千葉県浦安市の当代島稲荷神社には、富士塚、支那事変(日中戦争)への出征を祈念した碑、それから鯨の碑がある。民衆的信仰、豊穣の神としての稲荷だが、ここの鳥居にはトヨウケの文字があって興味深い。
支那事変出征祈念碑 Leica M4、Zeiss Biogon 35mmF2、コダクローム64、ダイレクトプリント
大鯨の碑 Leica M4、Zeiss Biogon 35mmF2、コダクローム64、ダイレクトプリント
1875年に、荒川の河口にある三枚洲に鯨が乗り上げたところを、二人の漁師が生け捕りにし、二百円で売ったらしい。これは深川で見世物となった。漁師はあぶく銭で遊蕩したが、年寄りの助言により、残りのお金をここに寄進し、碑を建立したと言われている。(小松正之『豊かな東京湾』、雄山閣、2007年)
●過去の記事 「浦安・行徳の神社」、「浦安・行徳の神社(2)」
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寄進して碑を作るなんて、いい話です。
130年後に、その足跡が残るなんて、
いい感じですね。私たちの残すものなんて
仕事も家も含めて、一般的に数十年しか
残りませんものね。
そうですね。しかしその前に、荒川に鯨が迷い込んでくること、それをしとめること、といった僥倖にもめぐり合うことが難しそうです(笑)。