今まで演じてきた役柄からは180度違う超汚れ役を演じることにエクスタシーを感じたであろうまさに福山の映画なんだけど、それがプラスに出たかどうかは微妙ですね。
スターとして君臨する福山からするとパパラッチなんて虫唾が走る種類の生き物に違いないはずだ。それをよりによって彼が演じる倒錯的面白さはそれほど感じなかった。彼のゴキブリ的演技がやはりオーバーで(気の毒感も漂うが)、よくやっているとは思うけど、やはり俗っぽいバイオレンス性は薄い。
こうなると、他の俳優陣が目立つはずなのだが、今回はあの二階堂ふみでさえいつもの魅力満載までには程遠かった。なぜだか分からない。彼女にしては割と普通の役柄だったからかもしれない。
その分、脇役のはずの吉田羊、滝藤賢一 、そして狂気ぎらぎらのリリー・フランキーたちが断然冴え、輝き始める。こればっかりは仕方ないのかな。
話としてはさすが、大根仁作品。これだけの話を2時間じっくり見せてくれる。エンタメとはいえ、たれるところのないのは大根仁の才能の成せる業であろう。これは褒めてあげたい。
今からネタバレです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しかし、ラストの下りがやはりちょっと変。警察の動きもめちゃおかしいし、まるで福山を殺すために無理にあのシチュエイションを作ったかのようだ。ちょっと後を引きずる感じがする。
まあ、この作品の狙いは福山の実際の現実と相対する倒錯的な役柄にあるわけだが、やはり映画としては作り過ぎ感も匂っていたのは否めない。換言すれば、福山以外の無理しない俳優を使ったら全然違う作品になったのかもしれませんね。(でもそういう企画はないか、、)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます