まず何と言っても舞台の美術が素晴らしい。少し斜めに向いた大きな石板。まさにこれだけで十分一級の造形作品である。そして出し物は言わずと知れた銀河鉄道。
最初宮沢賢治の銀河鉄道を辿っているのかなあと思っていたら、何と「完全版ほさか銀河鉄道」であった。そうなって来ると逆に所々出て来る宮沢の原作モノが、意外とウザったく思えるのだから不思議である。
テーマは**だ、何て言い方をこの舞台ではしてはいけない。人間、生まれて、生きて喜び苦しみ、そして死んでゆく。長く生きる人もいれば瞬間的にしか生きられない人もいる。しかしどんな人も生を受ければ死に向かって進んでゆく。生命の誕生が宇宙の誕生に関係するのならば、人間はふとしたことから生命を得、そして死すとも宇宙の塵となりまた新たな生命を生み出すのかもしれない。そんな宇宙観を少しウェットにほさかは示しているようだ。
ラストは見事この舞台の解決篇を見せてくれて秀逸であった。ストーリー的に泣かせるものではないのに、途中からこのほさかワールドにみごと入り込んでしまいました。静かな号泣とはこのことを言うのではないでしょうか、、。余りの素晴らしさにしばらく席を立てなかったデス。
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