最近再演が続く「タイムレスレター」の公演。今回は一番最初の公演の再演らしい。この劇団はずっと見てきているがこの一作目だけは逃したらしい。なんといつもとはかなり印象の違う作風で、前田氏らしくないなあと思って、帰ってからよくプログラムを見てみたら、脚本が前田氏ではなかった。なるほど、そうなんだと納得。
舞台はいつも美術がすごくて、それだけでもう気持が高揚してしまう。見る前から盛り上がる。今回は12人の出演だが、全員主役でもある、そんな深い役者配置。そんなホンがとてもいい。すばらしい。役者さんたちの演技にそれぞれ凄みがあり、12人を見ているだけで彼らと同化している自分がそこにある。
話はある病院の人生の縮図。それぞれエピソード化されたシチュエーション。誰にでも死は訪れるが、それが早いと人は懊悩する。驚き、怒り、諦観、そして人はある一定のところにたどり着くという、、。
泣かせるなあ、、。好きな役者さんたちが多いこの劇。お目当ての川田さん(今回はまた深みのある秀逸な演技、相変わらずじっくり魅せます)、学生演劇からずっと見てきている今西刑事(とてつもない迫力)、松原さん、うまい、うますぎる、あの存在感。とか、みんな凄みがあり、100%ほどの到達点に達している感あり。
彼らの演技とそれを指導した演出の前田氏に大拍手。大阪では今年はこれが最後らしく、これほどの演劇がもう見られないのかと寂しい気もする。
いい劇団にはいい役者が集まるのだなあと満足感を保持しながら劇場を出る。連休最後のいいひと時である。
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