Sightsong

自縄自縛日記

ニコラス・ペイトン『Letters』

2017-07-04 20:53:51 | アヴァンギャルド・ジャズ

ニコラス・ペイトン『Letters』(Paytone Records、2014年)を聴く。2枚組で発売直後はそれなりに高かったのだが、もうアウトレットのカゴに見つけることができるようになった。

Nicholas Payton (tp, p, Fender Rhodes, org, vo)
Vicente Archer (b)
Bill Stewart (ds)

前作の『Numbers』は、トランペットよりもフェンダーローズのほうを多用し、全体をダークな雰囲気でまとめたコンセプト・アルバムだった。そして本作では楽器をさらに増やしている。ときにはピアノトリオ、ときにはオルガントリオ。

ひとつひとつの曲は短く、完成度高くまとまっている。トランペットはどうなのかといえば、昔から変わらずエンジンの出力が半端なく大きいため、余裕を持って色気のある音が放たれている(90年代に来日して原朋直グループと対バンでやったときにはあまりの違いに驚愕してしまった)。この点ではジェレミー・ペルトよりも良いなとさえ思える。

しかし、なんでこんなに突破力が希薄なんだろう。サウンドのショーケースはもう要らないし、「BAM」という名のジャズに自らを押し込めることもないのだ。トランペットのトリオで1枚分厚いものを作ってくれればいいのに。

●参照
ニコラス・ペイトン『Numbers』(2014年)
ニコラス・ペイトン『#BAM Live at Bohemian Caverns』(2013年)


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