セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 86本、 演劇 63本

痣 (伊岡 瞬 著) (2016 徳間書店) 80点

2017-06-11 22:54:51 | 読書遍歴
やはり読ませる作家である。内容はどう考えてもありえない警察小説だが、一気読みである。 人間が書かれている。この作家の一番の読みどころである。ぐいぐい引き込まれる。 冒頭、愛妻が殺戮されるところから始まる。しかし、ポツンと、その後が書かれない。通常の警察での出来事が普通に語られる。あれ、あの事件はどうなったんだろうと誰もが思う、、。 それがこの作家のうまい手である。徐々に小出しする。そしてこの . . . 本文を読む
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無名劇団「無名稿 侵入者」(作・中條岳青 演出・島原夏海)(於・アイホール) 85点

2017-06-11 20:26:18 | 演劇遍歴
今回はいつもより大きな劇場での公演だ。というか、あのアイホールが巨大に見える。これが美術のすごさだろう。まずそのことに驚く。 この劇団の特性は日本人に忘れられかけている作家の復権を題材にしているということだろう。 横光利一の「機械」、倉田百三の「出家とその弟子」、そして今回の梅崎春生の「侵入者」「桜島」、これらの作品は今やよほどの愛読者でない限り読むことのかなわない作品群であります。これらを現 . . . 本文を読む
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HAYASHI(林) 『喝采』(作・演出 林龍吾) (於・トリイホール) 80点

2017-06-11 19:42:50 | 演劇遍歴
トリイホールの出し物ではかなりまともでハートフルな演劇であると思う。5人の女性たちの、花香る高校生時代から70歳ぐらいまでの、ある意味現代版女の一生である。 この林龍吾という人は女性の機微をかなりお分かりだと思います。想像だけでは描けない5人の女性の実像をさらりとエッセンスを詰め込んで色濃く描いています。 それぞれの話が語られるのだが、やはり主軸の、ことねさんと川田恵三さんのカップルの話が後々 . . . 本文を読む
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崖淵五次元『その女』(作・演出:林和弥)(於・音太小屋) 75点

2017-06-11 19:20:24 | 演劇遍歴
今回は前回から転じて小さな小屋での上演。客席をゆったり取っているので、舞台部分は超小さく狭い。おのずから今までのように思う存分暴れることはできない感じである。 そんな環境のもと、劇は始まる。林が演出を担当しているせいか、彼は出演していない。となると、おのずから都 美佳に負担がかかることになるのだが、、。 100分ぐらいのランタイムなんだが、意外と長く感じる。いつもはミステリータッチだが、今回は . . . 本文を読む
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