モノクロ映画だ。少々薄めの色調。美しい。はっとする。出だしは朝食を食べながらの妻からの繰り言シーン。男は女の顔を見れず心は宙を舞い、逃げ惑う、、。僕らはもう完全にホン・サンス世界に入り込んでいる。
相変わらず左右に動かしたり、寄って広げてゆく独特なカメラワーク。現代では珍しいむしろ古さを感じさせる感覚だ。相変わらずのホン・サンス節が炸裂する。
ところが今回サンスは時系列的に面白い不思議な取り組みをしている。美貌のキム・ミニ という女優を得たがためか、自由気ままに時間軸を変化させ、観客をけむに巻く。いやあ、もう参りましたよ。ホント面白かった。すごい。
単純な男と女のヨタ恋愛話に膨らみを持たせているというか、。こういうところがサンスの才能の立派なところです。やはり古き良き時代のヨーロッパ映画の感覚が溢れています
もう次作が楽しみです。
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