曹洞宗の開祖道元の伝記物語であります。結構生真面目な作りでドラマチックな部分が少なく、いつもの高橋伴明の艶が見られない。まるで宗派一門のためのPR映画のごとくかなり節制をしながら映画を作った感がする。
映像にまず色が見られない。色彩映画だから勿論色そのものはあるんだけれど、高橋のまなざしと言うか、人物に入っていく拘りのようなものが見られない。当然傍観者的なタッチに終始し、道元の懊悩までは描かれな . . . 本文を読む
冒頭の誘拐話はとても面白かった。どんな展開、伏線があるんだろうと、ワクワクさせるテクはさすが連城だ。しかも洗練された文章で500ページの長編だがどんどん読み進めていく。
でも、このプロットはちょっとリアリティに欠くよなあ。最後までどうなるかわからないその書きぶりはミステリーとして一流だけど最後であっと言わせるタネがあれでは読み終えた後どっと疲れる羽目になってしまった。
しばらくぶりの連城の作品 . . . 本文を読む