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ストロベリーショートケイクス (2006/日)(矢崎仁司) 75点

2007-12-15 23:43:43 | 映画遍歴
題名からは窺い知れない、テレビドラマなどでは決して見ることのできない現代女性の生態もしくは生き様を等身大に真正面から写している映画だ。
あまりにリアルなのとほとんど音楽がないので映像を見ているだけできついものがあるが、観客にそう思わせたのならそれはもうこの映画の手腕でもあるのだ。
4人の女性は恐らく現代に生きている女性のそれぞれ分身なのであり、だからこそラストで一枚の絵を基に4人は集合することになる。
男の描き方が逆に本当に類型的で完全に黒子となり果てているのは仕方のないことであり、その分男の視点は女性の内面に入り込むことができるはずなのだが、やはり細かい綾の部分で入り込めないでいる自分に気づく。
例えばデリバリヘルスの中村優子は学生時代の男に純愛しているのだが、うまく初めてのセックスに辿り着ける。しかし、変態プレーなどを毎日行い、女医からも使い過ぎねと言われる女が、いくら純愛しているからといって、職業的に体に身に付いてしまったものに、相手の男が気づかないはずはないと思うのだが、、。
男はセックスの後、まるで処女を抱いたように申し訳ないと言っているのだ。
この辺りはやはり女性の一方的な観念的なもしくは幼稚な思い込みといった感じがしないではない。
まあ、でも実際のところ現代女性にかなり至近距離を感じる映画である。女性からの共感はかなり強いであろう。願わくば男に対してもうちょっと生きた造形をしてくれればかなりの秀作になったことだろう。
でも、映像も凝っていたし、好きな作品である。

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