セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 86本、 演劇 63本

太陽 (2005/露=伊=仏=スイス)(アレクサンドル・ソクーロフ)

2006-08-11 23:49:38 | 映画遍歴
2時間、一定の緊張感をもってしかも高揚感を保ち映像を見続けるという映画ファンにとって最高の至福を久々に感じることの出来た傑作を見る。
僕たち日本人にとって天皇ヒロヒトはある意味タブーの人であり、敗戦後人間宣言をするまでは神の人だったのだ。
そのヒロヒトをかなり特徴を研究したイッセー尾形がまさに神ががかりの演技で演じ切る。この映画の成功はこのヒロヒトの演技に負っていることは間違いがなく、彼は充分その期待に応えたと思う。まれに見る素晴らしい演技だ。
われわれ日本人にとって、ヒロヒトのこの敗戦前から人間に戻るまでの一定期間が一番興味のあるときであり、タブーであったヒロヒトを盗み見るまたは凝視する至福のときでもある。
思ったよりコミカルな部分を強調してヒロヒトを描いているが、実際の本人も子供のような人であったし、それほど違和感を僕は感じなかった。
まさに、神様であったヒロヒトが人間に戻るまでの苦悩と喜び、悲しみを秀逸な映像、音楽、脚本、演出、、ホント、今年一番の収穫作ではないか、と思われる。
ただ、この作品、日本と海外では本当の面白さに差異があるのではないか、といった想定はできる。海外では、ヒロヒトをどこまで理解できたんでしょうか、、。
*****

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 蟻の兵隊 (2005/日)(池谷薫) | トップ | 東京フレンズ The Mo... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
神を一方的に見る (現象)
2006-08-17 13:16:56
たしかにイッセー尾形の演技によるところが大きかったですね。

しかし傑作でした。

まさしく神がかってました。

盗み見…タブーとして包み隠された人物だったからこそ、

ああいう描写を挟んで観客との一体化もあったと思います。
返信する

コメントを投稿

映画遍歴」カテゴリの最新記事