名作『月の扉』――その後。
石持浅海ファンであれば、ぞくぞくする話題作だ。見た目と実際の真実との境目をミステリー仕立てで追及。相変わらずアッと驚く真実はミステリーの醍醐味だ。
特に本作には「月の扉」の11年後の後日談が収録されており、不思議とこの作品が一番もたついているが、逆に石持浅海ファンとしてはほほえましい限り。 . . . 本文を読む
粋な映像で、絵画的濃淡のある色調は素晴らしい。しかも、台詞が少なく表情で人間の心理を探っていこうとするピリリとした一発触発の演出が通りの端役にまで行き届き、2時間半緊張感が途切れることはない。
しかし、前作「ブローバック・マウンテン」とは違い、アン・リー、驚くほどスパイ映画に入り込み、恋愛にそれほど拘泥せず、静と動、偽物と真実、人の探り合いという心理映画的対比にこだわっている。
前作に映画の雄大な . . . 本文を読む
カラス、オナシスともにいわゆるそっくりさん俳優であります。驚くほど似ているので、それだけ彼らの私生活も覗きの感覚になってしまうことに気付く。
超セレブの二人と周囲の取り巻きの豪華船上パーティーなどもう雲の上の人種の飽くなき欲望は、男はビジネスに結びつき女はつましい愛を求めるものであった。
こういう映画から僕らが得るものは何かというと本当に疑問に思えるわけで、そっくりさん俳優の使用というだけでそこに . . . 本文を読む