故あってヴァーラーナシー(ベナレス)から車で片道5-6時間の移動をした(というか、それが目的でヴァーラーナシーに立ち寄ったのだが)。デカン高原北部、ウッタル・プラデーシュ州の南東部である。
6年前に来たときには、道の真ん中にクレーターのような大穴があると驚いたものだが、状況はさほど変わってはいない。悪路また悪路、人と犬と牛、そして途中に大きなセメント工場があるためにトラックが行列をなしてゆっくり進んでいる。居眠りをすると頭を打ち付けてしまう。従って、いかに悪路でないところでスピードを出し、どれだけのトラックを追い越すかによって、移動の速さが決まってくる。発展にインフラ整備が追いついていない印象が強い。勿論、大都市の域内だけでなく道路がきっちり整備されているところはあって、去年はデカン高原南部を7時間以上移動しても苦にならなかった。
ガンガーに架けられた大きな橋を渡り、ごみごみしたエリアを脱出してしばらくすると、いろいろな風景が現れる。広い水田の中に赤や橙の鮮やかなサリー姿の女性がいる。ユーカリばかりの地域。レンガ工場が林立する地域では、ツチノコが立ちあがったようなずんぐりした煙突がそこかしこに見える。山道からの眺望。
去年デカン高原南部で見た風景は、巨大な岩が積み上がった奇怪な山々やひまわり畑だった。やはりこれだけ広いと、どこを見て語っても「群盲象を評す」を体現する結果になってしまう。これもインド発祥の言葉であるらしい。
デカン高原北部のユーカリと小屋と牛 Pentax LX、AM TOPCOR 55mmF1.7、FUJI PRO 400
道路のあちこちには、当然、食べ物の屋台や小屋がある。
オリッサ州。同行者がサモサを食おうと言って停まったところにはサモサはなく、バラという名前の豆や芋の揚げ物をつまんだ。別の場所には、やたらと甘い菓子のセナガチャというものがあった。
バラ (コンデジで撮影)
セナガチャ (コンデジで撮影)
この時期はちょうどムンバイでガネーシャ祭をやっていたばかりで、その影響が北部や東部にもあるのか、あちこちで大きなガネーシャを担ぎだし、スピーカーから大音量の音楽を流し、夜になろうというのに大勢が騒いでいた。
●参照
○2011年9月、ヴァーラーナシーの雑踏
○2011年9月、ヴァーラーナシー、ガンガーと狭い路地
○2011年9月、ベンガル湾とプリーのガネーシャ
○2011年9月、コナーラクのスーリヤ寺院
○2011年9月、ブバネーシュワル
○2010年10月、デカン高原
○2010年10月、バンガロール
○ジャマー・マスジッドの子ども
○2010年10月、デリー
○2010年9月、ムンバイ、デリー
○2010年9月、アフマダーバード
○PENTAX FA 50mm/f1.4でジャムシェドプール、デリー、バンコク
○荒松雄『インドとまじわる』