いつも思うが、高橋恵さんの演劇で今までつまらないと思ったことが一度もない。それどころか、いつも演劇の深部に触れた感を持ち、また演劇に通うことになるのだ。
今回は、その中でも完成度の高い演劇をこれぞと見せつけてくれた。2時間の劇だが、冒頭から俳優陣が役を100%理解できているかのように、はまっている。自信がみなぎっているからなのだろう。それが観客席に伝わっている。
4人の女流俳人のそれぞれの人生、それを俳句に託し、彼女たちの生きざまを投影させている。彼女たちの俳句を映像で見せてくれたのがとてもよかった。瞬時に文学観賞をした感じになって、いつもと違う演劇感が出てくる。
途中では、下働きに扮する女中たちの本音の話も、とても楽しく、笑いあり、泣きもある人生賛歌ととなった。
今年最大の収穫作だ。今のところ2023年の演劇ベスト1である。こういう日は嬉しいに尽きる。
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