あまり相性の良くないトロの作品です。やはり最後まで乗れなかったなあ。この登場人物(?)たちのマイナー志向は境界を超え、悪意まで存在するのではないのか、と、、。
イライザ。聾者であり、不美人を装う。何故かゲイの男性と同居。そのためか、性的欲求不満気味である。職業は清掃人。
同居人のジャイルズ。ゲイで、若いハンサム男を思い詰めている。鬱状態でもある。
半魚人。見た目もグロテスク。イライザと恋愛をする。
ホフステトラー博士。最後までいい人役だったが、死ぬのが分かっているのにイライザのことを告げ口する。ロシアンスパイでもあるか。
と、主要人物はみな社会的にマイナーを背負っている人たちばかり。あの、一番まともな同僚の黒人清掃人ゼルダの夫も、妻を脅かすストリッグランドを攻撃するどころか、手助けする始末。
考えたらゼルダとともに、仕事一筋人間の悪役公務員のストリッグランドこそ一番まともな人間として見えてくるから不思議。
と、僕をこうも自虐的に考察させるこの映画はやはり変態気味ですよ。古き名作「キングコング」を僕は一瞬思い起こしたが、あの映画は高尚なプラトニックラブであった。いやはや。トロのこういう描き方は社会的マイナーの方々からはどういう見方をされるのだろうか、と僕はとても気になった。
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