140分余りの長尺なのに全然それを感じない素敵な作品でした。まるで日本のホン・サンスとでもいうべきタッチと展開が絶妙で酔いしれました。
人と人との関係は何なのか、ということがテーマだと思うのですが、題材が不倫などを堂々と出してきているのに、いやらしさがなくむしろ清潔感さえある。ところどころ聞こえる人生のエスプリもさもありなんとじっくり聴き耳を立てたくなるほど、納得させられる。
そういえば、人を「好きになる」ことにみんな悩んでおられましたが、決して「愛する」と言わなかったですネ。ラブなんていう抽象的なモチーフにせず、「好き」という実直的な方法を持ってきたことがこの作品の成功の秘訣かなとも思う。ストレートで分かりやすい。
中心人物である稲垣が「半世界」からそれまでを見直すほどのいい味を出せる俳優になっている。彼ももう50前か。彼なしではこの作品はなかったはずですね。その他の俳優陣もみんな自然な演技で親しみやすかったです。
今泉って、今まで相性悪いと思っていたけど、僕にとっては今のところ今年の日本映画のベスト。こんなに豹変するなんて、、。
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