マイラ・メルフォードの新作『Snowy Egret』(Enja/Yellow Bird、2013年)を聴く。
Myra Melford (p, melodica)
Ron Miles (cor)
Liberty Ellman (g)
Stomu Takeishi (bass g)
Tyshawn Sorey (ds)
昔から、マイラ・メルフォードの創り出す曲には独特なオリエンタルな響きがあって、好きなのだ。大事に鋭利に砥がれたクリスタルガラスのようで、それでいて同時にアグレッシブに突き進む瞬間が多々現われる。強烈な美意識も見え隠れする。
もっとも、その意味では、本作は新しいマイラではない。いつものメンバー、リバティ・エルマンのギターも、ツトム・タケイシのベースギターも、マイラの美意識重力圏の中で非常にスタイリッシュなソロを取る。新鮮といえば、アメーバのような不定形さを感じさせるタイショーン・ソーリーのドラムスだ。
最終曲は、素晴らしいブルース・ピアノから入り、そのうちに、キメにキメた者たちが、ビカビカと光を反射しながら走り抜ける。
●参照
マイラ・メルフォード『life carries me this way』
マイラ・メルフォード『Alive in the House of Saints』 HAT HUTのCDはすぐ劣化する?
『苦悩の人々』再演
ブッチ・モリス『Dust to Dust』