なかなかどうして、演劇的なすべてが詰まってるいい劇である。タクシーの中で、脚本家と運転手がいろんな物語を創作し、その過程を観客共々楽しめる構成だ。
実際様々な登場人物が夢の中のように溢れるように出現する。これは演劇を作る方も、観客として見る方も、実に楽しく哀しく、そしてコメディなんだが、人生を深く感じることができる。
HEPという大きな劇場の割には大道具もまるで学生演劇のように質素だが、それはそれで大量の出演者が舞台狭きがごとき暴れまわる。手慣れたバランスの取れた劇である。みんな楽しそうに演技している。それが観客にストレートに伝わるのだ。
年当初に見る劇としては実にハッピーになれるいい演劇であった。
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