Sightsong

自縄自縛日記

ダニエル・ユメール『Seasoning』

2018-01-20 16:51:39 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダニエル・ユメール『Seasoning』(Intuition、2016年)を聴く。

Daniel Humair (ds)
Vincent Le Quang (ss)
Emil Spanyi (p)
Stephane Kerecki (b)

ダニエル・ユメールはシンバルワークの名手である。いちどだけ新宿のDUGで観たとき、シンバルのみで響きの濃淡をつけていく過激さに驚かされた。ここでも大家は健在であり、静かに火花が散るような音はこの人のみのものだなと思うのだった。

もうひとつの注目は、ソプラノサックスを吹くヴィンセント・レ・クアン。音色は透明なのだが、決して真ん中の周波数だけではなく、マウスピースのところで擦るように音を抑え、タンポのパタパタ音を響かせたりしてとても柔軟。アルド・ロマーノ『Liberi Sumus』(2014年)ではテナーも吹いていて、やはり柔らかく印象的だった。これからの注目。

ところでユメールは、かつてデクスター・ゴードンとも共演している。この「European Jazz Legends」には決まってインタビューが収録されていて、その中で、ベルトラン・タヴェルニエ『ラウンド・ミッドナイト』に描かれたパリのジャズシーンについて話題になり、ユメールは、いや違う、デックスはもっとゆっくりと喋るんだ、「A... Night... in... Tunisia」(笑)と真似してみせる。愛情たっぷりだ。

●ダニエル・ユメール
ダニエル・ユメール+トニー・マラビー+ブルーノ・シュヴィヨン『pas de dense』(2009年)
ユメール+キューン+マラビー『Full Contact』(2008年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。