なってるハウス(2021/8/25)。
Rooftop Camels 屋上駱駝:
Nonoko Yoshida 吉田野乃子 (as, ss)
Tomoaki Motoyama 本山禎朗 (p)
「Second Line Song」では気持ちいいユニゾンがあって、近づいたり離れたり。「C.A.A」の導入は「A Night In Tunisia」を思わせるもので、ピアノに勢いがある。アルトを受けてさらに加速。トリオ深海ノ窓でも演奏している「空ヲ知ル」での抒情メロディとピキピキと唸る走りとの共存、これが吉田野乃子。そのアルトはどこまでいくか、エスカレートしてまるで電子音のように化ける。
「Waltz For Polly」では今回のツアーではじめて東京で使うという台湾製のソプラノ(ネッド・ローゼンバーグ、ジョン・ゾーンの両師匠が安いのに良いと評価し、エヴァン・パーカーも吹いたらしい)。ピアノとの共存がまるで追いかけっこのようだ。この強度はやはりライヴならでは。
たしか「Tabuchi, are you ok?」というヘンなタイトルの曲では撥音を多用するアルトに正統の重みのようなものを持つ強いピアノで対峙する。野乃子さんはコップでなにやら音を出すのだが「しゃべったらあかん」と言っているような・・・。そのあとマウスピースで遊んだりもした。「蛇ローテーション」ではふたたびソプラノを使い、ヴィブラートを効かせてオリエンタルな感覚もあった。ピアノは対照的に正面から攻め、そのコントラストが良い。「M's Flat」でのピアノはさらに個で成立する音世界、それに敢えて甲高く漏れる音を含めたアルトの抒情。アンコールは短くCubic Zero 立方体・零の曲を、パターンもスピードも忙しく展開。
古いライカのレンズ・エルマルート90mmF2.8を使ったらとても柔らかく写った。
Fuji X-E2、Leica Elmarit 90mmF2.8(初代)
●吉田野乃子
『Total Knock Out Orchestra』(JazzTokyo)(2020年)
The Music of Anthony Braxton ~ アンソニー・ブラクストン勉強会&ライヴ@KAKULULU、公園通りクラシックス(JazzTokyo)(2019年)
吉田野乃子@四軒茶屋(2018年)
デイヴ・スキャンロン+吉田野乃子@なってるハウス(2018年)
トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』(2017年)
『トリオ深海ノ窓 Demo CD-R』、『Iwamizawa Quartet』(2017、2007年)
乱気流女子@喫茶茶会記(2017年)
吉田野乃子『Demo CD-R』(2016年)
吉田野乃子『Lotus』(2015年)
PAK『NYJPN』(-2014年)
ペットボトル人間の2枚(2010、2012年)