主人公のフィリッポが背も高くなく、どこにでもいそうな若者で新鮮だ。海も青くいい。しかし、映画の根本は難民をどうするかという政治的テーマに絞られてしまい、映画的には不満が残る。
書き込みが足りないのである。本土からやってきた3人組の若者たちも特に触れあいもなく不完全で(あの男ども二人は幽霊か)、女性が帰る見送りシーンもただワンカットがあるという感じ。ここでは若者の青春を湧き立たせなければならないはず。
難民者で赤ん坊を産んでしまう女性に対しても夫と5年間疎遠なわけだから、今回産んだ赤ん坊の父親は恐らく何かあるんだろうけれど全く触れられていない。腹違いの兄はその辺りを殺意で表してはいたが、肝心の母親の心理が描かれていない。
映像自体も結構単調なのである。ある意味これだけ高く評価されているクリアレーゼ二に失礼だとは思うが、映画的には稚拙だと思う。退屈である。この作品の政治的意味合いは分かる気もするが、ただ放り投げてそれだけといった感じもする。
うーん、ちょっと合わないだけかも知れませんが、、。
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