うーん、言いたいことは分かる気もするが、少々稚拙だと思う。
大体、息子をイラクで亡くし、妻にも逃げられる神父を主人公にしているが、彼がなぜ環境活動家の思想にのめり込んでいくのかが描かれていず理解できなく、それ以降の展開も不信感が募る。
それをラスト、愛の力で収束するという思い切り大胆な手法で大きな感動を与えようとしているが、いかにも作り事・頭の中でのことのように思われてしまう。
一つの寓話としてとらえるには、この神父の心情にあまりに重く寄りかかるので、そう捉えることはできず、いかにも作り事めいてしまった感がする。
この映画ではあれほど聖書からの引用があるのに、何一つ心に響くものがない。神父は神の御心が聞こえないという。聞こえなくとも、察して神の言葉を聖書を通して伝えるのが牧師だろう。
ポール・シュレイダー は無神論的であると言えるのではないか。そういった視点からキリスト教を題材にしていいのか、という疑問は残る。
でも、たまにこういう映画も悪くはない。掘り下げ方はベルイマンとは雲泥の違いはあるが、現代におけるキリスト教と人との関係を問うのは必然であり、身近なことといえる。
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