いかにも地味な内容をよく映画化できたな、というのがまずの感想。国家権力との抗争を屈しないでまともに闘った一人の税理士の話。家族との気持ちのつながりはほろりとさせられるが、別にテレビドラマでも良かった感もないではない。
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いやあ、面白かったです。
これが18年前に刊行された本と思えないぐらい斬新ですごいです。
コンピューターの仕組みも全く現代に引け目を取らない。一気に読めました。
娯楽作品の白眉ではないでしょうか、、。
何とかのベスト1というのも分かります。最高です。やはり岡嶋 二人はスゴイ!!
85点 . . . 本文を読む
革命と自由と、、。それは理論的な幻想的な革命ではなく、まさに死を賭けた戦争状態の革命前夜の時代。今まで何も考えていなかった女優が恋愛を通じて革命に目覚めていく。良くある話だが、流麗な演出が芳香性のあるボルテージを映像に与えている。
ミハルコフの流麗なタッチに今は失われた現代映画との差異を感じてしまう。当時のソビエト体制でこの自由さは何なんだ。ため息さえ出ますね。
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最初はコメディーかなあと思ったけれどシュールな映画だったんですね。後半から分かってきました。内容はさておき、映像が普通過ぎたかな。もっと凝って欲しかったかなあ。
公安部長に昇格した男の脳裏的妄想の世界とも受け取れるし、ラストは現実的だし、まあ深く考えなくてもいいでしょう。
イタリア映画だったけれど英語だったしなあ。風変わりな映画です.
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全体に強い芯のある映画だ。大人になりきれない女の子がふと転落してゆく青春ものでは決してない。彼女の行動にはすべて意思が見える。むろん、麻薬を運ぶときにもいろいろなことを想定してから自分の意思で選ぶのである。だから、悪夢を見たとしても彼女は後悔しない。いつも前を向いている。
この辺りが通常の転落ものでない女性映画である。
ブツを体に飲み込んで、入国するまでのいきさつは手に汗を握るスリル感がある。何か . . . 本文を読む
古くからあるテーマ「初恋」。10年後に故郷に戻ってきた男と女はすでに歳月という代物がすべてを変えてしまっていた、という古今東西の究極的なテーマを、悠然とした大河が流れるような緩やかなテンポで描く。
少々くどい説明調が気になるが、中国の自然が美しいので許せる範囲。
ラスト近くの水かさが急に増え始めている川のほとりでの3人3様の葛藤は唯一動的な部分だ。特に香川照之は聾唖者役だがセリフがなくても十分こち . . . 本文を読む
13歳の男の子の胸に突然今まで考えたこともない移民者の民族的問題。1週間の人間の生き死にの地獄をまさに自分が経験したことからもたらした課題であった。
この映画の鋭いところは政治で解決の出来ない部分をどこまでヒューマニズムで追求できるか、である。命の恩人なのに、難民者というだけで、強制送還される仲間たち。
まず、生きて飢えをしのぐためには盗みでも何でもしなくてはその日を生きていけないのだ、という当た . . . 本文を読む
イタリア映画の真髄を見る思い。ベロッキオの演出が冴え渡る。世界を震撼させた首相誘拐からテロへと移る「赤い旅人」の視点から見た人間の自由とは、、。
テーマが重いと思っていて敬遠していたのだが、本作は女性から見た輻輳した人間の思い、夢にまでつながるイマジネーション、かなり思い切った映像処理で広がりのある映像化に成功している。
緊密なショットが続くわりに、僕たちの気持ちを画面から離させないのは、政治的な . . . 本文を読む
全篇銃弾の音声が聞こえまくるアクション痛快作。その移動撮影はかなりの迫力で、主演の二人もなかなかかっこ良く見せ場は多い。
何を言ってもこの映画のハイライトは執拗に迫る銃弾戦だろう。演出も気が入っているからメリハリがありだれるところもない。
ケリー・チャンが少しオーバー気味の演技ではあるが、リッチー・レンが大きな演技をしているので余裕も感じられる。
まあ見て損はない香港アクション劇です。
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映像が素朴な色合いで、通常の家庭ビデオで撮った感じのドキュメンタリー風である。だんだんカルトに傾いてゆく男と意外や逆に男に献身的に連れ添う女。
これは愛の物語なのか、病気から来るカルトへ傾く男の病状をたどった映画なのかはっきり分からないが、とにかく全く僕らの位置から離れた世界の出来事ではないだろう。
女友達が来ていた時、変に落ち着かず、すぐ台所に逃げようとする男の行動は意外やなかなか面白く、話して . . . 本文を読む
デビュー作から6作とも直球勝負に出ていた是枝裕和監督が、時代劇人情コメディーという敢えて不得手と思われる分野に打って出た作品、なのだろうが、映像のクリアさ、俳優の演技は認めるものの肝心の僕の心に触れる何かが全くなかったのも事実。
あれだけいい俳優陣を集めていて、観客と距離があったのはやはり決定的な何かがこの作品にはあるのだろう。
まず、コメディーでありながら、館内ではほとんど笑いが見られなかったこ . . . 本文を読む
どうしてもオリジナルを知っている身からはかなり寂しい映画となってしまった。
まず、人間ドラマを描く気のないのは転覆までのあっという間の時間で知らされる。その後の肝心のパニックシーンはまあまあかな。しかし、船長の意思で待機していた客が一斉に水の悲劇になるシーンは描き足りずまるで予告編のよう。
問題の仲間たちで逃げるシーンの「蜘蛛の糸」は彼が順番でもきっちり自分を後にしていた人だったので、何故こうなる . . . 本文を読む
ふとしたことから子供を身ごもった女と事故で息子を失った女との再生の物語。
刺繍を織るように繊細でセリフも少なく登場人物の表情で心理を追っていくという映画ならではの素晴らしい表現で、生きていくことの一こま一こまを僕自身紡いでいく感覚で見入ってしまった。かなり綿密な演出なので、一人一人の心情が浮き彫りになっていく構成はうなるほどのしっとり感が漂う。
出演者の演技もいいね。最近では出色の素朴な映画だ。
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