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恋愛の目的 (2005/韓国)(ハン・ジェリム) 80点

2008-02-27 14:23:26 | 映画遍歴
いわゆる恋愛モノでも甘さとありがちな嘘をセーブしたビタータイプの恋愛映画だ。男が女をモノにしようとするしぐさ、態度、言葉がホンモノっぽい。現実に男の脳裏は大体女と出会ったらこんなもので、それを口にするかどうかだけであります。

そのあたりの会話の駆け引き、女のぶりっ子ぶり、じらせぶりそういうところも本当にリアリティがある。童顔で柔らかいイメージのあるパク・ヘイルがセックスでうずうずしている普通の男を演じていてうまい。一方乙女チックな実は強鋼女を演じるカン・ヘジョン、思い切りのいい演技と繊細な女の部分も持ち合わせる複雑な役柄を好演している。

前半の女を落とすだけが人生の生きがいかのような男に言い寄られるまさにセクハラを越えた恋愛シーンは大胆で新鮮だ。二人の奮闘振りにも拍手を送りたい。

男と女は所詮恋愛という名のもとセックスをするのであるが、この映画の題名「恋愛の目的」なんていうものは本来はない。恋愛に目的は存在しないのであります。気がついたら恋愛しているのが恋愛ですから、目的があるわけがない。この日本題名は変ですね。

本来、純朴だと思っていた女がかなり実はしたたかだったというのはよくある話。でも彼女も初めて愛を感じていた男に過去と同じ仕打ちをされかけたとき、自分の身を守るために逆に嘘を言いたて男を陥れるところは、よく分かる。

男との愛を信じていたからこそ男が平然と嘘を言ったのには唖然としたのに違いない。嘘には嘘で対抗したのだろう。だが、その後、1年後の再会がむやむやと元の鞘に収まるところが映画的には健全そうで、どうもしまらないなあ、と思う。ありえそうだが、収め過ぎた感もないではない。映画的過ぎるかなあ。ちょっと惜しいです。
でも、現代の若者の愛の生態をかなりえぐっている秀作だと思います。

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