Sightsong

自縄自縛日記

山田光+黒澤勇人『we oscillate!』

2019-07-06 09:41:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

山田光+黒澤勇人『we oscillate!』(companysha、-2019年)を聴く。

Hikaru Yamada 山田光 (as)
Hayato Kurosawa 黒澤勇人 (g)

不穏な感覚もコンセプチュアルな感覚もあって、確かにこれは良い。

細田成嗣さんによる長文のライナーノーツには「ギターとサックス」での即興の歴史が書かれている。それは何もいまの演奏に無関係な背景というわけではなく、どれも似通ったものになってしまう危険性を孕んでいるという点において重要だということがよくわかる。従って、本盤では、曲ごとに構造やコンセプトやスタイルを変えて作品作りに臨んだのだとする指摘は納得できる。

ライブラリアンズにも共通する思想があるのかもしれない。山田さんのプレイを観ていて、単なるサンプリングや陳列ということではなく、歴史を短い時間のなかに凝縮する方向性があるのかなと思えることもあった(サックスの徳永将豪さんが「至上の愛」なんかも凝縮され引用されている山田さんの演奏を観てそのようなことを言っていた記憶があるが、こちらの勘違いかもしれない)。それは野蛮な雰囲気をはなつものでもあったが、アーカイヴと演奏との往還という知的作業に伴うものに違いない。結果として、演奏は制度に基づく再生産ではなく生々しいものになっている。

ああそうか、細田さんのフタリでの企画「ギターとサックス」(2019/7/21)はこの流れの中に置かれたのか。

●山田光
山田光+坂本光太@Ftarri(2019年)
即興的最前線@EFAG East Factory Art Gallery(JazzTokyo)(2018年)
this cat、山田光&ライブラリアンズ@Ftarri(2017年)
Sloth、ju sei+mmm@Ftarri(2017年)
山田光&ライブラリアンズ『the have-not's 2nd savannah band』(2016年)
『《《》》』(metsu)(2014年)


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