日本映画にしては題材といい、野心的な取り組みと感じられる映画です。この種の映画は映画館にいる人だけが、彼らを理解できるが、その他大勢の一般人は既成事実だけで判断してしまう題材と言えます。
昔観たフランス映画の「シベールの日曜日」を思い出す。元戦闘員と天涯孤独の少女との純愛。これを世間は犯罪としか思えず、男は銃撃を受けてしまう。
この映画、二人だけの極限の状況での孤高の愛の成就なんでしょうね。純粋な愛の世界に二人は入っていたんだと思う。あくまでその愛が強すぎたので、それぞれ二人は収束点に戻ることなく、彷徨うことになってしまったのだと思う。
で、映画はかすかな希望を匂わせて終わるが、実際上の俗世間は容赦ない圧力を二人にかけるであろうと思われる。そもそも世の中ってそんなもんでしょう?
この愛の世界に没頭できる人はこの映画をよしとするでしょう。反対に、単なるロリコン的な解釈で映画を見ていた人は苦痛が入り込み、ただ画面を眺めていただけの人もいたのではないでしょうか。150分が長いかどうかはこれによると思います。
愛が研ぎ澄まされ純粋培養されればこういう形態もありなんでしょうね。力作だと思いました。
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