いつも年度末に開催される劇です。今回も3話の短編集。すべて、人間の営みが確かに描かれていて、渋い。淡い。深い。すなわち人生そのものです。
洞察力が並大抵ではない。特に、3話の、人生を上から、真下から、斜めから見透したような鋭さにはっとする。
僕も、人生を十分語ることのできる年齢になり、この語られている人の移ろいゆくはかない歩み(それを人は人生という)がまるで自分を写しているがごとく思えてしまう。つまり、主人公の女性は僕自身でもあり得るのだ。すべての観客であるのだ。
若くないことがこれほど素晴らしいことなのだと教えてくれるのである。そんな人生の挽歌ともいえるこの演劇。素晴らしいです。演じる条あけみさんも、持っているすべてをこの舞台にぶっつけている。ほとばしる演技。凄い。
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