見ているうちに昨年観た映画『ぼくのエリ』のリメイクであることに気づく。モールスで相手と交信する以外は全く同じ内容で、1年だけの間隔の短さ、北欧の暗さからアメリカ風の暗さと変質はしているものの、どうもリメイクの短所も見えてきて感動できない自分を知る。
せめて前作から思い切り逸脱するぐらいストーリーも変えてしまうぐらうの方が良かったのではないか、と思っている。前作のきりりとした冷たさがまだ感触として残っている僕はそれをメジャー化した本作は何か魅力が足りないと思う。
前作も言及したが、吸血鬼の少女がパートナーを自分のエゴで変えたいがために少年に近づいていることは明白であり、もはや役立たずと化した元少年のパートナーの悲しみは前作の方が色濃く出ていたように思う。
ただ、金をかけた分、車での事故に至るまでの描写の生々しさは秀逸で今までの映画ではなかったほどの迫力であった。
でも、モールスで伝達することの意味深さは僕にはそれほど重要には思えず、本作では日本題名にもなっているが、蛇足っぽい。
でも、まあ、この映画を初めて見る人には水準の映画だろうと思う。リメイクはせめて3年は間隔を持ってもらいたいものだ。
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