劇場は地下1階にある。90度近い階段で降りる。そこは昔の防空壕である。意外ときれいで、いい空間でさえある。
まず最初はネルマ氏のギターの弾き語りから。4曲のライブ。意外と静かな曲が続く。彼だったらもっとシャウトすると思っていたから、少々びっくり。劇の時と同じくきれいな高音だ。心の曲である。
後半は演劇。ある日常の数々。一人の男がこの世から消えてゆくのか、その時の時間が近づいてゆく、、。男は最後の別れというわけでもないが、ただ相手の声を聴きたくあちこちに電話をかける。
昔、いやあ、かなり昔、僕が小学生だったころ、年の離れた兄に友人が会いに来た。なぜだかその時のことをずっと今でも覚えている。あとで、兄からその友人が自殺したと聞いた。人は死ぬ前に、最後の別れをするために方々の人たちに会いに行くことを知る。
この劇を見ていてふとそのことを思う。死ぬ前に、人はなぜ敢えて人と関係付けをしようとするのか。ただ泡のように素直に死ねないのが人間なのだろう。
この劇は最後1秒間の漆黒でこの男の死を暗喩する。
見事な劇である。
狭い会場ではありましたが、楽しんでいただけて嬉しいです。
熱量が迸るようなものもまたやりたいなあと思いつつ…
今後とも宜しくお願い致します。
ああいう狭い空間でも、防空壕なので、また一層感じたことのない空気感でした。
緊張もしたし、演劇の奥の広さを感じました。
また、いい舞台魅せてください。