冒頭の一夜を共にした男が女に一人じゃないと眠れないから、と夜中に追い出すシーンが印象に残ったが、だいたい変な映画なんだよね。
五感がだんだん失われて人類が滅亡する過程を描いているんだが、発症するときに暴力的になるだの、作りものとはいえ浅墓過ぎる。ふたりの男優・女優を見ていればそれでいい映画なんです。映画館で観なくて良かった。
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娯楽作でここまで緊密でめちゃ惹きつけられ見ている間の一秒一秒がいじらしく感じられる日本映画ってそうないです。いい俳優、いい脚本、いい演出そして映画への愛が溢れていれば秀作は誕生する。
映像はスタンダードで、特に美を追及はしていない。映画の基本は脚本・演出・演技だと言っているようなそんな宣言を感じるほどだ。
演劇に所属するも何をやらしてもダメな青年に演技派で小憎らしいほどうまい堺。彼が徐々に演技 . . . 本文を読む
キアロスタミから見た日本というツールを通して現代を映す野心作だ。これは絶対にキアロスタミでないと撮れない彼独自の感覚が溢れている。しかし一方、全体的に彼一流の余裕を感じる作品でもある。
冒頭、どこからか聞こえてくる女の声。ケータイらしいが、それは映像に嵌まらない。画面外に居る女だ。しかし映像は延々と喧騒なバーの入れ替わり立ちまわる客などの姿をいかにも意味あるがごとく映している。
観客がいろいろ . . . 本文を読む