した時は、元気になったら会いましょうと約束したのに願いは叶いませんでした。励ましのメールは一度返ってきただけで、二度目はご子息の代筆になり、三通目を読むことはありませんでした。メールを送った後に逝ってしまったからです。今年、来ないことは分かっている年賀状を僕は待っていました。まだ届きません。毎年、いつも前向きなコメントを添えた葉書が我が家に届いていたのに。そうして、少しずつですが、友人はもうこの世にいないことを受け入れていくしかありません。寿命って何だろう?と考えるのです。犬の寿命は10歳と言われていましたが、最近は環境が良くなり長生きするようです。残りは何年だろう?あと三年、五年。何も考えていないように眠る我が家のワンコ、このクルミがそろそろお迎えが来るなんて想像できません。いつもそばに寄って来て甘えてくれるし、夜は一緒に寝たりしているので居るのが当たり前なんです。いなくなると寂しいだろうなあ。とてもいい寝顔。
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向日 向日神社の紅葉

2013年12月04日 | ネイチャー/ペット
向日神社には驚かされました。驚異と呼んでもいいくらいです。仕事で二日前にも京都には来ましたが、今度は向日市です。地元の人はともかく向日市は有名じゃないので観光で来る人はほとんどいません。僕も競輪場のイメージが強過ぎて歴史や文化の街とは思っていませんでした。紅葉の季節には、長岡天満宮、光明寺、善峯寺など名高い名所がすぐ近くにあるので、わざわざ向日神社へ出かける人はあまりいないようです。だから、向日神社の紅葉はゆっくり見学できるだろうと軽い気持ちで立ち寄りました。車で向かうと、どうやら競輪場のすぐ隣のようでした。ナビに従って向日町商店街(アストロ通り)を抜け、ハンドルを切ると視界に入ってきたのは、石畳の坂の参道でした。鳥居をくぐってトンネルのように紅葉した木々の枝に囲まれた坂の上には向日神社が待ち構えていました。突然の異空間であり、車で乗り入れができる参道だとは思っていなかったので感嘆の声が出ました。戸惑いながら昇り切ると境内の脇に駐車場がありました。誰もいません。(後からちらほら参拝者が現れましたが。)狭い道が多い向日町ですが、向日神社の敷地は意外にも広いのです。こんな場所があるなんて。びっくりです。長らくこの地へ訪問してきた僕でしたが、知らないことも多いものです。舞楽殿の奥の拝殿で静かに参拝を済ませてから裏へ回って紅葉狩りをしてきました。ぐるりと散策をして参道に戻ります。参道の紅葉は、坂の上からも下からも眺めて写真を撮影しました。好みによりますが、上から見下ろす方が綺麗かなと感じました。掲載した写真は上からのアングルが先で下からのアングルもテキストの最後に載せてみました。正直言って、紅葉のレイアウトはもっと工夫すると良いかも知れないと思います。だけどそうしたら観光客が押し寄せて穴場にならないかも。何も下調べをしなかったので、よく調べてみると、とても由緒が古い神社だと分かりました。向神社と718年に改築記録が残る火雷神社との合祀が1275年で、その時向日神社となりました。流造の本殿は1418年の建造で国の重要文化財に指定され、なんとその1.5倍のスケールで設計されたのがあの明治神宮だというのです!ええっー!その上に社宝が日本書紀 神代巻下巻(904年)。藤原清貫筆によるもので国の重要文化財なんですぅ!スゴっ。と何度も驚いた後に、ちょっと気になるのは、隣接する天文館です。プラネタリウムがあるんですよねえ。ひょっとしてアストロ通りってこの天文館があるから?楽しませてくれる向日神社でした。向日町恐るべし。ですね。



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