サラエボ紛争を基に女性の生き方をクローズアップした作品です。結構この手の作品は多いデス。本作は紛争さながら人子受精を考える夫婦との絡みであります。でもなあ、、
ラストになって初めて真相が明かされるというこのショッキングさは痛烈で哀しいものがある。しかしこの長丁場の映画、このラストだけでサラエボを伝えようとするのはちょっと甘すぎるのではないだろうか。夫婦愛の人工授精版2時間はあまりにもただ添え物になってしまった感があるのだ。
考えたらクルスの息子の父親を冒頭で旧友ゴイコ思わせる仕種もちょっとあざとい感じがする。このダイコの描き方も結構浅いし、肝心のディエゴの苦悩そして死に至る過程も何か小説的過ぎる。
何よりサラエボ紛争の映画といえば常に女性への集団暴行・そして妊娠といったポジショニングが多すぎるが、それも分かるが本来のサラエボ紛争がなぜ続いたのか、なぜ同じ国民同士が民族の違いだけで殺戮し合わなければならないのか、じっくり描いた作品が少ないように思える。
本作品は俳優陣の熱演を伴い見どころは十分あるが、映画な構成においてかなり僕は良しとしない感想を持つ。遠く離れた日本においても十分切迫力のあるサラエボ問題を映画化した作品を間近に見たいと思うものである。
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